浮気/不倫の疑い熟年不倫はハイリスク!早く手を打ち、被害を防ごう
「熟年離婚」という言葉はよく耳にするようになったが、最近は50代、60代の「熟年不倫」も増えているという。昔に比べ、今の熟年世代や高齢者は、健康管理にも気を遣っているため、体力・気力が衰えていない人が多い。退職しても仕事を続けていたり、趣味のサークルやボランティア活動に参加したりする人もいるので、異性と接する機会はたくさんあるし、SNSなどの発達もあって不倫相手との出会いの場には事欠かないのだ。 しかし、これから第2の人生を楽しく、穏やかに過ごそうと思っていた矢先に、長年連れ添ったパートナーに裏切られたのでは、たまったものではないだろう。また、熟年になってから不倫問題が起きると、夫婦関係の修復が難しいし、財産の分配や老後の生活の不安も出てくる。熟年世代が不倫に走る理由や熟年不倫のリスク、そのリスクに上手く対処するための方法などを解説する。
熟年が不倫に走る理由
長年にわたって一緒に円満な家庭を築き、子供も無事に育て上げたパートナーに突然裏切られたら、大きなショックを受けるだろうし、「今になって、どうして不倫なんか」とあきれ果てることだろう。不倫はいくつになっても許されるものではないが、未熟で精力旺盛な年ごろなら、若気の過ちで他の異性と関係を持ってしまうこともあるかもしれない。しかし、十分に人生の経験を積んで、分別も身に着けているはずの既婚者が、なぜそのような過ちを犯してしまうのだろう? 熟年世代が不倫に走る理由を探っていく。
不満の蓄積
結婚生活を長く続けるうちに、パートナーに対する不満が蓄積されていく場合がある。例えば、いつも妻に文句や嫌味を言われ、我慢しながら暮らしてきた夫は、そのストレスのはけ口を不倫に求めるかも知れない。そして、不倫相手との仲が深まれば、定年退職後に妻と離婚して不倫相手と一緒になろうなどと考え始めることもあり得る。
一方、子供が生まれた後も仕事にかまけて家事や育児をまったく手伝わなかったり、妻をねぎらうどころか、モラハラまがいのことをしてきた夫であれば、妻が恨みを溜め込んでいたとしても不思議ではない。そんな夫が定年退職して、一日中顔を合わせなければならなくなったら、とても耐えられないと思う人も多いだろう。そういう時、自分に好意を抱いて日頃から親切にしてくれるような男性が身近にいれば、夫と別れてその男性と第2の人生を歩み出してしまうかもしれない。
金と時間に余裕がある
不倫をするためには、時間もお金も必要だ。不倫相手と密会し、食事やホテルに行こうとすれば、その時間を作らなければならないし、男性の場合は、レストランやホテル代は、自分が払うことになるケースが多いだろう。そうなると、現役バリバリで仕事に追われているのに加え、家のローンなども残っている時代は、不倫をする余裕がないかも知れない。だが、年配になって残業が減り、ローン返済も終わればお金と時間を不倫にたっぷり使えるようになる。
また、妻の方も、共稼ぎで仕事が忙しかったり、子育て真っ盛りだったりする頃は、不倫にうつつを抜かしている暇などないだろう。しかし、子育てがひと段落すれば、忙しさも半減するし、教育費やローンの負担がなくなれば、家計にもゆとりができ、家庭以外のことに目が向くようになる。
SNSで簡単に相手が見つかる
熟年不倫が増加している理由の1つに、SNSの普及がある。出会い系サイトの中には、既婚者専用のサイトもあり、不倫相手を探すためにそれを利用している者も少なくない。出会い系サイトを使えば、そこに登録している異性の中から、好みのタイプをいくらでも探すことができるし、SNSならダイレクトメッセージなどで1対1のやりとりが簡単にできるため、出会いから実際に不倫関係になるまでの心理的なハードルも低くなる。また、SNSを通じて昔の知り合いと連絡が取れるようになるケースもあり、久しぶりの再会に盛り上がっているうちに、恋愛感情が再燃して不倫に発展することも珍しくないのだ。
新しい刺激が欲しい
結婚生活が長くなると、目新しいことも起きなくなり、夫婦関係がマンネリ化してくるという傾向もある。そういう時に、自分が熱中できる趣味などが見つかれば、充実した時間を過ごすこともできるが、中には非日常的な刺激を求めて不倫を始める者もいる。不倫をすれば、人にバレてはいけないというスリルも味わえるので、それにはまって抜け出せなくなるのだ。また、仕事だけが生きがいで、人付き合いも仕事関係だけだったという男性は、退職した途端に社会とのつながりがなくなり、仕事の代わりに打ち込めるものもすぐには見つからない。そして、SNSなどでの出会いがきっかけとなり、不倫にのめり込んでしまうケースもある。
寂しい
会社や家庭で孤立し、不倫に走る者もいる。会社で閑職に追いやられたりすれば、自分が存在価値のない人間になったように思えたりもするだろうし、退職すれば同僚や部下と接する機会もなくなり、社会から切り離されたような孤独感を覚えるだろう。それでも、家族が話し相手になってくれれば、少しは気も晴れるだろうが、家でも邪魔者扱いされたり、愚痴ばかり言われたりしていると、どこにも居場所がないように感じてしまう。女性の場合も、子育てに全力を注いできたのに、その子供が独立して家を出ていってしまいうと、心に大きな穴が開いたように感じることもある。その心の穴を埋めようとして、不倫におぼれていく人もいるのだ。
自信を取り戻したい
結婚して子供が生まれたりすると、夫は妻から「お父さん」、妻は夫から「お母さん」と呼ばれるようになることも多い。男性・女性としてより、家族の一員としての役割がメインになるからだ。そのようにして熟年期を迎えた時、自分に男、女としての魅力がなくなってしまったのではないかと寂しさを感じる人もいる。さらに、体力の衰えも感じて不安になることもあるだろう。そうなると逆に、自分にまだ魅力があり、異性にもモテるのだと再確認したいという気持ちも湧いてくる。そんな時、自分に好意を寄せてくれる異性が現れると、失いかけていた自信を取り戻したように感じ、一線を越えてしまう可能性もある。
性生活への不満
熟年夫婦であれば、セックスレスになっていることも多いだろう。それに両者が納得していればいいが、そうでない場合は問題が起きる可能性もある。50代、60代になっても精力旺盛な人はいるし、特に男性は、女性より性欲が強いと言わる。そのため、夫が夜の営みを求めているのに、妻が応じなければ、どんどんストレスが溜まっていくことが考えられる。その結果、他の相手で性欲を処理しようと考える夫も出てくるのだ。中には、風俗店などを利用する者もいるが、手近な相手を見つけて体の関係になり、そのまま不倫を続けてしまうこともあるので要注意だ。
介護ストレス
自分が熟年になる頃に、実の親も義理の親も高齢になり、介護が必要な状態になっていることもよくある。その際、親を施設に預けたりすることができれば負担も軽くなるが、親や夫がそれに反対して家で介護をしなければならないとなると、妻の心身の疲労やストレスは大変なものになるだろう。ましてや、夫が口先ばかりで手伝いもせず、親の面倒は妻にまかせっきりということになれば、妻はますます精神的に追い詰められてしまう。そんな状態の時に、悩みを聞いて心を癒してくれるような相手が現れれば、気持ちがなびいてしまうに違いない。
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熟年不倫のリスクとは
ライフステージの変化によるストレスや、家庭に対する長年の不満などから、熟年世代が不倫に走るケースもあることがわかった。中には、現役時代のように不倫が会社にバレて困るようなこともないので、安易な気持ちで不倫を始める者もいる。しかし、若い頃と違って、熟年になってからの不倫でトラブルになると、やり直しもなかなかできないし、失うものも格段に多くなる。不倫をした側もされた側も、思っている以上に大きなダメージを負うことになるのだ。熟年不倫に特有のリスクを見ていこう。
不倫が長期化しやすい
若い頃の不倫が、身体の関係を目的とした火遊び的なものになりがちなのに比べ、熟年不倫は長期化しやすい。お互いに家庭や人生の悩みを抱えていることも多く、相手がその悩みを理解し、相談に乗ってくれたりするので、精神的な結びつきが強くなるのだ。また、熟年になれば異動や単身赴任も減るため、不倫相手と離れ離れになる可能性も低いし、経済的な余裕もあるので、不倫を止めなければならなくなる状況も生まれにくい。さらに、長年一緒に円満な家庭を築いてきたと信じている連れ合いが、自分を裏切っているとは夢にも思わないので、不倫に気づくのが遅くなる。そのまま不倫が長く続くと、不倫相手と夫婦のような感覚になり、離婚を考え始めるケースがあるので、気を付けなければならない。
高額な慰謝料を取られる
慰謝料は、相手の不法行為によって受けた精神的苦痛に対して支払われる賠償金で、精神的苦痛が大きければ大きいほど、その金額も高くなる。パートナーの不倫によって夫婦関係が破綻し、離婚するようなことになれば、慰謝料は高額なものになるし、パートナーとの夫婦生活が長ければ、その分慰謝料も増額される。長年苦楽を共にしてきたパートナーに裏切られたのだから、そのダメージも大きいと見なされるからだ。慰謝料の相場は、一般的に数十万円~300万円と言われているが、中には500万円を超える慰謝料の請求が認められたケースもある。
つまり、熟年になってからパートナーが不倫し、それが原因で離婚する場合は、パートナーや不倫相手から慰謝料をたっぷり取れる可能性があるということだ。ただし、不倫によって相手の家庭が崩壊し、相手の配偶者からパートナーが訴えられると、逆に高額の慰謝料を請求されるリスクがあることも頭に入れておかなければならない。
熟年離婚に発展しやすい
熟年になってから不倫問題が起きると、離婚に発展しやすくなる。夫婦の間に長年不満が溜まっている場合もあり、その不満が不倫を機に爆発したりするからだ。子供が小さい時には、子供の将来も考えて離婚を踏みとどまることもあるだろうが、夫婦が熟年期に差し掛かる頃には、子供も独立して2人きりの生活になっているケースが多い。そうなれば、子供が足かせになることもないし、これ以上パートナーと顔を合わせていたくないという気持ちが高まって、夫婦をやり直そうとは思わなくなる。
しかし、熟年になってから離婚すると、再婚するのが難しく、1人きりで老後を過ごさなければならなくなるリスクもある。また、不倫したパートナーの方も、不倫相手との生活が上手くいかず、結局一人ぼっちになってしまうパターンも珍しくない。
財産分与で揉める
離婚する場合は、財産分与を行わなければならない。財産分与とは、結婚している間に夫婦が協力して築いた共有財産をそれぞれに分配することで、預貯金、不動産、車、株などの有価証券、保険解約返戻金、公的年金以外の年金などがその対象となる。財産分与の割合は、原則的に2分の1とされているため、例え妻が専業主婦で、財産は夫が稼いで作ったものだったとしても、半分は持っていかれることになる。退職金も原則的には折半になるが、離婚する前に不倫相手に貢ぐなどしてパートナーが退職金を使ってしまったような場合は、相手からお金を取り戻すのは難しくなる。そういう後悔をしないためにも、不倫の兆候を早く察知し、手を打たなければならない。
不倫相手に遺産を奪われる
仮に不倫していたパートナーが亡くなったとしよう。その時、不倫相手が現れて、自分もパートナーに尽くしたのだからと遺産を要求してきても、原則として相続権は認められない。しかし、パートナーが「愛人に遺産をすべて継がせる」といった遺言や贈与契約書を残していた場合は、遺産を相手に奪われてしまう恐れがある。そうなった時でも、遺言の無効を裁判所に訴えたり、妻や子供が本来受け取る権利のある「遺留分」を請求することもできるが、簡単には決着がつかないだろう。
さらに、パートナーと不倫相手との間に生まれた子供がいたりすると、大変なことになる。パートナーがその子供を認知していた場合、相続権が発生し、本妻が生んだ子供と同等の割合の遺産相続を主張できるからだ。そうなると、不倫相手と面倒な交渉をせざるを得ない状況になってしまう。
離婚すると経済的・精神的に大変
よほど資産があるのでない限り、離婚後に1人で生計を立てるのは大変なことだ。毎日の生活費に加え、持ち家がなければアパート代なども必要になる。特に、専業主婦やパートしかしていなかった人は、正社員の職を得るのも難しく、離婚した途端に生活に困窮するケースもでてくる。一方、男性も、資産や退職金を半分持っていかれる上、未成年の子供がいて養育費も払わなければならないとなれば、経済的なゆとりはなくなる。さらに、結婚していた時は妻に任せっきりにしていた料理や洗濯を自分1人でこなさなければならず、わびしい自炊生活を余儀なくされる。また、老後の1人暮らしは、孤独死への不安なども高まり、精神面にも楽なものではないだろう。
不倫の兆候を見抜くポイント
これまでお伝えしてきたように、熟年不倫は多くのリスクをはらんでいる。「まさかこの人が不倫だなんて」と高をくくっているうちに、パートナーがどんどん深みにはまっていき、取り返しのつかない事態になってしまうこともあるのだ。そのようなリスクを避けるためには、不倫の兆候にいち早く気づいて対処しなければならない。パートナーが不倫を始めたら、そのサインはきっとどこかに表れる。家族を裏切っているという罪悪感や、不倫がバレないようにしなければならないという警戒心から、これまでとは違う態度や行動パターンを取るようになるからだ。不倫をしている者が見せる特徴をピックアップする。
スマホを手放さない
何かやましいことがあると、用心深く振舞うようになるのは世の常だ。不倫の場合、それがはっきり表れるのは、スマホの扱い方だ。不倫相手との連絡手段はLINEやメールになるため、いつ連絡が来てもいいように、今までリビングなどにスマホを置きっぱなしにしていたパートナーが、肌身離さずスマホを持ち歩くようになる。また、電話がかかってきた時に発信者の名前を見られたり、LINEなどのポップアップ通知を読まれたりしないように、スマホを伏せて置くようになるケースもある。
スマホに電話がかかって来た時の態度にも要注目だ。これまでは、誰がそばにいても平気で電話に出ていたのが、表示された発信者の名前を見た途端に切ってしまったり、別の部屋に行って電話に出るようになることがある。現役バリバリの頃であれば、職場や取引先からの電話をテレビの音などに邪魔されないように席を立つこともあるだろうが、熟年期や退職してから仕事の電話が家にまでかかってくるのは不自然だ。
残業や外出が増えた
まだ会社勤めをしているのなら、残業や会社の飲み会で帰宅が遅くなることもあるだろう。しかし、毎週のように残業や飲み会が入るのであれば、これも妙な話だ。また、今まで仕事一辺倒で、休日も家でゴロゴロしていたパートナーが、急にアウトドア派になって頻繁に出かけるようになることも考えにくい。特にゴルフやキャンプなどは不倫の隠れ蓑になるので、それを口実に不倫デートを楽しんでいるのかもしれない。女性の場合は、ママ友などと旅行や食事会をする人も多いので、よく家を空けるからといって頭から不倫と決めつけて問いただしたりするのはNGだ。ただ、以前に比べて明らかに外出の頻度が増えていたり、帰りが遅くなる日が増えた時は、用心した方がいいだろう。
家族の予定を気にする
不倫相手と頻繁に会っている時などは、家族全員が外出する日に合わせてデートした方が怪しまれずに済む。また、その外出先までわかっていれば、ニアミスするリスクも少なくなるため、予定を詳しく聞いてくるのだ。中には、家族がいない間に、不倫相手を家に引き入れてスリリングな密会を楽しもうとする者もいる。その際、家族が急に帰ってきて鉢合わせするようなことになったら逃げ場がないので、帰宅予定時間まで聞いてくるだろうし、帰宅前に必ず「これから帰る」とメールするよう、しつこく念押ししてくることも考えられる。
身だしなみに気を遣いだした
これまでまったくオシャレに関心のなかった夫が、急に着るものや身だしなみに気を遣いだすのも注意信号だ。新しい恋人ができれば、誰でも相手からよく見られたいと思い、オシャレをするようになるだろう。その結果、妻が買ってきた服を文句も言わずに着ていた夫が、若見えするような服を自分で買ってきたりするようになるかもしれない。また、妻が今までとはまったく雰囲気の違うファッションで出かけていくとしたら、不倫相手の好みに合わせているのかもしれないし、高級ブランドのバッグなどを持っていたら、不倫相手からプレゼントされたものである可能性も考えられる。
お金の使い方が変わった
不倫を始めると、旅行やホテル代、食事、不倫相手へのプレゼントなど、いろいろお金がかかるようになる。男性の場合、自分がおごる立場になるパターンが多いため、どうにかしてその費用を捻出しなければならない。裕福で普段から浪費癖のある夫なら別だが、以前は節約家だった夫が、何か口実をつけてボーナスを使ったり、ひそかに貯金を下ろすなど、急に金遣いが荒くなってきたら怪しい兆候だ。うかうかしていると、退職金を不倫相手に貢がれてしまう恐れもあるので、定期的に通帳を確認したり、クレジット会社の会員サイトでカードの利用明細をチェックしたりして、お金の使い道を把握しておこう。
家族への態度が変わった
不倫を始めると、家族への態度が変わることがある。不倫がバレるのではないかと怯えていたり、家族を裏切っていることを後ろめたく感じているパートナーは、罪の意識を消そうとして、家族に優しく振る舞うようになる。そのため、いつも口やかましい妻が文句を言わなくなったり、家事を妻任せにしていた夫が、「何か手伝おうか」と言い出したり、記念日でもないのにプレゼントを買ってきたりすることもあるのだ。また、逆に今まで家族想いだったパートナーが、急に冷たい態度を取るようになるケースもある。その場合、不倫相手と一緒になることを考え始め、家族が邪魔になりだしている可能性もあるので、早急に手を打たなければならない。
熟年不倫への対処法
パートナーが不倫に走る原因になるようなストレスを抱えていそうなら、それをケアして不倫を未然に防ぐような工夫をすることも必要だろう。一方、すでに不倫が始まっている場合は、その事実関係を明らかにするのと同時に、離婚にも備えて事前にさまざまな準備をしておかなければならない。離婚が確実になってから動いていたのでは、相手に有利なように物事を運ばれてしまうかもしれないからだ。パートナーの不倫が疑われる時に、やるべきことを紹介する。
コミュニケーションをよくとる
繰り返しになるが、熟年になってから不倫に走る場合、長年にわたって蓄積された不満やストレスが原因になっているケースが多い。結婚したての頃は、毎日夫婦でたくさん会話を交わしていたのが、年月とともに会話量も減り、お互いに何を思っているのか分からなくなることもあるし、相手のことを理解しているつもりで、まったく見当違いをしていることもある。そのようなすれ違いをなくすために、相手の悩みや不満を聞く機会を設け、それを解消できるようお互いに歩み寄らなければならない。また、パートナーに心の中で感謝していても、それを言葉にしなければ、相手に気持ちは伝わらない。小さな気遣いに対しても、「ありがとう」と伝えよう。
夫婦共通の趣味を作る
夫婦のコミュニケーションを増やすと言っても、いつも一緒にいる必要はないし、逆にそれがストレスになる場合もあるので、それぞれが1人で過ごす時間も大切にしなければならない。その代わりに、夫婦共通の趣味を1つ作り、一緒に楽しい時間を過ごすようにしよう。子供が自立しているなら、夫婦水入らずで旅行するのもいいし、2人で習い事を始めてみてもいい。週に1度、映画やコンサートに行くのでもいいだろう。2人で共通の体験をすることで話題が増え、夫婦の会話も弾むようになるはずだ。
不倫調査を依頼する
パートナーが不倫している疑いがある場合は、それが事実かどうかを調べ、事実であればその決定的な証拠をつかまなければならない。前にもお伝えした通り、不倫によって精神的苦痛を受けたら慰謝料を請求できるし、夫婦生活の期間が長いほど、慰謝料は高額になる。パートナーと離婚することになれば、老後の生計についても考えなければならないので、取れるものは取っておきたい。
ただし、交渉や裁判を通じて慰謝料の請求を行うには、不倫の事実を裏付ける証拠を提出する必要がある。その証拠の中でも、最も強力なものが、パートナーと不倫相手がラブホテルに出入りするシーンを撮影した写真や動画だ。しかし、2人に気づかれないように尾行して、暗い中で鮮明な写真や動画を撮るのは非常に難しいので、不倫調査のプロである探偵社などを利用するのがいいだろう。
財産をチェックする
不倫調査を行うのと並行して、夫婦の財産についてもチェックしておきたい。パートナーと離婚することになったら、財産分与が重要なポイントとなるため、自分が受け取れる財産がどれぐらいあるのかを前もって把握しておく必要がある。不動産の評価額やローンの残債、年金に加えて、パートナーの預貯金や退職金、保険、株などの資産も確認しよう。パートナーが不倫相手と一緒になることを考えていた場合、隠し口座を作ったり、貸金庫にこっそり財産を預けたりするケースもあるので、ひそかにパートナーの通帳や銀行からの通知書を調べ、不審な金の動きがないか監視しなければならない。
老後の資金を計算する
離婚後の生活設計や居住地域によっても異なるが、例えば総務省の統計などでは60歳以上の単身世帯の毎月の消費支出は、約16万円と試算されている。これは、すでに会社をリタイアしている人間にとってはなかなかの金額だと言えるし、体が動かなくなれば介護を受けなければならず、有料の老人ホームなどに入るとすれば、まとまったお金が必要になる。先々を見越して資金計画を立てておかなければならないし、今働いていない人は、パートなどを始めて貯金することも考えよう。そうすれば、離婚しても一定の収入を得られるし、引っ越し費用や当座の生活費も用意できるだろう。また、自分が病気やけがをした時、誰に助けを求めるのか、子供や知人に相談しておくことも大切だ。
慰謝料を請求する
不倫調査によって決定的な証拠をつかんだら、不倫相手に内容証明郵便などを送って、慰謝料を請求しよう。「内容証明」とは、郵便物の文書の内容や、受取人に配達された事実・日付などを日本郵便に証明してもらう一般書留だ。これを使うと、慰謝料を請求したという証拠が残るし、相手が内容証明を無視すれば、「悪質」と見なされ、裁判などで不利になる。内容証明には、自分が受けた精神的苦痛、慰謝料の支払い、パートナーとの関係解消の要求、要求に応じない場合の法的措置などを記載する。内容証明郵便を受け取った相手の多くは、慰謝料請求の訴訟を起こされるかもしれないと知ってショックを受け、慌てて不倫関係を解消しようとする。
また、パートナーと離婚することを決めている場合は、パートナーに慰謝料を請求しよう。慰謝料は不倫相手に請求することもできるし、パートナーに請求することもできるが、離婚手続きと併せて慰謝料を請求する方が手っ取り早い。パートナーから納得のいく額のお金を受け取って、第2の人生に歩みだそう。
まとめ
長年夫婦円満で、不倫問題には縁がなさそうに見える家庭でも油断はできない、退職や子供の独立といったライフステージの変化が大きなストレスになることもあるし、長い間溜め込んできた不満が爆発して、不倫に走るケースもあるからだ。若い時とは違い、熟年になってから不倫にはまると離婚に発展する可能性も高く、財産の分配で揉めたり、老後の生活プランが狂うなど、深刻な問題にもなりかねない。 それを防ぐためには、日頃から夫婦でよくコミュニケーションを取るとともに、不倫の兆候にも目配りしておく必要がある。そして、もし不倫に気づいたら、その証拠をつかむためにひそかに調査を進めるのに加え、財産のチェックなどを行って離婚に備えるようにしよう
監修者プロフィール
伊倉総合法律事務所
代表弁護士 伊倉 吉宣
- 2001年11月
- 司法書士試験合格
- 2002年3月
- 法政大学法学部法律学科卒業
- 2004年4月
- 中央大学法科大学院入学
- 2006年3月
- 中央大学法科大学院卒業
- 2006年9月
- 司法試験合格
- 2007年12月
- 弁護士登録(新60期)
- 2008年1月
- AZX総合法律事務所入所
- 2010年5月
- 平河総合法律事務所
(現カイロス総合法律事務所)
入所
- 2013年2月
- 伊倉総合法律事務所開設
- 2015年12月
- 株式会社Waqoo
社外監査役に就任(現任)
- 2016年12月
- 株式会社サイバーセキュリティクラウド
社外取締役に就任(現任)
- 2020年3月
- 社外取締役を務める株式会社サイバーセキュリティクラウドが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
- 2020年10月
- 株式会社Bsmo
社外監査役に就任(現任)
- 2021年6月
- 社外監査役を務める株式会社Waqooが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
- 2022年4月
- HRクラウド株式会社、
社外監査役に就任(現任)
※2023年11月16日現在
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