その他「離婚してすぐに再婚」するって法律上、問題ないの?
「現在のパートナーと離婚して、その後すぐに(別の誰かと)再婚したい」と考えている人はいないだろうか。そのように思うのは珍しいことではない。ただし、「離婚後の再婚」に関し、注意点がいくつかある。そのあたりについて、このコラムで語っていく。「離婚して再婚」が気になっているのなら、「離婚」を急ぐ前に、ぜひとも一読してみてほしい。
1.離婚してすぐに再婚できるのか?
「離婚後すぐに、再婚することは可能」と言いたいところだが、そうではない。男性と女性で異なるのだ。男女雇用機会均等法の改正をはじめ、近年、男女平等の考え方が日ごとに一般化しつつあるなか、「男女で違うのはおかしいのではないか」と感じる人もいるのではないか。この時代、そう考えたとしても無理はない。しかし、「離婚から再婚」に至る流れが、男女で異なるのは事実なのだ。詳しくは、次章で説明していく。
2.「離婚から再婚」に関する男女の違い
さっそく、「離婚後すぐに再婚できるかどうか」という問いに答えよう。結論からいうと、男性は離婚後すぐに再婚することができる。極端な話、男性は離婚した瞬間に再婚することだって可能だ。法律の上でも、男性が離婚後すぐに再婚することは、特に問題がない。
しかし、女性の場合は異なる。『再婚禁止期間』が設けられているのだ。「再婚禁止期間」は「待婚期間」ともいわれ、一定の期間が過ぎなければ再婚できないと定めているもの。その「再婚禁止期間」として、女性は離婚してから100日間は再婚できないとされている。
これは法律で定められていて、民法733条1項に「女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して100日を経過した後でなければ、再婚をすることができない」と明記されている。
2-1.「再婚禁止期間」は女性にのみが定められている
男性には再婚禁止期間の規定は特にないのに、女性は再婚禁止期間が100日と定められている。それはなぜなのか。さまざまな面で男女平等がうたわれる時代に逆行しているのではないか、と感じる人もいるかもしれない。
再婚禁止期間が100日と定められているのには理由がある。女性は「子どもを産む」ことができるため、規定が設けられたのだ。では、この規定がなぜ設けられたのかについて説明しよう。
離婚して再婚した女性が出産した場合、生まれた子どもの父親が誰なのかが問題になることがある。つまり、再婚しているのなら、「前の夫なのか、現在の夫なのか」が分かりにくく、そのことがトラブルの種になりやすいのだ。そのように「前の夫と現在の夫」のどちらが父親か、もめないように設定されたのが再婚禁止期間の100日ということになる。
2-2.「再婚禁止期間」は法改正で100日に短縮
再婚禁止期間は、以前は6カ月だったが最高裁判所の違憲判決により、平成28(2016)年6月1日、民法の一部を改正。女性の再婚禁止期間が「前婚の解消又は取消しの日から起算して100日に短縮」されるとともに、再婚禁止期間内でも再婚できる場合について明らかにされた。また、法改正の1週間後、平成28年6月8日に公布・施行となっている。
今後について、再婚禁止制度そのものを存続させる必要があるかどうか審議されることになるが、現状、再婚禁止期間は100日だ。
3.再婚禁止期間内でも再婚できる場合とは?
前述したように、法改正によって女性は離婚(前婚の解消又は取消し)の日から起算して100日に短縮された。子どもが生まれた際、「前夫と現在の夫のどちらが父親か」というのは大きな問題なので、この法改正には意味があるだろう。ただし、婚姻禁止期間について例外として扱われるケースもある。ここでは例外について説明していこう。
3-1.結婚していた人と再婚する場合
離婚したあと、同じ人(同じ男性)と再婚するケースは、例外に該当する。このケースは実際に少なくないのだが、いわれてみれば理解できるのではないだろうか。たとえば、衝動的に離婚したものの、離婚後に落ち着いて考えてみたところ、「やっぱり、自分にはこの相手しかいない」と思い直し、同じ相手ともう一度結婚(再婚)するようなケースだ。もちろん人にもよるので「同じ相手との再婚など考えられない」と言い切る人もいるだろうが、実際のところ、このようなケースはそれほど珍しくない。
これが離婚禁止期間の例外として認められている背景には、子どもが生まれた場合への考慮もあるのだろう。というのは、離婚後100日以内に再婚したとしても、再婚相手が同じ人(前の夫)であれば、子どもが生まれたとしても、基本的にその同じ人(前の夫)が父親であると考えられるからだ。
民法の条文では「父親と推定される」というように表現されているが、このケースでは「前の夫と現在の夫が同一人物で、その夫(男)が生まれた子どもの父親だと推定される」ため、例外と認められるのだろう。
3-2.妊娠の可能性が低い場合
この「妊娠の可能性が低い場合」をもう少し正確に言うと、2つのケースがあることになる。それは『離婚した時点で妊娠していなかった場合』または『離婚した後に出産した場合』だ。
前者の「離婚した時点で妊娠していなかった場合」は読んで字のごとく、といっていい。離婚時に妊娠していなければ、離婚後100日以内に再婚したとしても、「誰が父親なのか」という問題が起こりにくいからだ。たしかに離婚時に妊娠していないのなら、父親の推定が重複すること、つまり、子どもが生まれたときに「どっちが父親か」で、もめごとになることは基本的にないだろう。
後者の「離婚した後に出産した場合」とは、離婚後100日以内に出産したのであれば、一般的に考えて、前の夫が父親ということになるだろう。であれば、前の夫が、生まれた子どもの父親ということでもう一度結婚(再婚)することに、特に問題がないと考えられるからだ。
なお、上記の2つのケースでは、「離婚した時点で妊娠していなかった場合」または「離婚した後に出産した場合」を証明するために医師の診断書とともに婚姻届を提出することが、(離婚後100日以内の)再婚の条件になっている。
3-3.前婚が夫の行方不明による離婚の場合
夫の行方不明が原因の離婚も、例外に該当する。もう少し具体的に書こう。夫が行方不明になり、その後3年以上にわたって生死不明となっていることが原因で離婚した場合、離婚から100日以内の再婚が可能になる。3年以上にわたって生死不明ということは、父親に推定されることは不可能、という考えに基づいた例外だ。
3-4.上記以外のケースで、再婚禁止期間に再婚した場合
これは実のところ、不可能といっていい。なぜなら、再婚する際、役所に提出する『婚姻届』を受理してもらえないからだ。だから、例外が認められているケースに該当しない場合、はっきりいって、再婚禁止期間に再婚はできないということになる。
ただし、抜け道がなくもない。いや、抜け道というと、非合法の再婚のように受け取られかねないが、それは違う。どうしても再婚禁止期間が終わるまで待てないというなら、『内縁の夫婦』として『事実婚』の状態で、夫婦生活を始めるという方法もある。このコラムの内容を理解したうえで、事実婚を選ぶのであれば、それはそれで良い、といってもいいだろう。
4.離婚してすぐに再婚する人はどの程度いるのか
そもそも、離婚からそれほど間を空けずに再婚する人はどの程度いるのだろう。具体的な数字を題材に説明しよう。厚生労働省が発表している「婚姻に関する統計」というデータがある。この統計は10年に一度まとめられていて、現時点での最新版は平成28年(2016)度となる。正しくは、平成28年度「人口動態統制特殊報告『婚姻に関する統計』」という名称だ。
この統計によると、平成27年(2015)年に結婚した夫婦は635,156組。そのうち夫婦ともに初婚というケースは464,975組で、それに対して、夫婦ともに再婚またはどちらか一方は再婚というケースは170,181組。約27%が、再婚組(少なくても夫婦のうちどちかかは再婚)だ。つまり、平成27年に結婚した4組に1組以上が再婚ということになる。
さらに、このコラムで取り上げているケースについて見てみる。離婚からそれほど間を空けずに再婚しているケースを取り上げてみよう。それに関していうなら、平成27年に離婚し、同じ年に再婚したのは夫5.2%、妻2.7%。この数字を「多いと見るか、少ないと見るのか」は人によって判断が分かれそうだが、離婚からそれほど時間を空けずに再婚している人もそれなりにいる、とはいえるのではないだろうか。
平成27年に結婚した夫の20人に1人以上が、離婚したその年に再婚していることになる。妻の場合はそれより減るとかいえ、離婚したその年に再婚した妻もそれなりの人数いる、といえるのではないか。
5.再婚のメリットとデメリットとは?
ここまで、離婚から再婚までの期間などについて語ってきたが、再婚することによるメリットやデメリットについても紹介しておこう。実際は人によってメリットやデメリットは変わってくるかもしれないが、一般的な内容をピックアップする。もしも再婚するかどうかで迷っているなら、参考にしてみてはどうだろう。
5-1.再婚のメリット
まずは「再婚のメリット」から語っていこう。やはり、再婚するからには何かを良くしたいはずだ。いくつかのメリットを挙げていくので、まだ迷っているようなら、これらをヒントに検討を進めてほしい。
5-1-1.人生が豊かになる
離婚して一人の暮らし、またはシングルで子どもたちと過ごしてきた日々。それらもかけがえのない毎日であったのは間違いないだろうが、人生の伴侶(パートナー)がいると、毎日はもっとハッピーになるはず。子どもがいれば一緒に子育てができるし、子どもがいなくても2人で歩めば、楽しさは何倍にもなるのではないだろうか。
2人で並んで進むことで、日々の充実感が増し、人生がいま以上に豊かになるのではないだろうか。夫婦で暮らせば、うれしいことはともに喜び、悲しいことは助け合って乗り切っていけるはず。再婚は毎日を、そして人生を豊かにしてくれるだろう。
5-1-2.経済的に安定する
1人の収入より、2人の収入のほうが高いのはほぼ間違いないといっていいだろう。幸せはお金だけではないが、お金が重要な項目の1つであるのは疑いようがないのではないか。
誰だって、経済的に豊かでいられるならそうありたいだろうし、再婚することでその状態に近づける場合も少なくない。経済的に安定できる可能性が高まるというのも、再婚の魅力の1つだろう。
5-1-3.精神的に安定する
再婚すると人生が豊かになる、といっても実際は楽しいことばかりではないだろう。悲しいことも、つらいこともあるかもしれない。そんなとき、支えてくれるパートナーがいると乗り越えられるのではないだろうか。
どんなに強い人でも、どんなに立派な人でもさまざまなものごとに遭遇し、心が折れそうになることもある。そんなとき、1人よりも夫婦であることはなによりも頼もしい。再婚によって精神的に安定しやすくなるのであれば、生きていくための大きな力となるだろう。
5-1-4.病気やケガのときも心強い
1人で生きていて病気になったり、ケガをしたりするのはつらい。子どもがいて、子どもが病気にかかったり、ケガをしてしまったりしたときも、1人親は大変。 「こんなとき、誰かがいてくれたら」と泣きごとの1つも言いたくなるのは当然かもしれない。
その誰かが、実際にいてくれたら本当に心強い。その誰かが、人生の伴侶であるなら、どれだけ頼もしいことか。病気やケガのとき、再婚のありがたさを大いに感じるだろう。
5-1-5.子どもにパパ(またはママ)ができる
1人親であることで、子どもが悲しい思い、つらい思いをすることもあるだろう。気にしないふりをして、親を安心させようとする優しい子もいるが、その子にしたって、ほとんどの場合、心の底ではパパ(またはママ)がほしいと思っているものだ。
子どもにとって、親が再婚し、パパとママが揃うことは大きな意味も持つはずだ。再婚当初は照れくささもあり、すぐに喜びを表現できない子もいるかもしれないが、ほとんどの場合、時間が経つにつれ、変化が見られるようになるのではないだろうか。親が2人揃って見守ってくれることは、子どもの精神的な安定にもつながるだろう。
5-2.再婚のデメリット
再婚のメリットはいくつも考えられるが、ときにはデメリットが見られる場合もある。再婚するのであれば、デメリットの可能性も知ったうえで、話を進めるのが望ましいだろう。そこで、ここではデメリットを具体的に述べていく。
5-2-1.子どもに影響がある場合もある
再婚したものの、再婚相手が子どもをかわいがってくれない場合もある。それはそうかもしれない。「これからは、この人がパパ(またはママ)だからね」と言われても、子どものほうでもすぐに納得できないことはあるだろう。
再婚相手にしてもそうだ。最初はかわいがろうとしたけれど、子どもがいっこうに自分を好きになってくれないので、「かわいさ余って憎さ百倍」ではないが、「こんなにしているのに自分に好意を持ってくれないのか」という思いから、子どものことが憎くなってしまうのだろうか。
再婚相手のタイプにもよるが、子どもの性格や年齢によっても、ことの成り行きは違ってくることがある。いずれにしても再婚が、子どもに悪影響を及ぼすこともなくはないので、再婚は慎重に進めたほうがいいのだろう。
また、再婚相手に連れ子がいた場合、その子どもとの相性もあるだろう。良い方向に進むと「兄弟や姉妹が増えて、にぎやかで楽しい家庭が築ける」が、どちらかの親が特定の子どもをえこひいきすることで、家庭内がぎくしゃくしたり、子どもの性格や行動などに悪影響を及ぼしたりする場合もある。
子どもの年齢などにもよるが、自分と再婚相手の相性はもちろんのこと、子どもと再婚相手の相性、再婚相手に連れ子がいるかどうか、再婚相手が子ども好きかどうかなど、さまざまな検討をしてから再婚に踏み切ったほうがいいかもしれない。
5-2-2.また離婚するリスク
人にもよるが、離婚は結婚以上にエネルギーを使う場合も少なくない。離婚のつらさ、苦しさをよく知っているからも、軽い気持ちで「また、結婚しよう」とはなりにくい。
とはいえ、新たな相手に出会うと、出会ったうれしさもあり、また、好きになって気持ちが盛り上がっているときは相手の良い面だけが見えてしまうこともある。そのため、結婚後に相手のさまざまな面が見えるようになり、「こんなはずじゃなかった」「こんな人だったのか」と落胆し、別れを考えはじめることもあるのだ。
そうならないため、再婚を検討するときはある意味、初婚のとき以上に慎重に相手を吟味したうえで、この人となら一生添い遂げることができる、と心から思えるまでは、安易にことを進めないほうがいいかもしれない。だからといって、再婚を否定しているわけではない。良き伴侶と出会いが、人生を輝かせることは珍しくないからだ。
それともうひとつ。結婚と離婚を繰り返す人も、世の中にはいる。そういう人は相手との巡り合わせが良くなかったという可能性もあるが、ちょっとしたことにも不満を感じ、我慢ができない人もいる。結婚当初はアツアツでも、しばらくすると、相手の発言や行動のすべてが気に入らないという状態になってしまうのだろう。そういう人は多くないだろうが、「離婚がクセになる」のような人もいるので、ある意味、再婚相手の選定は、初婚のとき以上に慎重になるべきかもしれない。
6.離婚後の再婚、子どもの戸籍はどうなる?
離婚後の再婚に関し、ここまでは主に「離婚後100日以内の再婚」や「再婚の メリットやデメリット」などを説明してきた。しかし、離婚後の再婚について悩ましいことは、他にないわけではない。その1つが、「離婚後に再婚する際、子どもがいる場合の戸籍はどうなるのか」ということだ。
子どもがいる場合、再婚する際に注意すべきなのが、子どもの戸籍である。子どもの戸籍が、元の戸籍に残るということだ。これだけではわかりにくいので、説明していこう。
結婚していたとき、女性が相手に戸籍に入っていたケースを見てみる。女性が男性の戸籍に入るケースはよくあるので、イメージしやすいかもしれない。結婚していて離婚する際、女性は相手の戸籍から抜けることになる。離婚するのだから、当然だろう。ここまでは、子どもがいて離婚する場合、よくある話といってもいい。
このケースでは女性には、2つの選択肢がある。1つは元の戸籍に戻る方法、もう1つは新たに戸籍をつくるという方法だ。で、ここでは、新しく自分の戸籍をつくった、としよう。
その時点では、自分は新しくつくった戸籍にいて、子どもは元夫の戸籍にいる状況、ということになる。そこで、自分が新しくつくった戸籍に、子どもを入れることにする。つまり、自分の戸籍に自分と子どもがいる状況になる。
この話はそこで終わらない。ここから女性が再婚する場合はどうなるか。この女性が再婚して、再婚相手(夫)の戸籍に入る場合、他に何もしなければ、女性が新しくつくった戸籍に、子どもはそのまま残ることになる。そのため、子どもがいて再婚する場合は、自分の戸籍だけでなく、子どもの戸籍をどうするのかについても、きちんと考える必要がある。
また、子どもを再婚相手の戸籍に入れる場合、2つの方法がある。1つは「再婚相手と養子縁組をする」方法。これは一般的に知られている方法ではないだろうか。もう1つは「養子縁組をせず、家庭裁判所に子の氏(名字)の変更許可を得て、子どもの入籍届を出す」方法だ。
どちらにしても、上記の再婚において、母親と子どもは同じ姓で、同じ戸籍に入ることになる。ただし、再婚相手と養子縁組するかどうかは、相続などと関わってくることでもあるので、じっくり考えて決めるのが懸命だろう。
7.再婚と養育費と養子縁組
ここまで、「離婚と再婚禁止期間、そして再婚」を中心に語ってきたが、それらとともに気になるのは「再婚したら、『養育費』の条件がどう変わるか」ということではないだろうか。
それについて、「条件がどう変わるか」以前に、よくあるのは父親に、母親(前妻)が再婚した知らされないケースだ。実際、そのようなケースは少なくない。
父親は離婚した母親が、シングルマザーとして子どもたちを育てているものだと思い、養育費を支払い続けているというものだ。そのような場合、父親は母親の再婚を知り、母親に「養育費の支払い停止」を申し出ることがある。それはそうだろう。母親が、別の男性と再婚したのではあれば、その男性からも生活費などをもらうのは一般的だし、そうなると「母親は前夫と現在の夫、両方から生活費などを受け取っている」可能性があるからだ。そのことに、父親(前夫)の多くは納得がいかないのではないだろうか。
ただし、養育費の支払い停止の希望が必ず通るとは限らない。なぜなら、養育費の対象となる子どもが必ずしも、母親の新しい配偶者と養子縁組をしているとは言えないからだ。これは大きなポイントである。
再婚したときは新しい配偶者と養子縁組をするのが一般的だ。子どもと養子縁組をしたのであれば、子どもにとっては養父ができたことになる。その場合、扶養義務は実父(前夫)から養父に移ることになるのだ。その際、養父に子どもを扶養できる経済力があるなら、通常、実父の養育費が減免されることになる。
ただし、ここが重要なのだが、養子縁組をしていない場合は話が違ってくる。その場合、子どもの父親は(以前と同様)実父のみ、ということになるので、実父は養育費を支払い続けることになるのだ。人生はお金だけではないが、この違いは、実父にとって小さなものではないだろう。
そのような状況は父親(実父)には、歓迎すべきものではないはずだ。母親(前妻)が再婚したかどうかは、ときに大きな問題で、母親が再婚した場合は父母の間で養育費の変更について、内容を協議するのが一般的だろう。また、父母の間で話がまとまらない場合、家庭裁判所での調停、審判で養育費の条件を変更に取り決めることになる。
ちなみに、養育費についてはコラム『離婚したとしたら養育費はもらえるのか、いくらもらえるのか?』も参考になるかもしれない。
8.特別養子縁組とは?
養子縁組には『特別養子縁組』という制度もあるので、それについても説明しておこう。特別養子縁組とは、児童福祉に関連する制度で、さまざまな事情で育てられない子どもが、家庭で養育を受けられるようにすることを目的に設けられた制度だ。
特別養子縁組をして「養親(ようしん)」になれるのは、基本的に「とても条件の良い法律婚夫婦」とされている。「とても条件の良い」の内容は厳密には定義されてないようだが、経済的に豊か(裕福)であるということだろう。「法律婚夫婦」というのは、役所に婚姻届を提出し、戸籍上・法律上の婚姻関係にある一般的な夫婦を指す。
「経済的に困窮」などの理由で子どもを育てることができない1人親などが、「子どもが欲しい」と経済的に余裕のある夫婦と特別養子縁組をするのが一般的なのだろう。特別養子縁組をするには家庭裁判所の許可は必要で、再婚時に認められた例はない、とされている。
9.養育費に関連し、元妻の再婚が気になるなら
この章は主に、前夫に向けて書いているといっていいかもしれない。8章で養育費についてふれたが、「離婚したあと、前妻が再婚しているか」を知るにはどうすればいいのだろう。「前妻が再婚したかどうか」によって、子どもの養育費の支払い条件が違ってくるかもしれないため、前妻の再婚が気になる人は少なくない。
前妻と自分(前夫)に共通の友人が何人もいる場合など、前妻の再婚がどこからともなく耳に入ることもあるかもしれない。しかし、そのようなケースはどちらかというと、現代では珍しいのではないだろうか。
だからといって、養育費のことを考えると、「前妻が再婚しているのかどうか」は気になる。前妻が再婚しているのであれば、養育費が減額される可能性もあるからだ。では、どうすれば「前妻の再婚状況」を確認できるのだろう。
9-1.役所で戸籍謄本を取って確認する
役所で戸籍謄本を取るのも1つの方法だ。といっても、以前は夫婦だったとはいえ、離婚してしまうと戸籍は別になり、他人と同じ扱いになる。そのため、戸籍謄本を取って確認するといっても、できることに限りがある。 ちなみに、戸籍謄本には重要な個人情報が含まれているため、第三者からの取得請求には法律上の制限がある。そのため、ただたんに「別れた妻の現状が知りたい」という安易な理由では認められない。次のいずれかに該当する必要がある。
・自分の権利を行使または義務を履行するため ・公的な機関に提出を要するため ・その他正当な理由がある場合
上記を読んでも、抽象的でよくわからないと感じることもあるだろう。役所で直接相談してみるのも手だが、断られる可能性もあることを想定しておいたほうがいいかもしれない。
ここまで「父親が養育費を支払う」前提で語ってきたが、養育費は必ず父親が支払うという決まりがあるわけではない。父親が母親に支払うケースが多いものの、逆のケースもないわけではないことを添えておく。
9-2.探偵事務所や興信所に相談する
前妻が再婚しているかどうか、プロに相談してみるのも1つの手だ。前項で戸籍謄本うんぬんの話をし、役所で断られる可能性もあることにふれたが、そのあたりも含めて、探偵事務所や興信所に一度問い合わせてみるのもいいかもしれない。
探偵事務所などのプロフェッショナルは浮気調査をはじめ、多岐にわたる調査を経験し、豊富な知識と高いスキルを持っている。妻の再婚や養育費のことなど、ほとんどの一般人は特に詳しいわけでなく、専門家の意見に耳を傾けたことがない人も多いのではないだろうか。プロのアドバイスを聞いてみるだけでも、有益なはずだ。
知り合いなどからおすすめの探偵事務所や興信所などがあるなら、そこに連絡してみるといい。また、知人からのおすすめがないなら、インターネットなどで探してみるのもいいだろう。その際、『調査成功率』『お客様満足度』『解決実績』などを手がかりに、探偵事務所や興信所を選んでみるのもいいかもしれない。
まとめ
このコラムでは「離婚後すぐに再婚できるのか」ということから、再婚のメリットやデメリット、養育費の減額など、「離婚がらみ」「再婚がらみ」のさまざまな内容について説明してきた。ここまでの情報で十分に理解し、行動につなげられるのでならそれもよし。ただ、そうではなく「前妻の再婚うんぬん」などが気になっているなら、探偵事務所や興信所に一度問い合わせてみるのもいい。相談無料の探偵事務所などもあるので、アドバイスを聞いてみて、「依頼する・しない」はそれからじっくり考えればいいのだから。
監修者プロフィール
伊倉総合法律事務所
代表弁護士 伊倉 吉宣
- 2001年11月
- 司法書士試験合格
- 2002年3月
- 法政大学法学部法律学科卒業
- 2004年4月
- 中央大学法科大学院入学
- 2006年3月
- 中央大学法科大学院卒業
- 2006年9月
- 司法試験合格
- 2007年12月
- 弁護士登録(新60期)
- 2008年1月
- AZX総合法律事務所入所
- 2010年5月
- 平河総合法律事務所
(現カイロス総合法律事務所)
入所
- 2013年2月
- 伊倉総合法律事務所開設
- 2015年12月
- 株式会社Waqoo
社外監査役に就任(現任)
- 2016年12月
- 株式会社サイバーセキュリティクラウド
社外取締役に就任(現任)
- 2020年3月
- 社外取締役を務める株式会社サイバーセキュリティクラウドが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
- 2020年10月
- 株式会社Bsmo
社外監査役に就任(現任)
- 2021年6月
- 社外監査役を務める株式会社Waqooが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
- 2022年4月
- HRクラウド株式会社、
社外監査役に就任(現任)
※2023年11月16日現在
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