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その他国際結婚が破たん! 離婚原因と手続きの注意点は?

割れたハートと新郎新婦の人形

2015年の国勢調査によると、日本国内に常住する夫婦の総数は2,987万9千組で、外国人を含む夫婦はその約2%に当たる58万9千組となっている。また、2019年の人口動態調査では、「夫妻の一方が外国人」の婚姻件数は年間2万1,919組で、全婚姻件数に占める国際結婚の割合が5.6%となった。 このうち「妻が日本人・夫が外国人」のカップルでは、夫の国籍に多いのが、韓国・朝鮮、アメリカ、中国、ブラジル、フィリピン、イギリス、ペルー、タイで、「夫が日本人・妻が外国人」のカップルの妻の国籍は、中国、フィリピン、韓国・朝鮮、タイ、ブラジル、アメリカ、ペルー、イギリスの順。2012年以降、日本人同士の婚姻件数が減少しているのに対し、国際結婚は緩やかに増加しており、少子化が進む日本にとってはプラス要因にもなるだろう。 一方、2019年の「夫妻の一方が外国人」の離婚件数を見ると10,647件で、離婚率は日本人同士の夫妻と比較すると、若干高い数字になっている。日本人同士の結婚に比べ、国際結婚には言葉や文化の違いなど、乗り越えなければならない壁も多い。国際カップルの離婚の原因や、離婚することになった場合の手続き、気をつけなければいけないトラブルなどについて解説する。

国際カップルの離婚の理由

2019年の国際離婚の国別の件数を見ると、「妻が日本人・夫が外国人」カップルの夫の国籍は、韓国・朝鮮、中国、アメリカ、フィリピン、ブラジル、イギリス、ペルー、タイの順に多く、「夫が日本人・妻が外国人」カップルの妻の国籍は、中国、フィリピン、韓国・朝鮮、タイ、ブラジル、アメリカ、ペルー、イギリスの順になっている。離婚の原因の上位に挙げられているのは、日本人夫婦の離婚原因と同様に、性格の不一致や浮気、DV、浪費などだが、文化や価値観の違いからくるものもやはり多い。国際カップルの離婚の原因を具体的に見ていこう。

国内外共通の離婚原因

国際離婚に関する司法統計データによると、国際離婚の原因では、「性格の不一致」が最も多く、以下、「浮気」「DV」「浪費」「生活費を渡さない」などが続いている。この傾向は、日本人夫婦の離婚原因とほぼ変わらない。性格の不一致は、もともと性格が異なる人間同士が結婚するのだから当然起こりうることだ。結婚当初はお互いの性格の違いを楽しんでいたのが、時間が経つにつれ、相手の性格が嫌になり、やることなすことすべて気に入らなくなる夫婦もいる。また、それがストレスになり、浮気に走るケースもあるのだ。

DVは、被害者が精神的ダメージを受け、平穏な家庭を築くこともできなくなるため、破局に向かいやすい。パートナーが浪費したり、生活費を渡さなかったりする場合も、生計を立てられなくなり、夫婦生活を維持できなくなるリスクが高まる。

文化の違い

国際結婚ならではの問題として取り上げられるのが、文化の違いだ。生まれ育った国が違えば、物の見方や習慣も違ってくるし、長い間に体にしみ込んだものを変えるのは簡単なことではない。日本人なら当たり前と思っている風習やマナーが、相手にとってはまったく意味不明というケースも少なくないのだ。また、宗教も大きな障壁にあることがある。宗教に厚い信仰を持っている外国人も多いため、それを軽視したり、戒律に背くような行為をすると深刻なトラブルを招く恐れもある。お互いの文化や宗教を理解し、相手の気持ちを尊重する姿勢がなければ、結婚生活は長続きしないだろう。

仕事やお金についての考え方の違い

日本人は、よく働く民族であり、真面目に働いてしっかり貯金している人が立派な人だと評価される。しかし、この価値観が、どこの国でも通用するとは限らない。仕事より個人の幸せを優先する民族も多く、ある程度お金を稼いだら、貯蓄に回すことなく遊びに使ってしまう人もいる。さらに、「お金持ちは仕事をしない」という国柄の人は、奥さんに生活に困らないだけの稼ぎがあれば、自分は毎日ブラブラしているだけということになる。また、お金に関する考え方も国によって大きく異なる。

お金があるなら、家族だけでなく親族も養うのが当たり前、という国の人だと、稼いだお金をほとんど母国に送金してしまうケースもあるため、自分の子供の将来のことも含め、きちんと話し合う必要がある。

言葉の壁

違う国の者同士が結婚するのであれば、当然相手の国の言葉を学ぼうとするだろうが、どんなに上手くなったと思っても、その言葉の持つ微妙なニュアンスまで完全に理解し、使いこなすのは難しいかもしれない。言葉の成り立ちには、その国の歴史や文化も深く関わっているからだ。特に自分が悲しい時や怒っている時に、その気持ちを相手の母国語で伝えることに抵抗を感じる人も多いだろう。

また、本人同士は会話に不便を感じなくても、周りの人はそういうわけにはいかない。両親や親せき、自分の友人たちがパートナーの母国語を話せなければコミュニケーションを取ることができず、パートナーが疎外感を感じるようになっていく可能性も十分にある。

性の不一致

日本人の場合、妻の出産を機にセックスレスになることも珍しくないが、国際結婚の場合、セックスレスが重大な問題になることもある。欧米では、親子関係と同等に夫婦の時間や関係を重視し、結婚して何年経っても、毎日ハグやキスをするなど、スキンシップを欠かさない。当然、セックスに関しても、夫婦の愛情を確かめるために必要な行為だと思っているし、平均的な日本人より性欲が強い外国人も少なくない。

そのため、自分が求めてもパートナーにいつも拒まれていると、フラストレーションが溜まるだけでなく、「自分への愛情が冷めたのではないか」と悩むようになる可能性もある。そして、自分の欲求を満たしてくれる相手のもとに行ってしまうかも知れないのだ。

母国に行くのが大変

自分の親兄弟を大切にし、年に何回か実家に一族で集まることを慣例にしている外国人も多い。その際、パートナーの母国が日本に近い場所ならいいが、非常に遠くにある場合、旅費がかさみ、旅行期間も長くなってしまう。そのため、パートナーがあまり頻繁に母国に帰りたがるようだと、家計や家族生活に負担がかかりすぎ、夫婦関係にヒビが入る恐れもある。

また、日本でパートナーと付き合い始め、日本で結婚し、いつまでも日本で暮らせると思っていたのが、そうはいかなくなるケースも出てくる。例えば、パートナーの親兄弟に何かがあって、母国に移住しなければならなくなった時、異国での生活に馴染むことができず、離婚に至ったという人もいるのだ。

食生活の違い

結婚生活を続ける上で、食の好みも重要な要素になる。日本人なら当たり前のように食べているものが外国人には受け入れられないことがあるし、もちろんその逆も考えられる。例えば、辛い物が苦手なのに、毎回、辛い料理ばかり食卓に出さなければならなくなると、食事の時間が苦痛になってしまうかも知れない。また、宗教上の理由で、特定の食材を使えない場合もある。

ヒンドゥー教では牛が神聖視されているため、牛肉を食べない。イスラム教では豚が禁忌で、豚肉だけでなく、豚から作られた調味料なども口にできないため、ラーメン店にも行けないことがある。他に採食主義の民族などもいて、その食生活に合わせることができなければ、家族が別々の食事をとらなければならなくなり、家族生活が上手くいかなくなる原因にもなり得る。

子供の教育問題

国際カップルの場合、子供の教育方針の違いが離婚の原因になることも多い。国によって教育システムや教育に対する考え方が大きく異なることがあるため、教育方針に関して意見がぶつかる確率は高い。そして、どちらも自分が受けた教育への愛着やこだわりがあるので互いに譲らず、離婚問題にまで発展してしまうことがあるのだ。

ここまでいくつか離婚原因を見てきたが、その根本に相手に対する理解不足やコミュニケーション不足がある場合も少なくない。そして、気持ちのすれ違いが深刻化すると、浮気や離婚まで考えるようになってしまう。出身国が異なれば、身につけた文化や習慣が違うのは当然のことだ。それを、無理に一方のスタイルに合わせようとするのではなく、いいとこ取りをして夫婦で新しい文化を築いていく心構えが必要だろう。

国際離婚の手続き

ガラスの地球儀

国籍の壁を乗り越えようとお互い努力したが実らず、どうしても離婚せざるを得なくなるケースも出てくる。しかし、その際、日本人夫婦が離婚するのとは同じようにいかず、パートナーの国籍やどこに住んでいるかなどによって手続きが違ってくることもある。日本の法律が適用される事例のほか、アメリカ、中国、韓国、フィリピン、タイの事例をピックアップする。

国際離婚とは

国際離婚とは、「国籍が違う人同士の離婚や、自国と異なる国で行う離婚」のことを言う。従って、日本人夫婦が海外で離婚しても国際離婚になるわけだが、その場合、適用されるのは日本の法律だ。しかし、国際カップルの場合は、どこに住んでいるかで適用される法律が違ってくる。まず、夫婦が日本に住んでいて、日本で離婚する時や、日本人配偶者が日本に帰国し、海外在住の外国人配偶者と離婚する時は、日本法が適用される。一方、夫婦一緒に外国に住んでいる時はその国の法律、夫婦それぞれ別の国に住んでいる時は、夫婦に最も密接な関係のある国の法律が適用されることになっている。

日本

日本法による離婚の手続きには、「協議離婚」「調停離婚」「審判離婚」「裁判離婚」の4種類がある。協議離婚は、夫婦で話し合い、離婚に合意する方法で、離婚届を役所に提出すれば離婚が成立する。ただし、配偶者の母国でも婚姻届を出している場合は、相手国での離婚手続も必要となる。協議離婚ができなかった時は、家庭裁判所に調停離婚を申し立て、調停委員の仲介により、合意を目指す。それでも合意が得られない場合、調停委員の意見や夫婦の主張をもとに、裁判官が職権で離婚の審判をする審判離婚になることもあるが、実際にこの方法が採用されるのはレアケースだ。多くの場合は、離婚訴訟を起こして裁判で決着をつける裁判離婚に持ち込まれることになる。

アメリカ

アメリカでの離婚手続きが必要な場合、アメリカの州法が適用されることになる。アメリカの法律は、州によって異なるため、離婚の要件や費用、手続きの方法も州ごとに違ってくるのだ。また、アメリカでは、基本的に協議離婚は認められておらず、離婚するためには裁判所を通さなければならない。従って、離婚手続きを行うに当っては、大使館領事部に問い合わせる、当該州の実務に精通した弁護士を雇うといった準備が必要になってくる。

中国

中国の場合、中国国内で外国人と結婚することが「国際結婚」であり、海外での結婚は含まれていない。そのため、「国際離婚」も中国国内で離婚手続きを行うことのみを指し、海外で離婚しても離婚したことにはならない。中国で離婚する際は、「婚姻登記機関」という場所に行って手続きを行う。離婚については、中華人民共和国婚姻法に定められており、裁判離婚のほかに協議離婚も認められている。台湾も同様だ。しかし、少数民族に関する自治区条例や慣習法、軍人や公務員に関する特定法なども存在するため、手続きの詳細については法律の専門家に確認した方がいい。

韓国

韓国法でも、日本と同様に協議離婚、調停離婚、裁判離婚が認められている。しかし、日本国内での離婚手続きとは異なるため、まずは日本の役所に離婚の届出をした後、離婚受理証明書や婚姻関係証明書、家族関係証明書などを揃えて韓国領事館か大使館に申請を行わなければならない。なお、在日韓国人同士の離婚については、韓国法が適用される。その際、協議離婚を選ぶと、韓国領事館か大使館で面談し、離婚の意思確認を受けることが必要になる。 そこでの事情聴取を基に「陳述要旨書」が作成され、それがソウル家庭法院に送られて、一定期間が経過した後、再び離婚の意思確認が行われる。このように、協議離婚には長い時間がかかるため、より手続きが簡単な調停離婚を選ぶカップルも多い。

フィリピン

フィリピンには宗教的な理由から、離婚という制度自体がない。そのため、フィリピン人と結婚し、離婚する時は日本で手続きをするだけで離婚が成立するということになる。しかし、それがフィリピンにおいても認められたかといえば、そうではなく、フィリピンではまだ婚姻関係が続いている形になっている。問題になるのは、再婚する時だ。前の婚姻関係が続いている状態で再婚すると、重婚になってしまう恐れがある。フィリピン人が離婚の承認を受けるためには、フィリピンの裁判所で手続きを行い、独身であることを証明する婚姻要件具備証明書を発行してもらわなければならない。

タイ

タイにおける離婚制度では,婚姻手続きを日本とタイ、どちらで行ったのか、居住地が日本とタイのどちらにあるのかによって手続きが4パターンに分れる。

  1. 日本で婚姻手続きを行い、居住地が日本の場合、まず日本で離婚手続きを行い、続いてタイで手続きする。
  2. 日本で婚姻手続きを行い、居住地がタイの場合、住民票を日本に移して日本の住所を取得してから、日本で離婚手続きをした後、タイで手続きをする。
  3. タイで婚姻手続きを行い、居住地が日本の場合、日本で離婚手続きをしてからタイで出続きする。
  4. タイで婚姻手続きを行い、居住地がタイの場合、タイで離婚手続きをしてから日本で手続きする。

いずれにしろ、両国で手続きを行わなければならないため、手間と費用がかかるのは覚悟しなければならない。

国際離婚で注意すべきポイント

離婚届とハンコ

国際離婚の場合、たとえ日本法が適用されて日本で離婚手続きができるとしても、すべて日本人夫婦の離婚と同じようにいくとは限らない。慰謝料などの請求の権利が日本とは違っていたり、日本での手続きに加えて外国での手続きが必要になる場合もあるため、知識をしっかり身につけ、漏れのないように離婚手続きを進める必要がある。

そもそも結婚が成立していない

国際結婚では、自分の国でだけ結婚が成立していて、パートナーの国では結婚が成立していないという状況が起こり得る。先ほど取り上げた中国の例では、中国国内で結婚の手続きをしない限り、国際結婚とは認められない。日本でだけ婚姻届けを出しても、中国では内縁関係の扱いになってしまう。従って、離婚する際も中国に行く必要はなく、日本でのみ手続きをすればいいことになるが、中国でも正式な夫婦として扱われたいのであれば、結婚時に中国で手続きをしておかなくてはならない。

手続きが両方の国で必要なケース

両方の国で結婚が成立している場合、離婚手続きを両国で行わなければならない。例えば、日本人と外国人パートナーが離婚した場合、日本だけで手続きをして、パートナーの母国で手続きをしなければ、母国では婚姻状態が継続していることになる。そして、その後パートナーが母国に帰り、別の人と結婚しようとしても、前の婚姻関係が解消されていないため、再婚が認められなくなるのだ。フィリピンなどは離婚という制度がないが、その場合も、日本人と離婚したフィリピン人が再婚するには、本国で婚姻要件具備証明書を発行してもらい、独身であることを証明しなければならない。また、その手続きが終わらないまま、別れた日本人が別のフィリピン人と結婚すると、重婚扱いになってしまうので注意が必要だ。

慰謝料の請求

日本では、パートナーの浮気などが原因で夫婦生活が破たんし、離婚に至った場合、パートナーと浮気相手に慰謝料を請求することができる。従って、日本で離婚をする際には、慰謝料請求の協議や手続きについての知識を身につけておく必要がある。また、中国や韓国では、協議離婚の場合は慰謝料を請求できないものの、浮気が原因で離婚裁判になった場合は、精神的苦痛を受けた被害者が、パートナーに対して損害賠償請求をすることができる。

ただし、パートナーに対する慰謝料請求や損害賠償請求を認める国はあっても、浮気相手に対する請求まで認めている国はほとんどない。理由はまちまちだが、日本では「浮気によって夫婦生活が破たんした」と考えるのに対し、海外では「不倫をした時点で、すでに夫婦生活は破綻していた」と考える国も多い。さらに、ドイツなど、そもそも浮気に対する慰謝料の規定さえない国もある。

まず証拠をつかんでおくこと

パートナーや浮気相手から慰謝料を取るためには、まず浮気が行われたことを裏づける確実な証拠を手に入れておかなければならない。証拠が十分に揃っていない状態だと、離婚協議や浮気相手との交渉の際に、浮気していたことを認めず、水掛け論に終わってしまうリスクがある。また、慰謝料の支払いや離婚することをパートナーが拒否し、裁判に持ち込まれた場合、浮気を立証する法的に有効な証拠があれば、慰謝料請求や離婚請求が通りやすく、判決が下れば相手はそれに従わざるを得なくなる。

法的に有効な証拠とは、パートナーと浮気相手がラブホテルに出入りするシーンを写真や動画で記録したものなどだが、一般の人がその作業を行うのは容易ではない。相手に気づかれるリスクの高さも考慮するなら、探偵社などの浮気調査のプロを活用し、秘密裏に尾行や張り込みを行う方が、決定的な証拠を手に入れやすいだろう。

親権はどちらが取るか

離婚する際、夫婦のどちらが親権を取るかも大きな問題となる。国際離婚で日本法が適用される場合は、夫婦のどちらか一方が親権を取ることになっている(単独親権)。そのため、協議離婚では、親権者を決めるための話し合いが行われ、そこで話がまとまらなければ調停や裁判で決着をつけることになる。裁判では、どちらを親権者にした方が子供の利益になるかという観点から決定が下されるが、子供が幼いほど母親に有利と言われている。

一方、欧米諸国では、離婚後も両方の親が親権を持つ「共同親権」を採用している国も多い。単独親権にすると、親権のない親が子供に関わることができなくなるため、親権争いが激しくなるという問題も起きるからだ。子供がいる夫婦は、どの国の法律が適用されるのか、きちんと確認し、共同親権になる場合は、離婚後も元パートナーと連絡を取り合って、子供を育てていかなければならない。

子供の国籍

国際結婚では、子供の国籍も問題になる。日本法では、両親のどちらかが日本人であれば、出産後3カ月以内に役所へ出生届を提出することで日本国籍を取得できる。しかし、外国人パートナーの母国法が、生まれた子供に自動的に国籍を与える仕組みになっていると、子供は二重国籍になってしまう。日本では二重国籍を認めていないため、相手国も同じ制度だと、どちらかの国籍を選ばなければならなくなる。

そこで、子供が二重国籍になる可能性がある場合は、出生届を出す時に、「国籍留保」の手続きをしておくという方法がある。それによって、子供は22歳になるまでに、自分で国籍を選択することができるようになるのだ。なお、国によっては二重国籍を認めているところもあるが、その場合は、日本国籍を選択しておけば相手国に行った時にその国籍も使えるので問題はない。

養育費などについて

養育費を決める際も、どこの国の法律が適用されるかが問題となる。基本的には、子供が長く住んでいる国の法律が適用されるので、子供が日本で生まれ育ったのであれば、適用されるのは日本法だ。日本法では、夫婦が協議をして養育費について取り決めをすることになっており、合意できなければ調停や訴訟に持ち込むこともできる。国際離婚の場合、母国に帰った相手の収入が大きく変動する可能性もあるので、そうした事情も考慮しながら金額を決める必要がある。また、子供がいなくても、離婚後のパートナーの生活をサポートするために、収入の多い方が少ない方にお金を渡す補償制度を設けている国もある。どんな制度があるのかよく確認し、手続きを進めよう。

離婚の際のトラブル

離婚届と×マーク

日本では、浮気が原因で夫婦関係が破たんした場合は、離婚が認められやすくなっている。しかし、国際結婚の場合、パートナーの国の法律や宗教的理由で簡単に離婚できないこともある。さらに、パートナーが母国に逃げてしまうなどして、離婚が成立しなかったり、もらえるはずのお金が受け取れなかったりするケースも少なくない。離婚の際に起きやすいトラブルを紹介する。

簡単に離婚できない国もある

日本とパートナーの母国の両方で結婚の手続きをした場合、離婚の際にも両国で手続きを行う必要があるが、パートナーの母国での手続きが簡単にはいかないことがある。フィリピンもそうだが、イタリア、フランス、ベルギー、スペインなどのカトリックの国では、教会が離婚というものを認めておらず、戸籍上の離婚は黙認したとしても、その後教会で再婚の挙式などを挙げられなくなる可能性がある。また、手続きが複雑で、離婚するまでに時間がかかることも考えられる。例えば、イタリアで離婚しようとすると、まず裁判所に申請をして半年間の別居生活をしなければならず、別居期間終了後に改めて裁判所で協議離婚、あるいは裁判離婚の段取りを進めるため、離婚成立までに長期間を要することになる。

離婚手続きが妨害される

国際結婚をすると、外国人パートナーは「日本人の配偶者等」の在留資格で日本で暮らすことになるが、日本で離婚が成立した場合、ビザの更新ができなくなるため、「定住者」などの在留資格に変更しなければならなくなる。しかし、結婚生活が短かったりすると、「定住者」の資格が得られず、帰国しなければならないケースも出てくる。パートナーが、経済力のない国から来た外国人だった場合、日本で働いて稼ぐことを保証してくれる在留資格を失うことは、大きな痛手だろう。

そのため、結婚生活が上手くいかなくなり、日本人配偶者が別れ話を切り出すと、相手に拒否されることも考えられる。もちろん、パートナーの浮気の事実などが明らかなら、裁判によって離婚できるが、ビザの失効を恐れて、離婚が成立する前に相手が行方をくらましてしまう危険性もある。

親権を巡るトラブル

「共同親権」が認められていない日本では、離婚の際に親権を巡るトラブルがよく起きる。特に、国際離婚の場合、一方が帰国し、離れ離れに暮らすことになると、子供になかなか会えなくなるため、親権争いが激しさを増す。また、中には、未成年の子供がいるとビザの取得が容易になるという理由から、親権を取ることに固執するケースもある。そして、親権者になれなかったり、調停や裁判が長引いたりするうちに、相手が子供を母国に連れ帰ってしまう恐れがある。

その場合は、子供の連れ去りを禁じる「ハーグ条約」に基づき、外務省を通じて相手国に子供の返還を要求することもできるが、裁判は相手国で行われるため、返還は困難を極める。さらに、ハーグ条約では、「子の連れ去りから1年以上経過し、子が新たな環境に適応している」場合には返還を認めないなどの例外規定もあるため要注意だ。

慰謝料や教育費の不払い

日本法では、浮気が原因で離婚に至った場合、パートナーにも浮気相手にも慰謝料を請求できることになっている。たとえパートナーが外国人であっても、浮気相手が外国人であっても、日本にいる限り、その原則は変わらない。しかし、請求が認められる前に相手が帰国してしまい、その国に慰謝料の規定がない国だと慰謝料を支払わせるのは非常に難しくなる。そのため、慰謝料の請求に当っては、浮気調査のプロを使って、相手に気づかれないうちに浮気を立証する証拠を速やかに集め、交渉や裁判に臨まなければならない。

また、慰謝料や養育費の支払いについて、相手が合意したとしても、それで安心するのは禁物だ。相手が帰国したあと、不払いになったり、滞ったりするケースが少なくないからだ。そのリスクを避けるため、できれば慰謝料や養育費は分割払いではなく、一括払いにしてもらおう。

まとめ

国柄が異なる者同士が生活を営む国際結婚では、価値観や考え方の食い違いから夫婦関係が上手くいかなくなるケースも少なくない。お互い努力したにもかかわらず、夫婦生活を維持できなくなった時は、やむなく離婚を決断することになるが、その手続きは日本人夫婦の離婚手続きとは異なる場合がある。宗教上の理由で簡単に離婚できない国や、慰謝料の請求が認められない国もあるし、パートナーが逃げてしまって慰謝料を取れなかったり、子供に会えなくなったりしいてしまうリスクもある。自分や子供が泣き寝入りしなくて済むように、前々から法的知識を身につけて、しっかり準備を進めておきたい。

  • 夫の浮気チェック
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