浮気/不倫の疑い妻のホストクラブ通いが招く浮気と家庭崩壊の危機!
シャンパンタワーにピンドンコール…札束が湯水のように消えていくホストクラブは、日常とはかけ離れた華やかな世界に見えるが、その陰ではホストが刺されたり、ホストにハマった女性が自殺するという血なまぐさい事件も起きている。そんな場所に通うのは、荒稼ぎしている風俗嬢ぐらいだと思うかも知れないが、実は最近、結婚している女性がホストクラブに通い詰めるケースも増えているという。 もし、自分の妻がホストにハマったとしたら、世の夫たちはどう感じるだろう? 「マイナビニュース」が、既婚の男性会員に「妻がホストクラブに通っていたとしたら許せますか? 」というアンケートを取ったところ、「許す」と答えた男性は23.1%、「許せない」と答えた男性は76.9%に上った。 許せない理由としては、「自分が稼いだ金で遊んでほしくない」「世間体がある」といったものがあるほか、浮気を疑う声も聞かれた。妻のホストクラブ通いは、浮気には当たらないのだろうか? ホストと体の関係を持つようなケースはないのか? 既婚女性がホストクラブに通う理由や浮気との境界線、考えられるリスクと対処法などを紹介する。
ホストクラブに通う女性の心理
恋愛結婚して円満な家庭を築き、子宝にも恵まれて、生活が苦しいわけでもない。そんな妻が、突然ホストクラブに通い始め、夜遅くまで遊び歩くようになったとしたら、誰でも驚くだろう。実際、「俺という存在がありながら、なぜホストクラブに?」と嘆く夫も少なくないはずだ。
妻たちは、なぜ夫とではなく、ホストと夜を過ごすことを選ぶのか? ホストクラブには、女性を虜にするどんな魅力があるのだろう? そこには、女性の心の中に秘められたさまざまな欲求や葛藤が絡んでいるケースがある。ホストクラブに通う女性の心理を探っていこう。
刺激がほしい
結婚期間が長くなると、夫婦生活もマンネリ化しがちになる。付き合い始めた頃は、いろいろな場所に連れて行き、サプライズもしてくれた夫が、結婚してから何もしてくれなくなるというケースもある。結婚したことで、もう妻の心が自分から離れることはないと思い、「釣った魚にエサはやらない」という夫もいるからだ。しかし、女性は思い出やイベントを大切にするので、夫が結婚記念日などを忘れて何もしなかったりすると、不満を募らせてしまう。
また、夫婦共働きなのに、家事や育児を手伝おうとせず、すべて妻に任せっきりという夫もいる。そうなると、妻一人が仕事と家事・育児に追われ、自分のやりたいこともできないまま、代わり映えのしない日々を過ごさなければならなくなる。そんな時に、何かのきっかけでホストクラブに行き、マンネリ化した日常を忘れさせてくれる刺激的な体験をすると、新しい世界が開けたように感じてしまうのだ。
話を聞いてくれる
仕事人間でいつも忙しく、残業残業で夜遅くにしか帰ってこないという夫もいる。そういう夫は、時間的にも気持ち的にも余裕がないので、家族の話をじっくり聞くこともできない。一方、妻は、人間関係や夫婦関係、子供のことなどで問題を抱えている場合もあるだろう。それなのに、一番の理解者であるはずの夫が相談に乗ってくれず、自分の悩みを聞いてもくれないようであれば、ストレスが溜まるばかりだ。
また、妻のことは大事に思っているが、自分の気持ちは以心伝心で分かってくれるはずだと、妻への愛情や感謝をわざわざ口にしない夫も多い。しかし、気持ちは言葉にしないと相手に伝わらない。妻は、夫や家族のためを思っていろいろ努力しているのに、何の言葉もかけてくれなければ、「自分は愛されていないのではないか」と不安になっていくかもしれない。
その点、ホストは話し上手・聞き上手だ。ホストと過ごせば、日頃の愚痴を聞いてくれ、優しい言葉もかけてくれるだろう。妻は、心の拠り所ができたように感じ、足しげくホストクラブに通い出すのだ。
女として見てくれる
どんなカップルも、結婚前の交際期間や結婚してしばらくはラブラブで、恋人気分を満喫しているものだ。しかし、結婚生活が長くなり、子供が産まれると、夫は「パパ」、妻は「ママ」と呼ばれるようになり、相手を異性として見なくなる場合もよくある。また、年齢を重ねるにしたがって、自分の容姿に自信を持てなくなっていく人もいるだろう。
そういう時、夫が自分を母親としか見てくれず、オシャレをしたりヘアスタイルを変えても何も言ってくれないと、「もう自分に女性としての魅力はないのではないか」と落ち込んでしまうことも考えられる。そして、自分を母親ではなく、1人の女性として見てほしいという欲求が膨らんでいく。
一方、女性の扱いが上手なホストは、たとえ相手が何歳でも、容姿に関わらず、「素敵だ」「きれいだ」と女性をもてなす。ホストと過ごせば、自分を1人の女性として扱ってくれるので、失いかけていた自信を取り戻せたように感じるだろう。
チヤホヤされる
男女を問わず、異性からモテれば悪い気はしない。特に、イケメン揃いのホストたちが、自分に好意を持ってくれていると思えば、なおさらだ。ホストクラブでは、女性客をまるでお姫様のようにみんなでチヤホヤしてくれるので、自分が特別な価値を持った人間であるかのように感じ、自己肯定感を高めることができる。
もちろん、ホスト側は、ビジネスとして女性客をもてなしているわけだし、客の方も頭ではそのことをわかっているはずだ。しかし、自分がドラマのヒロインにでもなったように、魅力的な若い男性たちからモテまくるという体験をすると、それが忘れられなくなる女性もいる。そして、その快感が病みつきになってしまい、ホストクラブに通うようになるのだ。
好みの男性に会える
当然のことながら、ホストクラブにはさまざまなタイプのイケメンがいて、好みのホストを指名できる。日ごろ、夫の容貌や性格に不満を抱いているような妻なら、家で夫と顔を突き合わせているより、ホストと過ごす方がずっと楽しいと思うかも知れない。
中には、本気でホストに恋をしてしまい、ホストと付き合いたいために金を貢ぐ女性もいる。こういう女性客は、ホストに「色恋営業」と呼ばれる恋愛を餌にした接客をされている場合が多く、「売上ランキングで上位になったら付き合おう」などと甘い言葉で虜にされている可能性がある。また、ホストがプライベートな時間に女性客と寝る「枕営業」を容認しているホストクラブもあり、自分の好みのホストと深い仲になることを期待して、お金を注ぎ込み続ける女性客も少なくない。
頼られると断れない
普段、家事や育児で頑張っているのに、夫が「やって当たり前」のような顔で感謝の言葉もかけてくれないという妻が、ホストクラブに行って大事にされたり、疑似恋愛を通して「男性に必要とされている」と感じたりすると、承認欲求が満たされて気分も高揚する。
また、ホストクラブに通う女性の中には、自分の指名ホストを人気ホストに育てたいと、アイドルのファンや育成ゲームのような感覚で、ホストの売上に貢献しようとする客もいる。そういう女性が、指名ホストから「今月は売上が足りなくて困っているから助けて」などと言われ、すぐに店に駆けつけて高額なボトルを入れるといったケースも珍しくない。「私だから頼ってくれるんだ」という思いが、特別感を芽生えさせ、深みにどんどんハマっていくことになるのだ。
優越感を感じられる
ホストクラブで大金を使うと、シャンパンコールがかかったり、店中の客の目を惹きつけたりと、日常では味わえない優越感に浸ることができる。このタイプの客には、日頃から高級ブランドで身をかため、人の視線を意識しながら暮らしている女性も多く、ホストクラブに行くのも自分に注目が集まることで快感を得られるからだ。
ホスト側もその心理をよく心得ているので、そういう客を女王様のように扱い、さらに金を使わせようとする。また、客も客で、お金を使えば使うほど、「自分のしていることには価値がある」と思い込もうとする心理が働くため、歯止めが利かなくなってしまう恐れがある。
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ホストにハマる妻の特徴
ホストクラブに通い詰める女性は、「ホス狂(ほすきょう)」と呼ばれる。ホス狂の中には、テレビ番組などで取り上げられた華やかで楽し気なホストクラブの様子を見て、一度行ってみようと足を踏み入れた人もいるだろう。
初めは低料金で遊ばせる店も多いので、女性客は安心感を持つだろうが、やがて好きな「担当」ができると、店に通う回数が増え、同時にホストに貢ぐ金額もどんどん増えていく。そうなってくると、もう歯止めは利かず、周りが何を言っても耳を貸さなくなる。ちょっとした好奇心が次第にエスカレートし、「ホス狂」になってしまう危険性のある妻たちの特徴をピックアップする。
寂しがり屋
1人でいるのが嫌いで、いつも誰かと一緒にいないと不安に感じる寂しがり屋は、ホストにハマりやすいタイプと言える。そういう女性は、パートナーが仕事に追われていたり、しょっちゅう飲み歩いたりして自分のことをかまってくれなくなると、どんどんストレスを溜め込んでいく。そして、その寂しさを埋めようとして、自分と一緒にいてくれる相手を探すようになるのだ。
ホストクラブに行けば、好みの担当ホストがそばに来て、全力で自分のことをかまってくれるので、疑似恋愛を楽しむことができる。また、担当以外のホストも友達のように接してくれ、寂しい気持ちを紛らわすことができるため、心の拠り所を求めてホストクラブに通うようになる。
自己肯定感が低い
普段、人に誉められることがなく、自己肯定感が低い女性も、ホストにハマりやすい。ホストクラブは疑似恋愛のプロが集まっている場所であり、ホストたちは女性客をいい気分にさせるテクニックを知り尽くしている。女性として自信がなくても、あの手この手でほめてくれるし、仕事などで失敗して落ち込んでいると、慰めたり励ましたりして自信を取り戻させてくれる。
自己肯定感が低い女性にとって、ホストクラブは自尊心を高めることができる唯一の場所かも知れない。最初は営業トークだと思っていても、繰り返し誉め言葉を聞かせられ続けると、徐々にその気になってしまい、ホストだけが自分のことをわかってくれていると思い込むようになっていく。
依存体質
ショッピング依存症の傾向があったり、昔アイドルの追っかけをしていたという女性も、ホストクラブ通いを止められなくなる危険性を持っている。アイドルの代わりの依存対象が、ホストになるというわけだ。依存体質の女性には、ロマンチックなシチュエーションに弱い人も多いため、女性によって対応を変え、相手が望む通りの言葉や態度を演出できるホストにハマる可能性は高い。
また、精神的に不安定なメンヘラ気質の女性は、周りから「重い」と言われて距離を置かれがちだが、ホストはビジネスで付き合っているのだから、距離を置いたり邪険に扱ったりはしない。そのため、「自分の居場所はここしかない」と思い込み、ホストクラブに通い詰めるようになるのだ。
恋愛経験が少ない
今まで男性にモテたことがないという女性や、夫ぐらいとしか恋愛経験がないまま結婚したという女性が、ホストクラブに通い始めると、ホストを本気で好きになってしまうことがある。恋愛経験豊富な女性なら、ホストから甘い言葉を囁かれても、「営業トークだ」と思うので聞き流すことができるが、恋愛経験が少ない女性だと、ホストの言葉をすべて信じ込んで、舞い上がってしまうケースもあるからだ。
そのようにしてホストに本気になったら、いくら「ビジネスで相手をしているだけだ」と諭しても、もう耳には入らない。周りの忠告も無視して、ホストにのめり込んでいくだろう。
尽くすタイプ
男性に尽くすことで「役に立っている」と感じ、満足感を覚えるような女性も、ホストにはまると抜け出せなくなる。ホストクラブに通ううちに、担当ホストへの思い入れが強くなると、ナンバー入りをさせてやりたいという気持ちが膨らんで、次々にお金を注ぎ込むようになってしまう。
「いつも支えてくれてありがとう」「〇〇ちゃんがいなかったら、今の俺はないよ」などと囁かれると、「この人は私がいないとダメなんだ」「喜ぶ顔をもっと見たい」という気持ちがわき上がってくる。そして、担当ホストのためなら何でもしようと思い始めるので要注意だ。
負けず嫌い
負けず嫌いの女性も、ホス狂の予備軍だ。ホストたちは連日、売上競争を繰り広げており、彼らの成績は女性客の財布にかかっている。そのため、負けず嫌いな女性が、自分の担当ホストをナンバーワンにしたいと考え始めると、際限なくお金を注ぎ込むようになる。ホストクラブでは、閉店前にその日の売り上げトップのホストが、ラスソン(ラストソング)として好きな歌を歌う決まりがある。ホス狂は、自分の担当がラスソンを歌えるように、高額な酒を入れていく。
また、担当ホストが被っている他の客「被り客」との戦いもある。被り客の中で、一番売上に貢献してくれる客は「エース」と呼ばれ、担当ホストから最高の扱いを受ける。負けず嫌いの気性に火が付くと、担当ホストのエースになるために、ホス狂への道を暴走していくことになるのだ。
自由に使えるお金がある
ホストクラブで思いきり遊ぶには、大金が必要だ。ホストの気を引くために高額なボトルを何本も入れたり、プレゼントを渡したりと、普通の人では払いきれないようなお金を使い続けなければならない。そのため、ホストクラブに通い詰める客には、風俗店で働いている女性が多いと言われる。
しかし、元々金持ちで、一晩に100万200万使っても平気だという人なら何の問題もない。金さえあれば、イケメンホストに囲まれて、女王様気分で過ごせるのだ。ホストクラブ通いは楽しくて仕方ないだろう。
ホス狂のリスクと法的措置
ちょっとした気晴らしでホストクラブに行くのであれば、あまり問題も起きないだろうが、妻がホス狂になると、大きなリスクが生まれる可能性が出てくる。それは、本人だけでなく、周囲も巻き込むトラブルに発展するかもしれない。
そうなった場合、妻やホストを法律で罰することは可能なのだろうか? また、ホストクラブに通い詰めるだけでなく、店の外でもホストとデートをしている妻に対して、浮気・不倫の慰謝料などを請求することはできないのだろうか? 妻のホスト狂いによる具体的なリスクと、法的に認められる措置について解説する。
借金まみれになる
元々大金持ちで遊ぶ金に不自由しないのであれば、ホストクラブに通っても借金トラブルになることはないだろう。しかし、普通の主婦がホス狂になったら大変だ。共働きで自分の収入があったとしても、担当ホストに気に入られようと思ったら、大金を使わなければならず、給料だけではとても賄いきれない。気づいた時には、貯金も底をつき、そこでホストクラブ通いを止められなければ、借金に手を出すことになる。
「そうまでして通いたいのか」と呆れるかも知れないが、止めようと思うたびに担当ホストから連絡がきて頼み込まれると、「自分が支えなければ」という気持ちが働いて、家族に内緒でまた借金をしてしまう。その借金の返済のために、風俗で働き始めるというのもあり得ない話ではないのだ。それでもホストから抜け出せなければ、やがて借金で首が回らなくなり、すべてが明るみに出て破滅するという末路が待っている。
家庭を顧みなくなる
ホストクラブは、基本的に夜、営業している。深夜12時から営業を開始しているホストクラブもあるので、そういう店に通うと、夜通し飲んで朝帰りというコースになる。そのため、以前は毎日規則正しい生活を送っていた人が、ホストにハマったことで生活リズムが一変し、昼夜逆転の生活を送るようになってしまうこともある。
そうなると、昼間にやっていた家事や育児がおろそかになり、手抜きをしたり放棄したりするケースも出てくるだろう。さらに、ホス狂ともなれば、担当ホストのことしか考えなくなるので、夫や家族に無関心で家庭を顧みなくなる危険性がある。
子供にも悪影響が出る
生活がホストクラブ中心になってしまうと、家族に無関心になるばかりか、家族を邪魔な存在だと思うようになるかも知れない。料理や子供の世話も面倒なので、食事は冷凍食品やスーパーの総菜ばかり。夜はいつも出歩いて、家族で食卓を囲むこともしなくなる。
夫の仕事が忙しく、帰りが遅いような家庭だと、夜の間、子供は誰にもかまってもらえず、1人で過ごさなければならない。このように親が子供を放置することは、「ネグレスト」と呼ばれ、暴力や言葉による虐待と同様に、子供を深く傷つける。まともな食事が与えられなければ栄養失調になるし、親から愛情を注がれなければ情緒不安定になるなど、心身に深刻な悪影響を及ぼすのだ。
法律上の不倫・浮気とは?
妻のホスト狂いは不倫に当たるのか? 世間的にはさまざまな意見があるだろうが、法律的に言うと、実は「不倫」という言葉は法律用語にはなく、代わりに「不貞行為」という言葉が使われる。「不貞行為」とは、配偶者のある者が、配偶者以外の異性と自由意思で肉体関係を持つことだ。民法では、「夫婦は互いに貞操を守る」ことが義務とされているため、不貞を働けば、この貞操義務に違反する不法行為を行ったことになる。
逆に言えば、妻がいくらホストとデートやキスをしても、肉体関係を持っていなければ、不貞行為をしたことにはならない。不倫の罪を問うためには、肉体関係の有無が重要なポイントになるのだ。
慰謝料請求・離婚請求の条件は?
パートナーに慰謝料を請求したり、離婚を受け入れさせたりするには、法律的な条件を満たさなければならない。その条件には、夫婦で協力し合う義務を放棄する「悪意の遺棄」や、パートナーの生死が3年以上にわたって不明、回復の見込みのない強度の精神病にかかっている、その他夫婦生活を維持しがたい理由があるといったものがあるが、不貞行為も慰謝料請求・離婚請求のための条件として認められている。
妻がホストと不貞行為を働いていたことが事実であれば、慰謝料を請求することができるし、妻が離婚を拒否しても、不倫を立証する証拠を提出して裁判に勝てば、判決に従って離婚を受け入れるしかなくなる。
不貞行為があった場合
ホストのサービスは、あくまで客と一緒にお酒や会話を楽しむことであり、店側が黙認していたとしても枕営業などはホストの本来の仕事ではない。従って、ホストが一線を越えて女性客と肉体関係を持ったら、どんな言い訳をしても不貞行為をしたと見なされ、慰謝料請求の対象となる可能性が高い。
慰謝料は、被害者側の精神的苦痛に対して支払われる賠償金であり、相手が支払いを拒否した場合は、家庭裁判所での調停や裁判を通じて支払いを求めていくことになる。不貞行為に対する慰謝料の相場は、一般的に50万円~300万円と言われている。稼ぎのいいホストなら払えない金額ではないだろうが、不倫トラブルは店にとってもマイナスになるため、2人の関係を解消させる役に立つだろう。
不貞行為がない場合
ホストとの間に肉体関係がなければ、ホストに対する慰謝料請求は難しいだろう。ただし、妻に対しては慰謝料を請求できるケースがある。先ほど紹介した「その他夫婦生活を維持しがたい理由」がそれで、ホストとの肉体関係がなくても、妻がホストクラブに通い詰めたことが原因で、夫婦生活が破たん状態になったのだとしたら、それを理由に慰謝料や離婚請求をすることが可能だ。
具体的には、家事や育児を放棄して家のことを顧みないとか、ホストに貢いで多額の借金を作り、生計が成り立たなくなっているような場合、夫婦生活を維持しがたい状態と見なせるだろう。
ホストにハマりかけていることに気づいたら
体の関係があるにせよないにせよ、妻のホストクラブ通いがエスカレートすると、深刻なトラブルに巻き込まれ、家庭崩壊まで起こりかねないことがわかった。妻がホストにハマりかけていることに気づいたら、取り返しのつかない事態になる前に手を打って、妻の目を覚まさせなければならない。
また、ホストと一線を越えてしまっているのではないかという疑いを抱いているのであれば、早急にその事実を明らかにし、不倫関係を清算させるか法的手段に訴える必要がある。妻の暴走を阻止し、家庭崩壊を回避するためにやるべきことを紹介する。
家族のコミュニケーションを取る
最初の章でお伝えしたように、ホストクラブにハマる女性には、家庭や夫に対する不満や寂しさから店に通い始めたという人も多い。仕事にかまけて家事・育児を妻に全部押し付けたり、悩み事があるのに話を聞くこともせずにほったらかしたりすれば、妻の心が離れていくのも無理はない。夫婦関係を修復するためには、日頃からコミュニケーションを取る機会を設け、妻の言葉に耳を傾けることが必要だ。
また、妻に愛情や感謝の言葉を伝える努力もしよう。言葉にしなければ、気持ちは伝わらない。たとえ小さなことでも、妻が自分や家族のために何かしてくれたら、「ありがとう」と口にしよう。
一緒に楽しめる趣味を始める
妻が日常に退屈してホストクラブに足を踏み入れたのだとしたら、夫婦で一緒に新しい趣味を始めるのも1つの方法だ。週末に2人でホームシアターを鑑賞したり、食べ歩きやグランピングを楽しむなど、いろいろ試しているうちに、ホスト以外にハマれるものが見つかるかも知れない。
たまには、高級ホテルに泊まって羽を伸ばすのもいいだろう。ホストクラブに通うことを考えれば、その方がよほど安上がりだと、自分が今までつまらない浪費をしてきたことに妻も気づくのではないだろうか。
浮気調査をする
妻がホストと不倫している可能性がある時は、浮気調査をする必要がある。2人が不貞行為を働いていれば、慰謝料を請求することができるが、相手が支払いを拒否して調停や裁判に持ち込まれた場合、不貞行為を立証する法的に有効な証拠を提出しなければならない。法的に有効な証拠とは、例えば妻とホストがラブホテルなどに出入りしているシーンを撮影した写真や映像だ。
また、不貞行為はなくても、妻のホストクラブ通いのせいで家庭生活が破たんしそうな時は、離婚請求ができるが、その場合にも、ホストクラブに通っている回数や頻度、使った金額などを把握しておかなければならない。このような浮気調査や素行調査は、高度なスキルを要するので、探偵社などの調査のプロに任せた方がいいだろう。
カウンセリングを受ける
妻が、どうしてもホストクラブ通いを止められない場合、依存症になっている可能性もある。アルコール中毒と同じように、同じ行為を繰り返してそれに依存するようになると、脳のコントロール機能が弱くなり、自分では止めたいと思っているのに止められない状態になってしまう。
依存症は、本人や家族の力だけでは改善できないケースが多いので、依存症の専門医のカウンセリングを受けることをおすすめしたい。また、ホストクラブに行けないように、家族がお金やカードを管理したり、借金を重ねないようにするために「貸付自粛制度」などを利用するといったサポートも考えよう。
慰謝料を取って別れる
調査でつかんだ不倫の証拠は、夫婦関係の修復にも役立つ。動かぬ証拠を突きつければ、妻も自分の過ちを認めざるを得なくなるため、夫婦の今後について前向きに話し合う準備ができる。
しかし、事が明るみに出たあとも、妻がホストとの不倫を続けたり、ホストに貢ぐのを止めないようであれば、離婚も考えた方がいいだろう。妻を放置しておくと、貯金を使い込まれた上に、借金まで背負うことになりかねない。自分や子供の生活を守るために、早く手を打ち、慰謝料を取って離婚するのも選択肢の1つだ。
まとめ
ホストクラブは、男性にとってのキャバクラと同じで、日常を忘れて異性との交流を楽しめる場所であり、そこで日ごろのストレスや欲求不満を解消する既婚女性も増えてきている。もちろん、ホストクラブをほどほどに楽しむ分には特に問題はないだろうが、ホストにハマって抜け出せなくなる「ホス狂」になってしまうと、借金地獄に陥る危険性が出てくる。 また、ホストクラブ通いを続けるうちに店員と客ではなく、男女の関係になってしまうことも考えられる。ただの接客なら、妻やホストに法的責任を問うことはできないが、肉体関係を伴う「不貞行為」があれば、両者に慰謝料を請求できるし、ホスト狂いのせいで家庭が崩壊したのなら、不貞行為の有無にかかわらず慰謝料や離婚の請求が認められる可能性がある。 しかし、法的手段に訴えるためには、ホストとの不貞行為などを裏づける証拠が必要だ。確実な証拠があれば、裁判で使えるだけでなく、夫婦関係を修復するのにも役立つので、妻のホストクラブ通いが激しくなっていると感じたら、すぐに証拠集めを始めよう。
監修者プロフィール
伊倉総合法律事務所
代表弁護士 伊倉 吉宣
- 2001年11月
- 司法書士試験合格
- 2002年3月
- 法政大学法学部法律学科卒業
- 2004年4月
- 中央大学法科大学院入学
- 2006年3月
- 中央大学法科大学院卒業
- 2006年9月
- 司法試験合格
- 2007年12月
- 弁護士登録(新60期)
- 2008年1月
- AZX総合法律事務所入所
- 2010年5月
- 平河総合法律事務所
(現カイロス総合法律事務所)
入所
- 2013年2月
- 伊倉総合法律事務所開設
- 2015年12月
- 株式会社Waqoo
社外監査役に就任(現任)
- 2016年12月
- 株式会社サイバーセキュリティクラウド
社外取締役に就任(現任)
- 2020年3月
- 社外取締役を務める株式会社サイバーセキュリティクラウドが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
- 2020年10月
- 株式会社Bsmo
社外監査役に就任(現任)
- 2021年6月
- 社外監査役を務める株式会社Waqooが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
- 2022年4月
- HRクラウド株式会社、
社外監査役に就任(現任)
※2023年11月16日現在
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