その他不倫されてうつ病に!対処策や慰謝料の請求方法は?
パートナーが不倫していることに気づいた時、誰しも大きなショックを受けるはずだ。その際、信頼していたパートナーに裏切られたことに強い怒りを抱く人がいる一方、喪失感や今後の家庭生活への不安がストレスとなって、気分が激しく落ち込み、何もする気が起きなくなってしまう人もいる。このような状態になることを「不倫うつ」とも呼ぶが、その状態が長く続き、改善しないようであれば、「うつ病」になっている可能性も考えられる。 うつ病は、重症化すると日常生活にも支障をきたすようになり、最悪の場合、命に係わる事態にもなりかねないため、早期に治療を開始する必要がある。また、不倫がストレスの原因になっているのなら、すぐにそれを止めさせなければならないし、精神的苦痛を与えている相手に慰謝料を請求することも考えなければならない。うつ病について詳しく解説するとともに、慰謝料の請求方法などについても紹介する。
うつ病とは?
うつ病は「気分障害」の1つで、日本では100人に約6人が一生の間にうつ病を経験しているという調査結果もある。気分障害とは、気分が正常な範囲を超えて高ぶったり、落ち込んだりして、自分の気持ちをコントロールできなくなることが一定期間以上続く障害だ。うつ病にかかる人は、女性の方が男性の1.6倍ほど多いことも知られていて、妊娠や出産、更年期などライフステージの変化がうつ状態やうつ病を引き起こすきっかけにもなる。
このように、うつ病は特別な病気ではなく、誰でもかかる可能性のある病気だが、自分がうつ病になっていることに気づかなかったり、病院で診てもらうことに抵抗があるといった理由から、うつ病患者の4分の1程度しか治療を受けておらず、重症化してしまう人もいる。うつ病の特徴や原因、重症化のリスクなどについて詳しく見ていこう。
うつ病の特徴
うつ病とは、気分が落ち込んだりやる気がなくなったりする気分障害で、何をしても心が晴れず、社会生活を営むことも困難になっていく。うつ状態とうつ病の違いは、このような抑うつ状態が2週間以上経っても改善しないことだ。さらに詳しく言えば、継続的な気分障害には、うつ病(単極性気分障害)と躁うつ病(双極性気分障害)がある。うつ病が、気分が沈んで活動ができなくなるなど、心身のエネルギーの低下が見られるのに対し、躁うつ病は、気分や意欲が高まって過活動になる躁状態とうつ状態を交互に繰り返す病気だ。
うつ病になりやすい時期としては、対人関係で悩む思春期、過労や経済的問題が起きる壮年期、退職や心身の衰えで不安を感じる高齢期などがあるほか、女性は出産や育児がストレスになるケースも多い。また、うつ病の症状には、生活習慣病に似ている部分もあるため、軽度な場合、なかなか自覚しにくいのも1つの特徴だ。
うつ病の原因
うつ病が起きる原因については、まだ十分に解明されていないが、いくつかの要因が組み合わさって発症すると考えられている。主な要因は、「心理的ストレス」「脳の状態の変化」「気質(性格)」の3つだ。その中でも、大きな要因となるのが心理的ストレスで、家族や恋人など大切な人の死や離別、生活の支えである仕事や財産の喪失、重い病気、人間関係のトラブルや家庭内のトラブル、昇格・降格や出産などの立場・役割の変化などがある。
また、うつ病患者には、脳の状態の変化も見られる。長い間、うつ病は「心の病気」と考えられていたが、近年では脳の神経伝達物質の機能低下やバランスの乱れが影響していることがわかってきた。そのため、医療機関では、薬物治療を行うことが一般的になってきている。気質要因については、次項で詳しく紹介する。
うつ病になりやすい人
うつ病になりやすいのは、真面目で責任感が強い人だと言われている。職場では、勤勉で几帳面に仕事をこなし、強い正義感や責任感を持って、怠けることなく目標を達成しようとする。加えて、完璧主義の一面もあり、何事も自分の手で完璧に仕上げなければ気が済まない。そのため、思い描いた通りに物事が運ばなくなっても妥協することができず、「絶対に〇〇でなければダメだ」「〇〇しなければならない」などと自分を追い込んで、無理に無理を重ねてしまう。
また、ストレスや不安を感じやすい人も、うつ病になりやすい。その場の空気や相手の言葉に敏感な人は、自分が嫌われているのではないかと心配になることが多いし、そういう人がパートナーの不倫を知ったら、この先どうすればいいのかと強い不安を感じ、マイナス思考から抜け出せなくなってしまうかもしれない。
なお、うつ病と遺伝子の関係は解明されていないが、親や兄弟にうつ病になったことがある人がいると発症率が高いことがわかっている。そのため、うつ病になりやすい体質というものがあるとも考えられている。
重症化のリスク
うつ病は、放置すると深刻な事態に発展しかねない厄介な病気だ。うつ病が重症化すると、何をするのも嫌になり、人とコミュニケーションを取ることも苦痛に感じるので、外に出たがらなくなる。そのため、引きこもり状態から抜け出せなくなる恐れもあるのだ。また、症状が進むと冷静な思考ができなくなり、「生きていても辛いだけだ」「自分に生きる価値はない」などと、常に自殺を考えるようになる。うつ病患者が、冗談めかしたように「死にたい」と口にした時でも、真剣に受け止めないと、本当に自殺してしまうことがあるので用心しなければならない。
さらに、うつ病は回復期にあっても気を抜くことができない。うつ病は、心のエネルギーが減っていく病気なので、その状態でいる間は自殺をする気力も起きないが、治療によって気力が戻ってくると、自殺を実行してしまう。この回復期の自殺率は非常に高いので、絶対に油断は禁物だ。
うつ病の症状
「うつ病」と一口に言っても、その症状の現れ方は人それぞれに違う。うつ病は、気分障害の1種ではあるが、「憂鬱な気分が続く」「何をしても楽しくない」といった心の症状だけでなく、身体的な症状が出ることもある。そのため、最初は体のどこかが悪いのではないかと思い、内科を受診する人も少なくない。また、症状の程度にも個人差があり、外に出られなくなるほどの重症者もいれば、周りや本人も気づかないような軽度の患者もいる。うつ病の主な症状をピックアップするので、自分に当てはまるものがあり、その症状が長く続いているようであれば、うつ病を疑ってみる必要があるだろう。
気分の落ち込み
うつ病の典型的な症状として、「抑うつ状態」が長く続くというのがある。抑うつとは、気分が沈んだり、憂うつになったりして、何もする気になれなくなる状態のことだ。健康な状態であれば、ストレスが溜まった時に趣味に没頭して気分転換することもできるが、うつ病になると趣味を楽しむことができなくなるばかりか、何に対しても興味が湧かなくなる。また、本来なら自分にとって嬉しいはずの出来事があっても、喜びを感じることができず、虚しさや孤独感にとらわれて気分が晴れない。このような場合、顔色が悪く無表情になるなど、周りの人が見ても明らかに様子がおかしいことがわかるはずだ。
マイナス思考
うつ病になると判断力が低下し、普通に考えれば大した問題でもないのに、些細なことまで悲観的に捉え始める。そして、悪い方向にばかり想像が膨らむマイナス思考の悪循環に陥ってしまい、そこから抜け出すことができなくなる。また、うつ病の患者は、自尊感情が極端に低くなる傾向があり、「自分は何の価値もない人間だ」と感じたりして、わけもなく涙を流したりするようになるケースもある。うつ病の原因が不倫である場合は、「自分にはパートナーから愛されるような魅力はない」「このまま生きていても幸せにはなれない」と絶望し、自ら命を絶つ恐れもあるので要注意だ。
イライラ
落ち込んだり、悲観的になるのは、うつ病の典型的な症状だが、逆にちょっとしたことでもイライラしたり、怒りっぽくなったりするようになる人もいる。これは、自分が抱えている問題に上手く対処できないために、不安や焦りが募って大きなストレスを感じ、少しでも気に入らないことがあると怒りがこみ上げるからだ。このような心理状態がさらにエスカレートすると、イライラを通り越して、家族や周りの人に対して攻撃的な言動をするケースも出てくるが、それも病気のせいであることを理解する必要がある。
強い疲労感
うつ病になると、身体にも様々な影響が出始める。その1つが強い疲労感や倦怠感で、いつも体がだるかったり、しんどさを感じたりするようになる。これは、心のエネルギーが低下しているのが身体的な疲れとして感じられるもので、パートナーの不倫などによって精神的疲労が蓄積していくと、何をしてもすぐに疲れてしまったり、最低限の仕事するのにも気力を振り絞らなければならなくなる。症状が進むにつれて、洗顔や着替えなどのちょっとした動作でも疲れを感じるようになり、ひどい時は座るのさえ辛く、1日中横になって過ごさなければならない場合もある。
不眠・過眠
うつ病患者の大半は、不眠や過眠などの睡眠障害に悩んでいると言われている。不眠の場合は、布団に入っても寝つきが悪く、なかなか眠ることができない「入眠障害」、眠りが浅く、夜中に何度も起きてしまう「中途覚醒」、早朝に目が覚めてもう眠ることができなくなる「早朝覚醒」、睡眠時間は取れているはずなのに眠った気がしない「熟睡障害」などがあり、心の疲労を回復することができない。一方、過眠の場合は、朝が来ても起きられず、昼になっても起きる気力が湧かず、何もしたくなくて1日中床に就いたままうつらうつら過ごしてしまう。
食欲不振
「悲しみのあまり、食事も喉を通らなくなる」というが、不倫などで大きな精神的ショックを受けると、人間の本能であるはずの食欲も減退してしまう。食事の量がめっきり減ったり、まったく手を付けないような日が続く場合は、うつ病を発症している可能性が考えられる。また、食べようとすると胃がムカムカしたり、吐き気を催すといった消化器の不調も、うつ病が影響しているケースがあり、きちんと栄養が取れないと、短期間のうちに痩せて衰弱する原因にもなる。一方、うつ病によって過食になる人もいる。これは、食べることによってストレスを解消しようとするためで、自分の意志で食欲をコントロールすることができず、腹が一杯になっても食べるのを止めることができない。
頭痛や動悸
頭痛に悩まされるうつ病患者も少なくない。頭痛の原因は、不眠や脳内バランスの乱れだったりするが、うつ病の場合は、精神的に不安定になっているせいで痛みに対して敏感になり、今まで痛いと感じなかった頭痛にも痛みを感じるようになる。また、常にストレスを感じている状態だと、交感神経の働きが活発になり、心拍数や血圧が上昇する。それによって動悸が激しくなり、運動もしていないのに息切れしたりするのだ。同様に、過剰なストレスから、めまいやふらつき、耳鳴りが起きることもある。
うつ病の治療法
うつ病の原因には様々なものがあり、症状の現れ方も人によって異なる複雑な病気だということがわかった。しかし、その複雑さに惑わされて、自分がうつ病であることに気づかなかったり、病院に行くのをためらったりしていると、病気が悪化して自ら命を絶ってしまう危険性も出てくる。それを防ぐためにも、うつ病の可能性がある場合には、早く処置しなければならないし、きちんと治療すれば病気を克服することもできる。もちろん、パートナーの不倫が原因でうつ病になった場合は、その原因自体を取り除くことが必要であるのは言うまでもない。
医療機関で行っているうつ病の治療法や、症状を緩和するために自分で実践できる生活習慣、注意すべき点などについて紹介する。
不倫を止めさせる
パートナーが不倫をしているのではないかという疑惑を抱いたことが原因で、大きなストレスや不安を感じているのだとしたら、まずストレスや不安の根源である不倫疑惑に決着をつけなければならない。パートナーの不倫を疑いながら、夫婦仲が壊れることを恐れて見て見ぬふりをする人もいるかも知れないが、いくら忘れよう、気にしないでおこうと思っても頭の中から追い払うことはできないし、不安がどんどん膨らんだ結果、うつ病を発症してしまう恐れもある。
そういう事態を避けるためには、パートナーが本当に不倫しているのかどうか、真相を突き止めることが先決だ。その結果、不倫が事実であることがわかったら、不倫相手から慰謝料を取るなどしてダメージを与え、パートナーとの関係を解消させなければならない。
カウンセリングを受ける
パートナーの不倫疑惑で悩んだ時、一番大事なのは、問題を1人で抱え込まないことだ。不倫が事実かどうかもわからないまま、1人であれこれ悩んでいると、だんだんマイナス思考に陥っていき、そこから抜け出せなくなってしまう。それを防ぐためには、カウンセラーに相談してみるのも1つの方法だ。誰にも言えないパートナーの不倫問題でも、カウンセラーなら話すことができるし、カウンセリングによって気持ちの整理がつけば、次の1歩を踏み出すきっかけにもなる。また、うつ病の発症が疑われる場合は、早目に心療内科などで受診しよう。医師にうつ病の重症度を判定してもらうことで、適切な治療が受けられるはずだ。
治療を受ける
うつ病は、きちんと治療すれば改善が見込める病気で、治療の際には、薬物療法と精神療法を組み合わせる場合が多い。うつ病は、脳内の神経伝達物質(特にセロトニン、ノルアドレナリンなど)のバランスの乱れが原因で症状が現れると考えられているため、そのバランスを調整するSSRIやSNRIなどの「抗うつ薬」が処方される。また、症状に合わせて「抗不安薬」「睡眠導入薬」「気分安定薬」「非定型抗精神病薬」などを使用するケースもある。
一方、うつ病の再発を防ぐために用いられるのが精神療法で、医師との対話を通じてストレスの原因を解明し、考え方や行動パターンを修正していく。特に、うつ病に有効とされているのが「認知行動療法」で、困難なことにぶつかった時に、悲観的な考えになってしまう癖を直し、マイナス思考による悪循環を断ち切る方法を身に着ける。
休養を取る
うつ病と診断された場合、医療機関で治療を受けなければならないのはもちろんだが、日常生活においても自分で気を付けるところは気を付け、症状の緩和を図らなければならない。まず心がけたいのは、十分な休養を取ることだ。仕事が忙しい中、他の社員に迷惑がかかるからなどと責任感に駆られて休みを取らずに働き続けていると、ストレスが溜まって症状が改善しなかったり、うつ病が再発したりする危険がある。うつ病であることを会社にきちんと申告して、業務内容や勤務時間などを調整してもらうか、思い切って休職し、治療に専念するという選択もある。
規則正しい生活をする
うつ病になるとよく眠れなかったり、引きこもるようになったりするため、体のリズムが乱れがちになる。そうなると、体の機能をコントロールする自律神経が上手く働かなくなり、精神的にも不安定な状態になってしまう。人間の体内時計は25時間サイクルになっていて、起床後に日光を浴びることで1日24時間の周期とのズレが調整されるようになっている。日光を浴びることで、神経伝達物質のセロトニンが分泌され、体内時計がリセットされるのだ。過眠症の人などは大変かもしれないが、なるべくいつも同じ時間に就寝・起床するようにして、朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びるようしたい。
軽い運動をする
適度な運動はストレスの発散に役立つのに加えて、食欲を刺激したり睡眠の質を高めたりする効果も期待できる。外に出てスロージョギングやウォーキングをすれば、開放的な気分になり、心身ともにリフレッシュできるだろう。ただし、いきなり激しい運動をしたり、「絶対に毎日走らなければ」などと自分を追い込んでしまうと逆効果になることもあるので、自分の状態に合わせて無理のないペースで体を動かすことが大切だ。また、外に出ることが苦痛に感じられる人であれば、軽いストレッチや家の中を歩くだけでも構わない。
アルコールを控える
うつ病患者にとって、飲酒は大きなリスクになる。健常者にとっては、適度なアルコール摂取はストレス解消になることもあるが、うつ病を患っている場合は、アルコール依存症になりやすい。不眠や抑うつに悩まされている人は、その苦しみを紛らわすために酒を飲んだりするが、酒が切れると抑うつが一層強くなり、睡眠の質も悪くなる。そこで、さらに酒量を増やすという悪循環に陥り、アルコールを手放せなくなってしまう人もいるのだ。過度の飲酒は、うつ病の悪化を招き、治療薬との関係で思わぬ副作用が起きるケースもあるので避けなければならない。
不倫されてうつ病になった時の法的措置
パートナーの不倫が原因でうつ病になったのだとしたら、それほど深い精神的苦痛を与えられたということに他ならないし、うつ病によってまともな日常生活も送れないような状態になったのであれば、そのダメージに対する賠償を求めたいと思うのも当然のことだ。不倫によって平穏な夫婦生活が続けられなくなった時には、その精神的苦痛に対する損害賠償金として、パートナーや不倫相手に慰謝料を請求できることが法律で認められている。
では、その精神的苦痛があまりにひどく、うつ病を発症した場合は、治療費を請求したり、慰謝料を増額させたりすることもできるのだろうか? また、相手から確実に慰謝料を勝ち取るためには何をすればいいのだろう? 慰謝料の相場や増額の可能性、慰謝料請求の段取りなどについて解説しよう。
不倫の慰謝料の相場は?
不倫に対する慰謝料の一般的な相場は、数十万円~300万円と言われている。金額にかなりの幅があるのは、不倫によって受けた精神的苦痛の大きさによって金額が決まるからで、不倫の状況や被害者の状態など様々な事情が考慮される。その事情の中でも、特に重要なポイントとなるのが、不倫が原因で夫婦が離婚したかどうかだ。離婚を選んだということは、不倫によってこれ以上夫婦生活を続けられないほどの精神的ダメージを受けたということになる。そのため、請求できる慰謝料の金額も200万円以上の高額になるケースが多い。また、離婚には至らなかったが、パートナーと別居することになった場合は、100万円~200万円が相場となる。
一方、離婚はせず、夫婦関係を継続する場合でも、50万円~100万円程度の請求が認められる可能性が高い。離婚には至らなくても、パートナーの不倫によって平穏な家庭が壊され、精神的苦痛を味わったことに変わりないからだ。
慰謝料の増額は可能か?
うつ病の治療には、時間がかかる場合もあり、そうなると治療費もかさんでいく。不倫によってうつ病になったのであれば、その治療費を不倫相手に払わせたいと思う人もいるだろう。では、治療費の請求ができるかと言えば、不倫とうつ病との関係を証明することが難しく、請求が認められないことも多いが、過去の裁判において慰謝料とは別に治療費の請求が認められた事例もある。
また、治療費は請求できなくても、慰謝料を増額することは十分に可能だ。先ほどお伝えしたように、慰謝料の金額は精神的苦痛の大きさによって左右される。そのため、パートナーの不倫によって、病院に通わざるを得ないほど心を病んでしまったのであれば、その事情が考慮され、300万円以上の慰謝料請求が認められるケースも少なくないのだ。なお、他にも不倫が長期に及んでいたり、何度も不倫を繰り返しているような場合は、悪質と見なされて慰謝料が増額される可能性が高い。
不倫の調査を依頼する
慰謝料請求の大前提として、まずパートナーの不倫の事実を突き止めなければならない。慰謝料問題で交渉や裁判を行う際には、不倫によって肉体関係を持ったということを裏付ける法的証拠が必要になり、その証拠を収集・提出して不倫を立証する責任は慰謝料を請求する側にある。不倫の法的な証拠となるのは、パートナーと不倫相手がラブホテルに出入りしているシーンを撮影した写真や動画などだ。ラブホテルは性行為を行う場所であるため、そこを利用したということは、2人に肉体関係があったという証明になる。
相手に気づかれることなく、密会シーンを鮮明に撮影するには、高度なスキルが求められるため、探偵社や興信所など調査のプロに依頼するのがいいだろう。調査によって真相が明らかになれば、気持ちの整理もついて、うつ状態が改善されるかもしれない。
うつ病の診断書を出してもらう
うつ病の治療費や慰謝料の増額を認めてもらうためには、パートナーの不倫が原因でうつ病になったという証拠を提出しなければならない。「パートナーの不倫によって苦しめられ、体調を崩して病気になった」と、いくら言葉で説明しても、不倫とうつ病の因果関係が医学的に証明されていなければ、裁判では通用しないからだ。そのためにも、うつ状態になった時に、1人で悩みを抱えて苦しんだりせずに、心療内科などで受診するようにしよう。診断の結果、うつ病にかかっていることが判明し、医師に診断書を書いてもらえば、交渉や裁判の際に有利な立場に立つことができる。
カルテを開示してもらう
不倫とうつ病の因果関係をさらにはっきりさせるために、定期的に心療内科に通い、カルテや診療録の開示を求めるという方法もある。カルテには、治療の経過や検査記録、処方薬など、診断書より詳細な情報が記録されており、病気を発症した経緯について患者から聞き取った内容が記載されるケースもある。そこに、パートナーの不倫に悩んで抑うつ状態になり、心身に不調が現れたことが書かれていれば、不倫によって深刻な精神的ダメージを受けたことが明らかになる。診断書と併せてカルテを提出することで、慰謝料の増額も認められやすくなるはずだ。
日記をつけておく
不倫によって抑うつ状態やうつ病になった時、その経緯や症状の進行について日記やメモに記録しておくと、慰謝料請求の際に役立つ可能性がある。裁判になった時に、うつ病の状況を把握するために具体的な症状について質問されることもあるし、不倫の兆候に気づいて不安になり、体調不良になったことがわかれば、不倫とうつ病の関係性を主張できるからだ。日記やメモはあくまで主観的なものだが、経緯や症状が詳しく記されていれば、信ぴょう性も増す。また、日付を入れて時系列的に書いておけば、後から改ざんしたり、加筆した可能性も低いと判断されるだろう。
慰謝料を請求する
慰謝料の請求に当たっては、不倫相手に内容証明郵便を送る方法をおすすめしたい。「内容証明」とは、いつ、誰に、どんな内容の書面を送ったのかを、郵便局が証明してくれる書留だ。これを使えば、慰謝料を請求したという証拠が残るし、相手が内容証明を無視した場合、「悪質」と見なされ、裁判などで不利になる。抑うつ状態で人に会うのが困難な人でも、郵便で通達するならハードルも下がるだろう。内容証明には、自分が受けた精神的苦痛、慰謝料の要求、パートナーとの関係解消の要求、要求に応じない場合の法的措置などを記載する。内容証明郵便を受け取った相手が、裁判に訴えられるかもしれないと知って驚き、慌てて要求に応じるケースも多いのだ。
離婚する
パートナーに裏切られたショックから立ち直れず、夫婦生活を続けることが困難なら、パートナーから慰謝料を取って別れよう。うつ病を治すには、ストレスや不安の原因になっているものを取り除くことが重要だからだ。パートナーが離婚を拒否するケースもあるが、その時にも不倫調査でつかんだ証拠が役に立つ。離婚訴訟になっても、パートナーが肉体関係を持ったという明らかな証拠があれば、離婚の請求が認められる可能性が高いのだ。
まとめ
年々増加傾向にあるうつ病だが、その原因には対人関係の問題や職場・学校でのストレス、大切な人を失った悲しみ、脳の機能低下など、様々なものがある。また、パートナーの不倫によって深く傷つき、うつ病にかかってしまうケースも珍しくない。一方、うつ病の症状もまちまちで、気分の落ち込みやマイナス思考などの精神的な症状に加えて、疲労感や不眠といった身体的な症状が現れることもあり、重症化すると自殺に至る危険性もある。 最悪の事態を防ぐためにも、うつ病の兆候に早く気づき、処置することが重要だが、不倫が原因の場合は、すぐに不倫を止めさせ、慰謝料を請求して自分が受けた精神的苦痛に対する償いもさせなければならない。不倫調査で得た証拠や医師の診断書などを準備して、納得のいく金額の慰謝料を勝ち取るとともに、適切な治療を受けてうつ病を克服しよう。
監修者プロフィール
伊倉総合法律事務所
代表弁護士 伊倉 吉宣
- 2001年11月
- 司法書士試験合格
- 2002年3月
- 法政大学法学部法律学科卒業
- 2004年4月
- 中央大学法科大学院入学
- 2006年3月
- 中央大学法科大学院卒業
- 2006年9月
- 司法試験合格
- 2007年12月
- 弁護士登録(新60期)
- 2008年1月
- AZX総合法律事務所入所
- 2010年5月
- 平河総合法律事務所
(現カイロス総合法律事務所)
入所
- 2013年2月
- 伊倉総合法律事務所開設
- 2015年12月
- 株式会社Waqoo
社外監査役に就任(現任)
- 2016年12月
- 株式会社サイバーセキュリティクラウド
社外取締役に就任(現任)
- 2020年3月
- 社外取締役を務める株式会社サイバーセキュリティクラウドが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
- 2020年10月
- 株式会社Bsmo
社外監査役に就任(現任)
- 2021年6月
- 社外監査役を務める株式会社Waqooが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
- 2022年4月
- HRクラウド株式会社、
社外監査役に就任(現任)
※2023年11月16日現在
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