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その他婚姻費用とは何だろう。どんな場合、どうすれば請求できるのか?

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夫(旦那)が家を出てしまい、別居することになり、そのような状態でありながら夫から婚姻費用が支払われない。そのようなことで困っていないだろうか。現在、困りごとでないとしても、将来、何があるかわからないともいえるので、知っておいても損はないはずだ。この記事では婚姻費用について説明していくので、現在、婚姻関係にあったり(結婚していたり)、そうでなくてもこれから結婚することを少しでも考えているのなら、一読することをおすすめする。

1.婚姻費用とは何か?

『婚姻費用(こんいんひよう)』とは婚姻共同生活、つまり結婚して共同生活を送るための費用のこと。配偶者(夫、または妻)の収入・財産に応じた生活水準を維持するために必要な生活費・医療費・交際費等の日常的な支出や、配偶者間の子どもの出産費・養育費・学費等を含む費用のこと。上記すべてを含めたものが、婚姻費用とされている。

そもそも婚姻費用は民法上(民法760条)、配偶者間で分担すべきものとされているが、婚姻費用が問題となるのは、夫婦が別居状態になっている場合がほとんどだ。

また、民法730条には「直系血族及び同居の親族は、互に扶け合わなければならない」とある。これは『生活保持義務』に関するものといえる。「直系血族及び同居の親族」というのは、厳密には婚姻関係にある夫婦のみを指すわけではないが、近年では、夫婦とどちらかの親(または両方の親)が同居するケースはそれほど多くないので、「直系血族及び同居の親族」は実質、夫婦を指す場合がほとんどなのだろう。

また、夫婦間には、相手に自己と同程度の生活をさせる義務があり、これを「生活保持義務」という。これを、もう少し説明しよう。別居によって、夫婦のうちのどちらか一方の生活レベルが落ちている場合、法律上の婚姻関係が継続する限り、夫婦のうちのもう一方は相手の生活レベルを、自分と同程度に維持する義務を負う。

別の言い方をするなら、法律上の婚姻関係が続く限り、夫婦間の生活レベルを同じ程度に維持するため、婚姻費用を支払う必要が出てくる、ということだ。

婚姻費用の内訳について説明するなら、生活費・医療費・養育費・住居費(家賃)・交際費・娯楽費ということになる。交際費や娯楽費も含まれるのかと疑問に思うかもしれないが、交際費は友人との交際に必要な費用、娯楽費は余暇を楽しむための費用ということになる。極端な散財やギャンブルなどの費用は認められないが、一般的な内容であれば認められる。特に、夫婦のうちのどちらかが費やしている程度の交際費や娯楽費は、(夫婦のうちの)もう一方にもおおむね認められるものだ、と考えるといいだろう。

2.婚姻費用はどんな場合に支払われるのか?

前章に述べたように、夫婦が婚姻関係にありながら別居中である場合だ。そのような場合、配偶者間で一方からもう一方への、生活費等が支払われていないと、婚姻共同生活の維持ができないということになる。そのような場合、婚姻費用を支払う必要が出てくる。

この婚姻費用をさらにわかりやすく語るなら「夫婦が結婚を続けている間の生活費」ということになるだろうか。これはある意味、同居していようが別居していようが関係ない、ともいえる。同居していても、別居していても生活費はかかるのだから、いずれにしても婚姻費用が発生するのだ。

3.婚姻費用は誰が支払うのか?

1章で「夫婦間の生活レベルを同じ程度にするため」と述べたが、夫(旦那)が妻(女房)に支払うケースが多い。必ずどちらがどちらに支払うという決まりがないものの実質、夫の収入のほうが妻の収入より多い、というケースがほとんどだからだ。

ただ、どちらからどちらに支払うという決まりがないということは、妻のほうが収入が高い場合、妻が夫に婚姻費用を支払う、ということももちろんあり得る。実際、そのような場合もある。

4.婚姻費用は誰が受け取るのか?

これは、基本的に前章と逆になると思えばいい。婚姻中でありながら別居していて、生活費等を受け取っていないほうが受け取る、ということになる。つまり、妻が受け取ることがほとんどだ。それは、先ほども述べたように、妻のほうが夫よりも収入が少ないケースが多いからだ。

5.婚姻費用の金額はどうやって決まるのか?

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婚姻費用は、夫婦それぞれの収入、子どもの年齢や人数で決まる。具体的には、裁判所が婚姻費用の算定表を公表しているので、それを見てみるのがいいだろう。夫婦それぞれの収入が分かれば、だいたいの金額が計算できるので、こちらの「婚姻費用等の算定表」が参考になると思われる。

夫婦それぞれの収入、子どもの年齢や人数によってさまざまなバリエーションがあり得るが、夫婦ともに(自営業者でない)給与所得者で、義務者(婚姻費用を支払う側)の年収が500万円で、権利者(婚姻費用を受け取る側)の年収が100万円の場合を例に紹介する。一例として参考にしてみてほしい。

婚姻費用 養育費
子ども1人(0~14歳) 8~10万円 4~6万円
子ども1人15~19歳) 8~10万円 6~8万円
子ども2人(2人とも0~14歳) 8~10万円 6~8万円
子ども2人(第1子15~19歳、第2子0~14歳) 10~12万円 6~8万円
子ども2人(2人とも15~19歳) 10~12万円 8~10万円
子ども3人(3人とも0~14歳) 10~12万円 8~10万円
子ども3人(第1子15~19歳、第2子及び第3子0~14歳) 10~12万円 8~10万円
子ども3人(第1子及び第2子15~19歳、第3子0~14歳) 10~12万円 8~10万円
子ども3人(3人とも15~19歳) 10~12万円 8~10万円

婚姻費用には生活費・医療費・養育費・住居費(家賃)・交際費・娯楽費が含まれる。住居費には賃貸住宅の家賃も含まれるが、住宅ローンがある場合は「住宅ローンの額が、婚姻費用から控除される場合」と「婚姻費用の算定において、住宅ローンを考慮しない」場合がある。これらの算定については、専門家でないと難しい場合があり、弁護士に相談してみるのも1つの方法だ。

6.婚姻費用の実際の決定方法は?

婚姻費用というのは、基本的に家庭内のことなので、当事者間(夫婦間)の話し合いで決められるのであれば、それでよい。極端な話、夫婦間で合意が成立するのであれば、どのような取り決めをしてもかまわない。

前章で紹介した「婚姻費用等の算定表」は相場であり、あくまで相場と考えて、その相場とかけ離れた金額であっても、夫婦間で了承したのであれば正直、いくらであってもいいことになる。

7.婚姻費用の分担請求調停

婚姻費用について、夫婦(当事者)間で話し合いをしても合意が成立しない場合(または、夫婦の一方が話し合いに応じない場合)は、調停・審判になるのが一般的だ。この場合、『婚姻費用の分担請求調停』を家庭裁判所に申立てることになる。

これは、別居中の夫婦間で、夫婦や未成熟子の生活費など婚姻生活を維持するために必要な費用(婚姻費用)の分担について、当事者である夫婦による話し合いではまとまらない場合に進められるステップだ。ちなみに、「未成熟子」とは成人年齢に達しているかいないかに関係なく、まだ経済的に自立できていない子を意味する法律用語だ。扶養権利者であり、親の扶養義務対象者ということになる。つまり、親が生活を援助する義務がある子どもだ。

調停手続では夫婦の資産、収入、支出などの事情すべてについて、当事者(夫婦)間の双方から意見を聞き、必要であれば資料を提出してもらう、というのが通常の流れだ。そのうえで。家庭裁判所では解決策を提示したり、解決のために必要と思われる助言をしたりし、解決のための話し合いが進められる。

ただし、ここでも話し合いがまとまらず、婚姻費用の分担について調停が不成立となった場合、自動的に審判手続が開始され、裁判官が必要な心理を行ったうえで、すべての事情を考慮し、審判することになる。夫婦それぞれの負担能力(収入の大小等)に応じて、夫婦はそもそも分担する義務を負っているのだが、その点も考慮して、婚姻費用の分担についての審判がなされるであろう。

8.婚姻費用の分担請求ができるケース、できないケース

前章で、婚姻費用分担請求について説明した。婚姻費用の分担請求というのは基本的にできることになっているが、できない場合もあるので、そのことについて解説していこう。

8-1.婚姻費用の分担請求ができるケース「夫婦が別居している場合」

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ちょっと堅い表現になるが、夫婦というのは婚姻(結婚)の意思をもっていっしょに生活する男女の共同体だ。そのことを前提に、夫婦には同居義務が法的に定められ(民法752条)、転勤や病気療養よるやむを得ない理由がある場合などを除いて、夫婦がともに暮らす家から勝手に出ていくことは同居義務違反となる。

このように、夫婦はたがいに同居の義務を負っているが、相手の不貞行為やDVなどが原因で一緒に暮らすことが困難になることがある。しかし、たとえ同居していなくても、離婚届が受理されるまでは、夫婦であることには法的にも変わりがない。そのため、別居を理由に生活費の支払いを拒むことは原則としてできないのだ。たとえば自分が家を出て行った側だとしても、相手のほうが収入が多い場合は、相手に対して婚姻費用の支払いを請求することができる。

8-2. 婚姻費用の分担請求ができるケース「別居して子どもを引き取った場合」

夫婦間において、相手と自分は社会的地位や収入の差がない、あるいは、相手よりも自分のほうが収入が多い場合でも、相手に婚姻費用の支払いを請求できるケースがある。それは「相手が子どもを置いて出て行ったとき」、または「自分が子どもを連れて家を出た」ときだ。このような場合、請求できる婚姻費用は、夫婦が一方を扶養する義務というより、親が子どもを養う義務として発生する、と考えたほうがいい。

8-3.婚姻費用の分担請求ができるケース「同居しているのに婚姻費用が支払われない場合」

ここまで主に、夫婦が別居している状態を中心に話を進めてきたが、婚姻費用分担請求は必ずしも別居していなければならないわけではない。もしも同居している最中に相手から生活費がもらえなくなったときは、請求することができる。生活費を支払わないことで配偶者が困窮することを知っているのに、あえて生活費を渡さないことは、法律で定める離婚原因の1つ「悪意の遺棄」に該当する可能性があるからだ。

この「悪意の遺棄(いき)」について軽く説明しておこう。ここでいう「悪意」とは、悪気がある、というようなニュアンスに近く、夫婦による婚姻(結婚)生活が破たんすることをわかっておきながら、といった意味。「遺棄」とは本来、「置き去りにする」「捨てて顧(かえり)みない」というような意味合いの言葉だが、ここでは「生活費を家計に入れない、夫婦で同居しない」など、配偶者との生活を見捨てる、という解釈が近いだろう。

8-4.婚姻費用の分担請求ができないケース「別居の原因が自身にある場合」

ここまで、婚姻費用分担請求ができる場合を取り上げてきたが、できない場合もあるのでそれについても解説しておく。たとえば、自分自身の身勝手な不倫が主な原因で夫婦関係がぎくしゃくして成り立たなくなり、その結果、別居に至ったような場合が、これにあたる。

そのようなケースでは、仮に相手より自分のほうが収入が低くても、婚姻費用分担請求は認められない。もしくは、認められたとしても大きく減額される可能性が高い。

ただし、例外もある。自分の不倫が原因で別居に至ったようなケースでも、自分のほうが子どもを引き取っている場合は、婚姻費用のうちの、子どもの養育費や教育費にあたる部分については、自身に非があるかないかに関係なく、請求することが可能だ。

9.婚姻費用の支払い(受け取り)を継続させるための方法

法的に婚姻生活を続けているものの、実際は別居している状態で、配偶者から婚姻費用を受け取っているという場合でも、なかなか安心できないことがある。その不安は、主に「婚姻費用の支払いが途切れないだろうか」ということからくるものではないだろうか。

配偶者の収入や性格などにもよるが、ほとんどの場合、離婚しない状態で婚姻生活を続けて「婚姻費用」を受け取るほうが、離婚して「養育費」を受け取るよりも月々受け取ることのできる金額が多い、ということもある。

婚姻費用のほうが養育費よりも有利な理由は、それだけではない。離婚後、養育費を支払わない配偶者が少なくないからだ。「縁の切れ目が金の切れ目」ということわざのように、離婚して籍が別々になったら、もう無関係とでもいうように、養育費を一切支払わない人も残念ながら珍しくない。

そのようなリスクを減らすには、相手から離婚できない状態にしてしまう、という方法がある。そのために、探偵事務所に相談してみるのもいいかもしれない。別居している配偶者の素行調査を探偵事務所に依頼し、配偶者の不貞の証拠をおさえてもらうのだ。

特に別居になった背景に、配偶者の浮気・不倫の可能性がある場合、この方法は有効だ。たとえば、配偶者と浮気相手とラブホテルに入ったり、出たりする状況を撮影するなど、『不貞の証拠』が撮れたら、配偶者は『有責配偶者』ということになり、配偶者からの離婚の申し出は認められないことになる。

ちなみに、養育費については「離婚したとしたら養育費はもらえるのか、いくらもらえるのか?」、有責配偶者については「有責配偶者について知ることがパートナーとの結婚生活の継続につながる」が参考になるかもしれない。

10,婚姻費用地獄とはどういう状態か

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前章で述べたことを逆の立場から見てみるとどうなるか。自分が婚姻費用を支払う側であった場合、婚姻費用のとらえ方は違ってくるだろう。つまり、自分としては離婚したいのに、相手は離婚に合意してくれない。それでいて、自分のほうが収入が多いので、自分は婚姻費用を支払い続けないといけない、というようなケースだ。

このような状態を『婚姻費用地獄』(こんいんひようじごく)、略して『こんぴじごく』ともいわれる。婚姻生活を続けていて、別居しているとき、配偶者のうち、収入の多いほうの配偶者が婚姻費用を支払う義務がある。それは間違いない。

ただし、収入の少ないほうの配偶者が、浮気・不倫をしているようなケースでは、この限りではない。相手に非がある可能性もある場合、探偵事務所への相談を検討してみてもいいだろう。実は支払わなくてもいいのに、長期にわたって支払い続ける「婚姻費用地獄」(こんぴじごく)から解放されることにつながるかもしれない。

まとめ

婚姻(結婚)生活が続いているうちは支払いが発生するかもしれない「婚姻費用」。これは、配偶者や養育中の子どものための生活費などのことで、必要なのは疑いようがない。裁判所が標準算定表を公表していて参考になるものの、夫婦の収入の違いだけでは分担などを決められないこともあり、それほど容易ではない。場合によっては弁護士事務所や探偵事務所などに相談してみるのもいいだろう。

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