その他嫌がらせ調査で卑劣な犯行を暴き、迷惑住人を撃退!
職場でのハラスメントや学校でのイジメなど、人間関係のトラブルや事件のニュースを耳にすることも多い。中でも近年、増加傾向にあるのが、ささいなことがきっかけとなり、近隣の住人から嫌がらせや暴言などの迷惑行為を受けるケースだ。 不動産情報サイトの「SUUMO(スーモ)」が行った調査によると、近隣トラブルに多いのが、1位:騒音、2位:挨拶、3位:車や駐車場の使い方、4位:タバコのマナー、5位:ペットの飼育やマナー、6位:ゴミの分別や出し方、7位:玄関前や廊下などの共有部の使い方、8位:異臭、9位:覗きなど、10位:バルコニーなど共有部での植物の育て方、というランキングになっている。 近隣住人からの嫌がらせは、予想もしていないことで相手の恨みを買っていたり、誰が嫌がらせをしているのかわからない場合も多いし、中にはストーカー化した元恋人が犯人というケースもある。そういう事態に対処するために、探偵事務所などでは「嫌がらせ調査」を行っている。法律に触れる嫌がらせや、嫌がらせをする心理とともに、嫌がらせ調査をするメリットなどを紹介する。
嫌がらせのパターンと法律
イジメや嫌がらせは、加害者と被害者では認識が大きく異なる。加害者側は、いたずら半分の気持ちでやっているつもりでも、被害者側は相手にひどく恨まれているのではないかと怯え、身の危険さえ感じることもある。特に、近隣トラブルでは、嫌がらせをしている犯人の正体がつかめない時もあり、一層不安が増す。イジメや嫌がらせが長期化すれば、精神を病んでしまうことにもなりかねない。
もちろん、そのような行為が許されるはずはなく、加害者が安易な気持ちで行った嫌がらせでも、罪に問われ、逮捕される場合もある。よく見られる嫌がらせのパターンと、どんな罪に問うことができるのかを見ていこう。
張り紙
嫌がらせのために、罪の意識もなく人の自宅の玄関や、アパート・マンションの掲示板などに張り紙をする者がいるが、他人の家屋に張り紙をする行為は、軽犯罪法に抵触するため、逮捕され、罰金を科せられる可能性がある。
また、張り紙の内容が「○○は万引きの常習犯だ」、「○○は不倫をしている」など、たとえそれが事実であっても、本人の社会的評価を下げるものであった場合には、侮辱罪や名誉毀損罪に問われることも考えられる。侮辱罪が成立した場合には、拘留または罰金を科せられ、名誉毀損罪が成立した場合には、3年以下の懲役や禁錮、50万円以下の罰金を科せられる。
デマを流す
2chなどのネット掲示板やラインなどのSNSにデマを投稿したり、事実無根の怪文書を近所にばらまいて、口コミなどで悪い噂を広めた場合も、侮辱罪や名誉棄損罪に問われる可能性がある。流した噂が虚偽であれば、悪質と見なされ、罰則がより重くなることが多い。
また、「〇〇の店は、弁当に消費期限切れの食材を入れている」などと、被害者が経営する会社や店舗の信用をおとしめるような虚偽の噂を広めることは、信用棄損罪に当たるし、それが業務の妨げとなれば、業務妨害罪を適用されることもある。
無言電話・いたずら電話
無言電話は、不安や恐怖を呼び覚ます。昼夜構わず何度も非通知の無言電話がかかってくれば、被害者は恐怖心で安眠できずに体調を崩したり、動悸や息切れなどの症状に苦しめられるケースもある。無言電話によって、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神的な健康被害が出た場合は、傷害罪が適用され、15年以下の懲役または50万円以下の罰金という重い刑に処せられることになる。
また、いたずら電話なども、その内容によって、さまざまな罪に問われる。本人や家族に対する傷害行為、監禁、所有物などへの加害をほのめかすような電話であれば、脅迫罪が成立する可能性が高いだろう。
手紙を勝手に開ける
被害者の秘密を探ろうとして、相手の家のポストを漁って信書を勝手に開封した場合は、信書開封罪に問われる。信書を盗んだかどうかは関係ない。信書とは、特定の人が特定の人に宛てて書いた、意思を伝達する文書のことで、封がされた手紙のほか、請求書や契約書、クレジットカードの明細書、招待状なども信書に当たる。
信書開封罪は、個人の秘密を保護するために設けられた罪であり、正当な理由がないにもかかわらず信書を開封した場合、1年以下の懲役または20万円以下の罰金を科せられる可能性がある。
ゴミを置く
嫌がらせ目的で、動物の死体や糞を玄関先に放置したり、汚物を郵便受けに入れたり、生ゴミを庭に投棄したりするケースもある。その際、家に汚れがついたりすれば、器物損壊罪に問うことができるし、ゴミを不法投棄するのは廃棄物処理法違反に当たり、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金という厳罰に処される可能性がある。
また、各都道府県では、迷惑防止条例を定めており、このような行為が公衆に著しく迷惑をかけるものとして、処罰の対象になることも十分に考えられる。
つきまとい
相手が嫌がっているにもかかわらず、しつこくつきまとうのも、嫌がらせ行為の一つだ。つきまといは、トラブルを起こしている近隣住人が相手に恐怖を与えるために行うこともあるが、別れたはずの前の交際相手が、ヨリを戻そうとしてストーカーになっている可能性もある。
ストーカー行為は、エスカレートすると傷害や殺人に発展するケースも少なくないため、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」、いわゆるストーカー規制法が定められた。ストーカー行為には、つきまといだけでなく、しつこく電話してきたり、面会を求めたり、監視したりする行為も含まれる。警察の警告や禁止命令を無視してそれらの行為を続ければ、懲役や罰金を科せられることになる。
車両を傷つける
車や自転車をターゲットにした嫌がらせもよく起きる。車体に硬貨や釘で傷をつけたり落書きをしたり、自転車のタイヤをパンクさせたり鍵を壊したり、また飼っているペットを傷つけるといった行為も、すべて器物損壊罪に当たる。自転車のサドルを盗むのは窃盗罪になる可能性もあるが、自転車の機能を損壊したという解釈から、器物損壊罪が適用されるのが一般的だ。
器物損壊は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金を科せられるほか、被害者が訴えを起こせば賠償金を請求することもできる。
盗難
人の持ち物を勝手に持ち去ったり、無断で使用するのも立派な犯罪だ。自転車や洗濯物を盗むのはもちろん、花や植木を持ち去るのも窃盗罪に当たり、10年以下の懲役または50万円以下の罰金刑に処せられる。
特に、花泥棒や植木泥棒は、自分が犯罪を行っているという自覚が薄く、その被害に遭う人が絶えない。「花盗人は罪に当たらず」という都合のいい言葉があるが、丹精込めて花や植木を育ててきた人にとって、盗難のショックは大きく、とても許せるものではないだろう。
盗聴
人の秘密を握って噂を広めたり、ストーカーが相手の行動を監視したりするために、盗聴を行うこともある。現在、盗聴を直接取り締まる法律はないが、盗聴で知りえた他人の秘密などを漏らすと電波法違反となる。さらに、電話回線内に盗聴器を仕掛け、通話内容を盗聴した場合は、有線電気通信法に抵触し、処罰の対象になる。
また、会話などを聴き取るためには、盗聴器を相手の家の中に仕掛けなければならず、それを実行するには家に忍び込む必要がある。正当な理由もなく人の家や庭に立ち入れば、住居侵入罪に問われ、3年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられることになる。
嫌がらせをする心理
嫌がらせを受けた被害者の中には、嫌がらせをされる理由がわからず悩んだり、「自分の行動や態度に問題があったのではないか」と自身に非があるように感じたりして、無力感に襲われる人もいる。
しかし、例え相手の気に障るようなことをしたのだとしても、その報復として嫌がらせをしてもいいという理屈にはならない。むしろ、人間関係のトラブルが直接原因ではなく、元々加害者に性格的な問題や生活環境の問題があり、1つのトラブルがきっかけとなって不満が噴出し、嫌がらせが始まるというケースが多いのだ。
加害者が嫌がらせに走る心理を探っていく。
思い込みが激しい
しつこく嫌がらせを繰り返す人間には、思い込みが激しく、執念深いタイプも多い。こういう人間は、すれ違ったのに気づかず挨拶をしなかったとか、飼い犬に吠えられたとか、普通なら大して気にもとめないような行為にも怒りを覚えたり、被害者意識を持ったりしてしまうことがある。
それを根に持って嫌がらせを始めたのだとすれば、嫌がらせを受けている方は、なぜ自分が恨まれているのか見当がつかず、混乱するばかりだろう。仮に、嫌がらせの原因がつかめたとしても、話し合いで相手の誤解を解くのは至難の業だ。
嫉妬心
劣等感が強い人間が、誰かに嫉妬心を抱いて嫌がらせを始めるケースもある。劣等感を持つのは悪いことばかりではなく、それをバネにして自分をもっと成長させようと考える人もたくさんいるはずだ。しかし、劣等感がマイナス方向に働いてしまうと、人の足を引っ張り、不幸な目に遭わせて自分のプライドを守ろうとする行動につながっていく。
例えば、子宝に恵まれて仲睦まじそうにしている家族の笑い声が癇に障ったり、仲良しそうな夫婦の会話が離婚した自分には腹立たしく思えたり、同じくらいの歳の隣人が自分には買えない高級車を持っているのを見て激しい嫉妬心を覚えたりすることが、嫌がらせの発端になることもあるのだ。
ストレス発散
格差の拡大や終身雇用の崩壊、少子高齢化の進行など、社会的ストレスはますます増大しつつある。職場で仕事や人間関係が上手くいかずに悩んだり、家庭で育児や介護に追われ、神経をすり減らしている人も多いだろう。それでも、周りにサポートしてくれたり、悩みを聞いてくれたりする人がいれば救われるが、そういう人もいないと、ストレスは溜まる一方だ。
そんな時、ストレス耐性の低いタイプは、うさ晴らしのために周りの人に嫌がらせをしようとすることがある。この場合、相手やきっかけは何でもよく、とにかくストレスが発散できさえすればいい。身勝手で迷惑極まりない話だ。
価値観の押し付け
コロナ禍で、マスクをつけていない人を激しく罵倒する、他県ナンバーの車を傷つけるなどといった「自粛警察」と呼ばれる過激な言動が話題となった。これらは、過剰な防衛反応や正義感からくる行動と見られがちだが、その裏には「自分の意見に人を従わせたい」という欲求が潜んでいる。
このタイプの人間は、「自分は絶対に正しい」と信じ込んでいて、その価値観や基準に反するものをすべてバッシングしようとする。世の中には、さまざまな価値観や考えを持つ人がいて当たり前なのだが、それを認めず、ひたすら自分の価値観に固執し続けるのだ。
寂しくてかまってほしい
会社人間によく見られるパターンだが、人間関係が仕事のつながりだけで、趣味もなく、地域コミュニティにも属していないと、定年退職した後に人付き合いが途絶えてしまう。孤独は、不安や怒りを呼び覚ますため、子供の泣き声やゴミの出し方に難癖をつけたりして、周りの目を引こうとするようになる。
また、人には、「自分を価値ある存在として認めてもらいたい」という承認欲求があり、社会や集団で不遇な目に遭っている人や、会社にいた頃のように周りから評価されなくなった退職者が、自分の存在を認めさせるために嫌がらせを行うことも考えられる。
嫌がらせを楽しんでいる
自分が楽しむために嫌がらせをするという、ゆがんだ性格の持ち主もいる。このタイプは、自分が仕掛けたいたずらによって、他人が慌てふためいたり怯えたりするのを見て快楽を覚え、自分が支配者にでもなったような優越感に浸る。他人に対する思いやりの気持ちが欠落していて、自分がしたことに対して、まるで他人事のように責任を持たない。
これを放置しておくと、嫌がらせがどんどんエスカレートして、怪我人が出るような事態にもなりかねないので要注意だ。
好意を持っている
相手に好意を抱いたために嫌がらせをするというケースもある。この場合、「相手の気を引きたい」「自分に関心を持ってもらいたい」という想いが高じて、相手を驚かすような行動に出てしまう。たとえ相手に迷惑がられたとしても、自分に目を向けてくれることが嬉しいのだ。
また、ストーカーの場合は、ヨリを戻すため、あるいは交際を断られた腹いせに嫌がらせを始めることもあるので危険だ。ストーカーは、自分の想いが叶わないことがわかると逆上し、殺傷事件を起こす恐れもある。扱い方が非常に難しいので、警察や弁護士、探偵など、プロの手を借りて対処しよう。
嫌がらせ調査とは?
嫌がらせを受けていると、精神的に大きなストレスになるし、生活にも支障をきたすことがある。さらに、嫌がらせがエスカレートしていくと、傷害事件などに発展する恐れもある。ここからは相談すべき嫌がらせという基準はないが、不快に思うようなら、早期に解決しなければならない。
嫌がらせが長期間続くようなら、その解決策として、役所や警察に相談するという方法もあるが、役所は騒音や悪臭など、他の住民にも悪影響が出るようなケース以外はアドバイスをくれるだけで、直接対応してくれない場合が多い。また、警察も、確実な証拠があるか現行犯でない限り、積極的に動いてくれない可能性が高い。嫌がらせの加害者の多くは、自分の犯行だとバレないように陰湿に立ち回るため、解決するのが難しいのだ。
一方、犯人がわからない状況でも、探偵に「嫌がらせ調査」を依頼すれば、速やかに動いてくれる。嫌がらせ調査とは、犯人を突き止めるとともに、嫌がらせ行為の証拠を押さえ、問題解決を図るための調査だ。調査結果はきちんと報告書としてまとめてくれるので、嫌がらせを明確にできる。中には、ファミリー調査事務所のように「嫌がらせ専門対策」という窓口を用意している探偵事務所もある。嫌がらせ調査のメリットや、調査方法について解説する。
調査をするメリット
嫌がらせ行為に対して、警察に本腰を入れて対処してもらうには、「嫌がらせをしている加害者についての情報」と「嫌がらせ行為の具体的な証拠」が必要になる。この2つがないまま警察に相談しても、雲をつかむような話なので、パトロールを強化する程度の対応しかしてくれない場合が多い。それによって一時的に嫌がらせが収まることもあるが、根本的な解決には至らず、その後も不定期に嫌がらせが行われるケースが少なくない。
しかし、加害者の特定と嫌がらせの証拠があれば、警察に被害届を出して捜査してもらうことができる。加害者が捕まったあとは、刑事告訴するかどうかを聞かれるが、告訴しない場合は、相手と示談交渉を行い、2度と嫌がらせをしないことを約束させたり、示談金を支払わせたりすることを取り決める。加害者の処罰を求める場合は、告訴を行い、裁判にかけることになる。
また、嫌がらせの証拠があれば、相手に慰謝料や損害賠償を請求することもでき、相手が支払いを拒否しても、民事裁判に持ち込んで支払いを命じることが可能になる。
調査方法①定点撮影
定点撮影とは、嫌がらせ行為が行われている様子を暗視カメラで撮影する調査方法で、犯人の特定と証拠集めの両方を行うことができる。裁判でも認めてもらえる確実な証拠を手に入れるためには、「誰が何をやっているのか」が鮮明にわかるような写真や動画を撮影する必要がある。
しかし、嫌がらせ行為は、人目につきにくい深夜などに行われることが多く、一般の人が暗闇の中で現場を押さえることは難しい。その点、経験を積んだ探偵なら、高度なスキルと夜間撮影の専門機材を駆使し、相手に気づかれることなく決定的な瞬間をとらえることができる。
この調査は、ある程度犯行時間や場所の見当がついていれば、少人数の探偵で行うこともできるため、調査費用を抑えられるというメリットもある。
調査方法②聞き込み・尾行
定点撮影を行っても、狙いをつけた日に犯人が現れるとは限らないし、撮影に成功しただけでは調査は完了しない。犯人の氏名や住所を特定なければならないからだ。また、つきまといなどの嫌がらせ行為は、定点撮影では対応できない。
そこで、探偵は聞き込み調査などを行って、犯人と思われる人物に関する情報収集や、犯人の行動パターンの把握に努める。さらに、犯人の目星をつけたら、相手を尾行し、犯行の現場を押さえるとともに、相手の素性も突き止める。通常、尾行は2人か3人で行うので、相手に気づかれたり見失ったりする心配もない。
調査方法③張り込み
調査のターゲットが屋内に一定時間留まる時は、探偵は外で張り込みをしながら様子をうかがわなければならない。例えば、ターゲットが飲食店やホテルなどを利用した場合は、ターゲットが出てくるまで建物の外で張り込みをする。張り込みは、一定時間同じ場所に留まるため、周りから不自然に思われないように気を配る必要がある。
特に、閑静な住宅街で、見知らぬ人間がずっとたたずんでいたら、不審者と間違われても不思議はない。その点、2人1組または3人1組で交代しながら張り込みをすれば、怪しまれるリスクを下げられるし、トイレ休憩の間にターゲットを取り逃がすこともない。
調査方法④盗聴器発見
家人全員が留守の間に、繰り返し犯行が行われている場合は、家の中に盗聴器が仕掛けられている可能性もある。盗聴した会話の内容から、全員が出払う時間帯を知ることができれば、そこを狙って犯行を行うのが一番リスクが少ないからだ。そのため、盗聴が疑われる時には、探偵は盗聴器発見調査を行う。
盗聴器は、エアコンの上部や電灯の中、コンセントなど、複数個所に巧妙に隠されているケースが多いが、探偵は専用の機器を用いて盗聴器から発せられる電磁波などを参考に、すべての盗聴器を発見し、撤去する。ただし、犯人の特定が難しい時などは、あえて盗聴器を残しておいて偽の情報を聞かせ、犯人をおびき寄せるという方法を取ることもある。
取るべき行動
嫌がらせ問題を早期に解決するためには、調査のプロの手を借りて犯人を突き止め、証拠をつかむことが必要なことがわかった。しかし、ただ探偵に調査を任せるだけでなく、自分にもできることが少なからずある。陰ながら調査に協力すれば、スムーズに真相を究明でき、調査費用を抑えることもできるだろう。
逆に、対処を間違えると、解決が遅れるばかりか、加害者を刺激してさらに嫌がらせ行為をエスカレートさせ、深刻な事態を招くリスクも出てくる。嫌がらせに立ち向かう際に、取るべき行動・やってはいけない行動をピックアップする。 嫌がらせの種類を考慮した上で、嫌がらせ対策として参考にしてほしい。
無視しない
嫌がらせを受けた時、おかしな相手とは関わりたくないという思いから、あえて騒ぎ立てることをせず、何事もなかったふりをする人もいるだろう。しかし、前にお伝えしたように、人が慌てふためくのを見て喜ぶような愉快犯の場合、何も反応せずに放置すると、行動がどんどんエスカレートする恐れがある。
また、自分が注目されたいために嫌がらせをしているタイプは、無視されるとますます躍起になり、しつこく犯行を繰り返すようになる可能性が高い。犯人がわかっている場合は、大きな精神的苦痛を受けていること、嫌がらせをすぐに止めてもらいたいことを冷静に伝えよう。
また、被害届を出すことや嫌がらせ調査を依頼することを考えている時は、それを相手に告げてはならない。相手が警戒して一時的になりを潜め、ほとぼりが冷めた頃にまた犯行を繰り返すという狡猾な手を使ってくることも考えられるからだ。
言い争わない
嫌がらせをされて、カッとなって抗議しに行くのも止めよう。決定的な証拠がない限り、相手が言い逃れをする可能性もあるし、自分の価値観に固執するタイプの場合、理屈で相手をねじ伏せようとしても絶対に自分の非を認めないだろう。
むしろ、自分が非難されたことを相手からの攻撃と捉え、さらに過激な行動に出るかも知れないし、抗議を受けたことを逆手にとって、相手から脅迫されたと警察に訴える恐れもある。もし、加害者と口論になりそうになった時は、納得できない話であっても、すぐに反論せずにとにかく最後まで相手の言い分を聞き、後から対処策を考えた方がいい。もしかすると、相手は言いたいことを言って気が収まり、嫌がらせを止めるかも知れない。
防犯カメラを設置する
最近では、泥棒除けのために、家に防犯カメラを設置する人も増えてきたが、防犯カメラを上手く利用すれば、嫌がらせ行為の抑止力にもなる。また、玄関先にゴミを投げ込んだり、車に傷をつけたりしている様子などが、犯人の顔ととともにカメラにはっきり映っていれば、裁判でも証拠として使うことができる。
ただし、犯人が防犯カメラの存在を知っていて、顔を隠したり、カメラの死角をついて犯行に及んだりするようであれば、決定的な証拠にはならないだろう。しかし、その場合でも、犯人の特定や行動パターンの把握につながる有力な手がかりにはなるので、嫌がらせ調査と併せて活用することで、トラブルの早期解決を図れるだろう。
証拠を捨てない
投げ入れられたゴミや車につけられた傷、ポストに突っ込まれた怪文書。これらもすべて、犯行の事実を裏づける補強証拠となる。そのため、見るのも嫌だと思っても、証拠品を破ったり捨てたりせずに、保管しておくことが重要だ。車を傷つけられた時は、すぐに警察と保険会社に連絡するとともに、破損個所の写真を撮っておこう。
また、ストーカーなどからの嫌がらせ電話や、しつこく送られてくるLINEなども証拠として使うことができる。通話の内容は録音しておきたいし、LINEをブロックしたいのはやまやまだろうが、通知オフ・未読スルーにするなどしてメッセージを保存しておいた方がいいだろう。
記録をつける
嫌がらせ行為を記録した日記やメモも、証拠になり得る。ただし、曖昧な記録だと証拠能力は低くなるので、「何をされたか」「何を言われたか」など嫌がらせの詳細な内容を自筆で記すとともに、犯行の日時や場所、嫌がらせをされて自分がどんな精神的苦痛を味わったかも書いておこう。
犯行の記録をつけることは、犯人の行動パターンを把握する上でも重要だ。犯人にも生活や仕事があるのだから、自分の都合のいい日時・場所を選んで嫌がらせをするはずだ。「犯行が行われるのは土曜日の深夜」「習い事に行った帰りに後をつけてくる」といったパターンがわかれば、嫌がらせ調査も効率よく進めることができる。
仕返しをしない
ひどい嫌がらせを受けて腹の虫がおさまらず、仕返しを考える人もいるだろうが、絶対にやってはいけない。仕返しが相手をさらに刺激して報復合戦になってしまい、収集がつかなくなる可能性も高いからだ。そうなれば、相手も自分も加害者として扱われ、一方的に被害届を出したり、慰謝料を請求することも難しくなる。
また、相手に仕返しさせるためにわざと嫌がらせをして、仕返しをした場面を撮影するなどして被害を訴えるタチの悪いタイプもいる。そうなると、まるで自分が嫌がらせ犯のように見られ、社会的信用を失ってしまう。どんなに腹が立っても、冷静に行動することを心がけたい。
裁判所に申し立てる
犯人の特定と証拠集めをしたあと、犯人の処罰を望むなら、刑事告訴という形で相手を訴訟する。警察は、告訴を受理したら捜査を開始し、犯人が確定すれば逮捕して、検察官と検事が取り調べを行う。その結果、起訴が決まれば、刑事裁判が開かれることになる。
一方、民事裁判では、犯人に対する接近禁止の仮処分や、慰謝料・損害賠償請求の申し立てをすることができる。接近禁止の仮処分とは、被害者の身に危険が及ぶ可能性がある場合に、裁判所が相手に対し、被害者への接近を禁ずる命令を出すことだ。また、慰謝料は、被害者が受けた精神的苦痛に対して支払われる賠償金で、苦痛の大きさに応じて金額が決まる。
損害賠償は、車やガラスなどの器物を破損された場合、器物の時価相当額や修理費用を相手に支払わせるものだが、業務妨害により損失を受けた時も、その損失額を請求することができる。刑事事件では、嫌がらせ行為の立証責任は検察官が負うが、民事事件の場合は、立証責任は申し立てをする側にあるため、裁判でも通用する証拠を手に入れておかなければならない。
まとめ
「子供の泣き声がうるさい」「挨拶を返さなかった」などささいなトラブルから、思いもよらない嫌がらせを受けるようになることがある。その手口は、張り紙や無言電話、生ゴミを置く、デマを流す、つきまとうなどさまざまで、法に触れる行為も少なくない。 しかし、相手が自分の犯行とバレないように狡猾に立ち回ることも多く、そうなると警察に相談しても対応してくれない可能性が高い。また、嫌がらせ行為をする真の原因が、加害者自身の性格や鬱積したストレスである場合は、表面上のトラブルを解決しても嫌がらせが終わることはなく、さらにエスカレートして重大な事件に発展する恐れもある。 このようなリスクを避ける1つの方法が、「嫌がらせ調査」を行うことだ。調査のプロに依頼すれば、高度なスキルと高性能機材を駆使して犯人を突き止め、証拠をつかむことができる。料金はかかるが、それだけの価値はあると言える。自ら犯人と対決しようとしたり告発したりすると、相手を刺激し、事態が一層悪化する場合があるので、調査結果をもとに、あくまで冷静に警察への連絡や慰謝料・損害賠償の請求をしよう。
監修者プロフィール
伊倉総合法律事務所
代表弁護士 伊倉 吉宣
- 2001年11月
- 司法書士試験合格
- 2002年3月
- 法政大学法学部法律学科卒業
- 2004年4月
- 中央大学法科大学院入学
- 2006年3月
- 中央大学法科大学院卒業
- 2006年9月
- 司法試験合格
- 2007年12月
- 弁護士登録(新60期)
- 2008年1月
- AZX総合法律事務所入所
- 2010年5月
- 平河総合法律事務所
(現カイロス総合法律事務所)
入所
- 2013年2月
- 伊倉総合法律事務所開設
- 2015年12月
- 株式会社Waqoo
社外監査役に就任(現任)
- 2016年12月
- 株式会社サイバーセキュリティクラウド
社外取締役に就任(現任)
- 2020年3月
- 社外取締役を務める株式会社サイバーセキュリティクラウドが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
- 2020年10月
- 株式会社Bsmo
社外監査役に就任(現任)
- 2021年6月
- 社外監査役を務める株式会社Waqooが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
- 2022年4月
- HRクラウド株式会社、
社外監査役に就任(現任)
※2023年11月16日現在
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