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浮気/不倫の調査不倫の慰謝料請求に必要な証拠は?法的に有効な証拠と集め方

不倫の証拠を突きつけられ動揺する男性

既婚者のなかには、パートナーの言動が怪しいと感じて「不倫をしているのではないか」と疑っている人もいるだろう。もしパートナーが不倫の事実を認めなければ、こちらが不倫をしていることを証明しなければならない。しかし、どのように証明すればよいのか、また何が証拠として有効なのか分からない人もいるだろう。この記事では、法的に不倫を証明できる証拠や方法について詳しく解説する。

1.なぜ証拠を揃えた方がいいのか

パートナーの不倫の事実を証明したいなら、証拠を揃えることから始める必要がある。ここでは、なぜ証拠を集めるべきなのかという点について紹介する。

1-1.夫婦関係のやり直しに役立つ

不倫の証拠を集めるというと「離婚や慰謝料を請求する際に使うのだろう」と考える人が多い。しかし、夫婦関係を再構築したいときにも、不倫の証拠が必要になるケースはあるのだ。既婚者の不倫は、決して許されることではない。しかし、既婚者であっても、軽い気持ちから不倫に走ってしまう人は意外と多いのが実情だ。もし軽い気の緩みで不倫に及んでしまったのが本心であったのなら、パートナーが後悔して謝罪をし、「もう一度やり直したい」と関係の修復を望む場合もあるだろう。お互いが冷静になってきちんとした話し合いをするためにも、まずはパートナーに言い逃れをさせないような証拠が必要になってくるのだ。

反対に、不倫をしたというたしかな証拠がなければ、絶対に不倫を認めないという人もいる。不倫を認めず、言い逃れをされてしまった場合、片方が「夫婦関係をやり直そう」と思っていても関係がこじれてしまうケースも多い。万が一、不倫をした本人が「証拠がない」ということを理由にして、不倫をした事実をうやむやにしてしまったのなら、夫婦関係が冷え切った状態のまま毎日を過ごすことにもなりかねない。パートナーの不倫を許したうえで夫婦関係を続けるのであれば、たしかな証拠を集めてから話し合いをするという手順を踏むことが大切だ。

1-2.自分からの離婚請求が認められやすくなる

一度結婚すると、誰でも簡単に離婚することはできない。離婚をする場合は、相手が離婚に同意する必要があるのだ。万が一、条件面などで折り合いがつかなかったり、相手が「絶対に離婚には応じない」という態度を示したりしているときには、裁判で離婚請求を認めてもらう必要がある。裁判では、一方が不貞行為をしたことによって夫婦関係が破綻したという事実が分かると、離婚の請求が通りやすくなる。裁判離婚をするためには、離婚事由が必要である。不倫は夫婦関係を破綻させ得る離婚事由となるため、たしかな証拠を集めることができれば、自分からの離婚請求は認められる可能性が高くなるのだ。

1-3.パートナーからの離婚請求が認められにくくなる

パートナーが不倫したにもかかわらず、離婚をした本人が離婚を請求してくるケースもある。これは非常に身勝手なことであるため、不倫をされた側としては納得できないという人がほとんどだろう。法律も不貞行為者の身勝手は許していない。これを「有責配偶者からの離婚請求」という。有責配偶者とは、不貞行為によって離婚の原因を作った夫や妻のことを指している。基本的には、有責配偶者からの離婚請求は認められにくい傾向にある。

ただし、「長期間別居をしている」や「夫婦の間に小さな子どもがいない」などの条件を満たしている場合は、離婚が認められるケースもある。しかしながら、不倫をした側からの離婚請求はあまりにも理不尽であるため、たしかな証拠があると不倫をされた側の立場は有利になる。このように、しっかりと証拠を示すことができれば、パートナーからの勝手な離婚請求は認められなくなるのだ。

1-4.パートナーや不倫相手に慰謝料を請求できる

慰謝料請求のイメージ

パートナーが不倫をした場合、慰謝料の請求ができる相手はパートナーだけではない。不倫の証拠があると、パートナーと不倫相手の両方に慰謝料を請求することが可能である。なぜなら、不倫を理由に慰謝料を請求することについては、民法第709条の「不法行為による損害賠償請求権」において認められているからである。不倫は、民法では不法行為に相当すると定められている。

パートナーが不倫をすると、配偶者の妻(または夫)としての権利を侵害されたということになるため、場合によっては50万~300万円程度の慰謝料を請求することができある。ただし、自分が何も証拠を持っておらず、パートナーも不倫を認めないときには、慰謝料請求は認められにくい。このように、パートナーや不倫相手に対して慰謝料請求を視野に入れているのであれば、裁判においても有効だと認められやすい証拠を集めておく必要があるのだ。

2.証拠がなくても不倫相手に訴訟は可能だが・・・

パートナーの言動が怪しく、何となく「不倫をしているのではないか」と考えている場合でも、不倫相手に対して訴訟を起こすことは可能である。しかし、確固たる証拠がないまま不倫相手に訴訟を起こしたとしても、勝てる可能性は非常に低いと考えるのが無難だ。パートナーの不倫で悩んでいる人のなかには、訴訟を起こさないにしても、精神的な苦痛に対する慰謝料請求をしたいという人も少なくないだろう。このような場合においては、訴訟を起こさなくても、内容証明郵便を使うことによって慰謝料請求は可能である。

しかしながら、実際は不倫をしていないにもかかわらず、誤って慰謝料を請求してしまった場合には、不倫相手だと勘違いをしていた相手から逆に訴えられる恐れもあるので注意が必要だ。また、本当に不倫をしていた場合でも、こちらが証拠を集めようとしているなど、何らかのアクションを起こしていることに気が付くと、パートナーや不倫相手に警戒されてしまう可能性が高い。警戒されてしまうと、証拠を隠蔽しようとしたり、「しばらく会うのはやめよう」などと口裏合わせをされたりするなど、不倫の証拠を極力残さないように気を付けるものである。そうなると、証拠を集めること自体が難しくなってくる。

パートナーが不倫をしたという事実があったとき、慰謝料の請求を考えているなら、裁判で有効だと認められる明確な証拠を最初に集めておくことが必要になる。ただし、慰謝料の請求は裁判だけでしか認められないというわけではない。収集したできるだけ多くの証拠を強引に突き付けて、書面上で不倫をしたと認めさせるという方法もある。この方法をとるなら、パートナーとその不倫相手に相談する時間を与えないように気を付けなければならない。しかし、この方法は博打的なものであり、最後まで相手が不倫の事実を認めなければ無駄になってしまう恐れもあると理解しておくことが大切だ。

3.裁判で有効だと認められやすい証拠

次に、法的に有効だと認められやすい証拠について紹介する。

3-1.肉体関係を確認・推認可能な現場の写真

裁判では、パートナーと不倫相手の肉体関係を確認、または推認可能な現場の写真があれば、証拠として使うことができる。まず、性行為の様子を収めた写真については、不倫の証拠として認められやすい。しかし、パートナーと不倫相手が性行為に及んでいるシーンをカメラで直接撮影するのは困難である。次に、ラブホテルや自宅に出入りしている写真も裁判では使える。一般的に、ラブホテルは性行為を行うための場所である、そのため、ラブホテルを利用して、実際は何もせずに寝ていただけでも、2人の間に肉体関係はあったものとして扱われる可能性が非常に高いのだ。ただし、ビジネスホテルを利用して不倫をしている場合は、2人が同室であったことを証明しなければならない。

ラブホテルに出入りしているときなどの写真を証拠とする際には、「2人の顔や姿がはっきりと写っており、判別可能であるか」や「ホテルなどの建物から出てくる瞬間から撮影できているか」という点が重要になる。2人がラブホテルから出てくる瞬間を収めた写真であっても、画像が悪いなどの理由で誰が写っているのか判別できないような写真については、裁判で証拠として使えないと考えておいたほうが良いだろう。

ラブホテルなどは不倫の温床となる場所であり、このような場所への出入りが確認できたとしても、まだ言い逃れをする可能性は残っている。そこで、2人が不倫関係にあることを証明するために、ラブホテルに出入りするシーンだけでなく、手をつないでデートをしたり、キスをしたりしているシーンなども合わせて撮影しておき、証拠として組み合わせていくという方法もある。このように、より多くの証拠を集めておけば、言い逃れをすること自体が難しくなるのだ。

3-2.動画

実際の不倫調査の現場では、写真よりも動画撮影のほうが増えつつある。これは、写真と比較すると、動画のほうが証拠として有利であるということを意味している。写真はその時々を瞬間的にとらえたものであるため、前後関係がはっきりとしないことから、証拠として使った場合、相手に言い逃れをする隙を与えてしまうケースもある。一方、動画の場合は2人の一連の行動を時系列で収めることができるので、証拠能力が高いと判断されやすい。

たとえば、動画の撮影をしておけば、ラブホテルや不倫相手の自宅などに出入りする様子がわかるのはもちろんのこと、撮影時間もはっきりとしてくるため、滞在時間も明確に示すことができる。ただし、裁判では、書面にした参考資料を用いることになる。そのため、動画を実際に再生してそれぞれのシーンを細かく確認することはしない。しかし、動画を撮影しておけば写真を切り出すことも可能なので、動画の撮影のみでも決定的な証拠が確保できる可能性は十分にある。

また、証拠として写真や動画を使う場合は、ふたつの共通する点についても把握しておくことが大切だ。まず、動画も写真も、1人で集める証拠としては難易度が高いものに分類される。技術や知識を持たない素人が、ターゲットに気付かれないように尾行をして撮影するのは非常に難しいのだ。次に、動画・写真のどちらも、パートナーと不倫相手の顔がはっきりとわかるようにするために、どこに位置取りをするかが重要になる。不倫の調査では尾行調査が行われるケースが多い。ターゲットを尾行する場合は、基本的には後ろ姿しか見られないので、正面や斜め前から撮影できる可能性は限りなく低いのだ。

加えて、不倫相手と密会するのは、仕事終わりなどの夜がほとんどである。暗いところでターゲットの顔をはっきりと撮影をするのは、安価なカメラでは難しく、容易なことではない。ターゲットの顔まで鮮明に写った写真や動画を残したいなら、質の良いカメラやビデオカメラが必要だ。さらに、調査を探偵事務所などに依頼する場合は、調査団として複数人でチームを組むのが一般的である。しかし、たった1人で撮影を行うのであれば、位置取りに細心の注意を払うことが欠かせない。1人で調査をするとターゲットを見失ったり、気付かれたりするリスクがあるため、調査としては非常に難易度が高いのである。

3-3.LINEやメール

メール受信のイメージ

パートナーと不倫相手のLINEやメールのやり取りも、証拠として使える可能性がある。しかし、やり取りの一部だけを切り取って証拠としてしまうと言い逃れされやすいという問題がある。加えて、LINEやメールのやり取りだけでは、性行為の内容を確認できるものが少ないため、証拠としては弱いというデメリットもあるのだ。たとえば、メッセージの内容が親し気な文面であったとしても、友達同士でじゃれ合っている可能性もある。そのため、メッセージから2人が親密な関係にあることは予想できたとしても、不貞行為があったとまでは認められにくいのだ。

LINEやメールを証拠として使いたいのであれば、たとえば、「この前一緒に行ったホテルよかったよね」など、ホテルや不倫相手の自宅に宿泊しており、肉体関係があることが分かるものが有効になりやすいという特徴がある。逆に、LINEなどの文章に「愛してる」と書いてある場合でも、そこからは肉体関係を推認することができないため、証拠としては認められにくい。ほかに、「激しかった」などのようなあいまいな表現も、それが性行為に関することとは断定できないため、証拠として認められる可能性は低いのだ。

4.裁判で使えなかったり有利になりにくい証拠

今度は、裁判で使えない証拠や、法的に証拠として認められにくいものについて紹介する。この記事を参考にして、証拠集めをするときには注意しよう。

4-1.不倫を自白した録音・念書

パートナーが不倫をした場合、「もう二度と不倫はしないように」と念書を書かせる人は多いだろう。しかし、不貞行為を認める内容の念書をとっておいたとしても、それは裁判で使えない可能性が高い。ほかに、不倫を自白した録音も、証拠としては有効になりにくいものである。録音や念書は、不倫をした当事者が事実を認めたうえで準備できるものであることから、「これ以上いい逃れできないだろう」というのが一般的な考えである。しかしながら、不倫を自白した録音・念書のみで慰謝料請求を進めることができるのはまれだ。録音や念書があったとしても、その内容を後から撤回してくる人もいるのだ。

また、録音や念書は、「脅されたから不倫をしたと一度は認めたが、不貞行為はなかった」と主張される場合もある。パートナーや不倫相手がこのように主張をしてきた場合は、客観的に見ると苦しい主張であったとしても、すんなりと交渉を進めること自体が難しくなってくる。このような理由から、録音や念書などは、証拠としての能力はそれほど高くはないと考えておく必要がある。慰謝料請求を考えているのであれば、相手がいい逃れできないような確固たる証拠を集めることが大切だ。

4-2.ラブホテルの領収書

ラブホテルの領収書があれば、パートナーと不倫相手が肉体関係を持ったという証拠として認められる可能性が高いと考える人がほとんどだろう。たしかに、ラブホテルの領収書があると、パートナーが、配偶者以外の異性と肉体関係を持ったということが推認できる。しかし、ラブホテルの領収書だけでは、誰と利用したのかまでははっきりとわからない。そのため、領収書単体では証拠としては弱くなってしまうのだ。

ラブホテルの領収書を証拠に使いたいなら、ほかの証拠と組み合わせて使うなどの工夫が必要だ。たとえば、LINEなどでパートナーや不倫相手がラブホテルに宿泊したと分かるやり取りなどを見付けることができれば、領収書と組み合わせて使うことも可能だ。領収書とLINEの日時と照合するなどのことができれば、有効な証拠として使うこともできるのだ。

4-3.移動や食事などの日常的な記録

日常的な記録は、証拠として使えない可能性が高い。たとえば、レストランで食事をしたときの領収書やSuicaの交通記録、ETCカードの履歴などは、単体では不倫の証拠として認められるのは難しい。なぜなら、慰謝料請求は、パートナーと不倫相手との間に肉体関係があったかどうかが問題だからである。そのため、さまざまな記録からパートナーが別の異性と会って食事をしていたとわかっても、それだけでは慰謝料を請求する条件としては不十分と理解しておくことが欠かせない。

4-4.改ざんや編集が疑われるもの

改ざんや編集が疑われるようなものは、証拠として認められにくい。実際は改ざんなどを行っていなかったとしても、加工や編集が容易であるものに関しては証拠で使える可能性が低い。改ざん・編集が疑われるものについては、以下のようなものが挙げられる。

・デジカメで撮影した写真 ・LINEの画面をスクリーンショットしたもの ・加工が可能な音声データ

これらのデータは、自分が有利になるように改ざんする余地があるものである。そのため、ほかの証拠と組み合わせる、または加工が疑われない形で証拠を残す必要がある。たとえば、LINEのやり取りを証拠として使う場合、スクリーンショットは加工が疑われるので、証拠能力としては弱くなってしまう。LINEのやり取りを証拠にしたいなら、パートナーのスマホを本体ごと自分のカメラで撮影すると、改ざんが疑われる可能性が低い。加えて、スマホを本体ごと撮影すると、加工の余地がないというだけでなく、データを転送したという形跡が残るリスクもないため安心である。

4-5.違法なやり方で集めた証拠

盗聴器

パートナーが不倫をしていることに気付くと、冷静ではいられなくものだ。正常な判断ができなくなると、「どんな手段を使ってでも証拠になるものを集めなければ」と躍起になる恐れもある。不倫の証拠を集める手段として、たとえば、パートナーのスマホをチェックしたり、不倫相手と肉体関係を持っている現場を押さえるために盗聴器を仕掛けたりするなどのことをするケースがある。しかし、これらは違法行為にあたるやり方である。違法なやり方で証拠を収集してしまうと、不倫の現場を押さえようとして集めた証拠として認められないだけでなく、逆に訴えられる可能性も出てくるのだ。

これらのことから、自分で証拠を集めるときには、違法なやり方で集めたものではないかどうか気を付ける必要があるのだ。たとえば、パートナーと不倫相手との会話を録音しようとして、盗聴器を仕掛ける場合である。盗聴すること自体は合法だ。しかし、盗聴器を設置するときのやり方を間違えてしまうと、違法行為にあたる恐れがある。盗聴器を仕掛けるときは、家族の車や自宅に設置しても問題はない。しかしながら、不倫相手の敷地に勝手に侵入して盗聴器を設置した場合、それは違法行為にあたる。加えて、パートナーのスマホをのぞくこと自体は合法だが、パートナーのアカウントに自分のPCからログインすると不正アクセス禁止法となり違法である。ほかに、パートナーの同意なしに勝手に浮気防止アプリなどを入れた場合も不正指令電磁的記録共用罪となる。

5.自分で証拠を集める場合の注意点

パートナーが不倫をしている証拠を自分で収集することは可能だ。証拠集めを自分で行うなら、複数の注意点を押さえておく必要がある。まず、素人が自分で証拠を集めると、ターゲットに気付かれる可能性が高い。パートナーの不倫に敏感な人は多く、不倫をしている当事者も「家族に気付かれていないかどうか」という点を気にしている。パートナーが「自分は疑われている」と気付いてしまった場合、不倫相手との関係を清算する人もいるだろう。しかし、なかには周囲の人に気付かれないようにさらに巧妙な手口を使って不倫を続けようとする人もいるのだ。そのため、パートナーの警戒心が高まってしまうと、自分で証拠集めをするのが難しくなってくる。

また、パートナーの不倫に対する慰謝料請求ではなく、夫婦関係の再構築を望んでいるのであれば、不倫調査の一環として証拠集めをしていることが発覚すると、関係が悪化してしまう恐れもある。たとえば、パートナーのスマホを無断で見たとなると、信頼関係は崩れてしまうだろう。加えて、不倫現場まで尾行調査を行っていたことが発覚した場合は、「束縛が激しい」などの理由で気持ちがさらに離れていくこともあるのだ。

さらに、自分で証拠を集めるとなると、専門の知識を持ったプロでなければ、有効な証拠かどうかという点を判断するのが難しい場合がある。苦労して証拠を集めてはみたものの、調停や裁判で使おうとすると有力な証拠とは認めてもらえないケースもある。裁判で証拠として使えないとなると、自分で証拠集めをしたこと自体が無駄になってしまうのだ。有効な証拠を確実に押さえたいときには、素人が証拠集めをしないほうがスムーズに対処できる場合もある。

6.探偵などのプロに依頼するのも1つの手

不倫の証拠集めを自分で行うのは、非常に難しい。そこで、自分1人で不倫の証拠を集めるのが困難だと感じたときには、探偵などプロに依頼するという方法も検討してみる必要がある。探偵などに証拠集めを依頼するメリットとして、法的に有効な証拠を確実に押さえることができるという点が挙げられる。パートナーが不倫をしていると疑っている場合、肉体関係を持っている現場写真やラブホテルの領収書などを証拠として押さえようとする人はたくさんいる。しかし、裁判で使える証拠を押さえるのは、容易なことではない。探偵に依頼したうえで証拠集めをすると、短期間で有効な証拠が収集できる可能性が高いというメリットがある。

また、不倫の証拠を集めるための調査は、尾行調査が中心となるケースが多い。素人が1人で尾行調査を行うのは困難である。探偵に依頼すると、複数人で尾行調査を行うのが一般的だ。複数人で尾行調査を行うと、商業施設や駅など人混みに行ったとしても、ターゲットを見失う心配がない。加えて、尾行をするときは、車を用いるケースもある。ただし、普段から乗っている車で尾行をしてしまうと、パートナーにすぐ気付かれてしまうだろう。探偵事務所に依頼した場合は車を変えて尾行できるので、ターゲットに気付かれずに追跡できる点もメリットである。

7.慰謝料請求の条件

不貞行為を行う男女

パートナーが不倫をしていることに対して慰謝料を請求しようと考えているのであれば、慰謝料請求の条件を把握しておくことが欠かせない。パートナーと不倫相手に慰謝料を支払ってもらいたい場合、慰謝料請求の対象になる行為を正しく理解しておくことが重要である。そのうえで相手に気付かれないよう慎重に使える証拠を確保する必要がある。不貞行為に基づく損害賠償請求ができる不倫とは、一般的に婚姻関係にある夫婦の一方が別の異性と肉体関係を持つことを指している。

逆にいうと、慰謝料請求の対象となる浮気に関しては、肉体関係を持った場合のみである。そのため、パートナーの気持ちが別の異性に引かれていたとしても、肉体関係を持たないプラトニックなものであったときには、慰謝料を請求できる対象ではないのだ。加えて、不倫の証拠を集める場合は、パートナーと不倫相手の肉体関係を確認、あるいは推認できるものに限る。肉体関係が証明できる証拠を集めることは簡単ではない。もし、自分1人で証拠を集めようとしているのであれば、違法行為にあたるやり方にならないように注意が必要だ。

8.不倫相手に慰謝料を請求できないことも

これまで不倫における慰謝料請求の証拠に関しては、パートナーと不倫相手の肉体関係が認められるものであると解説してきた。一般的に、不倫の慰謝料請求は、パートナーと不倫相手の両方に請求することができる。ただし、肉体関係があったとしても、なかにはパートナーの不倫相手に対して慰謝料を請求できるケースと、できないケースがあるのだ。不倫の慰謝料請求をする場合というのは、基本的にはパートナーの不倫相手に故意・過失があることと、不貞行為によって権利の侵害を受けたことが条件となる。

まず、不倫相手に故意・過失があったと認められるのは、「パートナーが既婚者であると知っていた」や「既婚者だと気付く機会があったにもかかわらず、把握していなかった」などの場合である。相手が既婚者だと知りながら肉体関係を持ち続けている場合は、たしかな証拠を提示されると言い逃れはできない可能性が高い。加えて、婚姻関係が破綻していると勘違いしていた場合でも、実は夫婦関係が円満であることに気付く機会があるにもかかわらず知らないふりをして不倫を続けていたら、それは故意・過失があったと判断できるのだ。

一方で、故意・過失があったと認められないのは、出会い系サイトなどでお互いの素性を知らないまま肉体関係を持ったなどのケースである。出会い系サイトなどの利用者は、素性を隠してサービスを利用しているケースが多いので、既婚者だと知るチャンスはない場合も多い。ほかにも、強姦や脅迫などによって肉体関係を持った場合も故意・過失があったとは認められず、浮気相手に対して慰謝料を請求することはできない。

次に、パートナーの不倫によって権利が侵害されたと認められるのは、それ以前は良好だった夫婦関係が、不倫相手との不貞行為により破綻した場合である。不倫が原因で離婚をした場合も、不倫相手に対して慰謝料の請求が可能である。逆に、権利が侵害されたと認められないのは、パートナーが不倫をする以前から夫婦仲が悪く、共同生活が破綻していた場合だ。このようなケースでは、不倫相手に対して慰謝料を請求できない可能性が高いといえる。

9.慰謝料の相場

不倫における慰謝料請求に関しては、パートナーとその不倫相手から精神的な苦痛を受けたことに対して支払われるものである。一般的な離婚の慰謝料の相場は、100万~300万円程度となっている。パートナーや不倫相手に慰謝料を請求することは、不法行為に基づく損害賠償請求として法律で認められている。しかし、慰謝料の金額に明確な基準はないのが現状だ。慰謝料の金額は、さまざまな要素によって増減されるのが一般的である。たとえば、長年にわたってパートナーが不倫を繰り返していた場合は、長い間精神的な苦痛を受けていたということになる。そのため、慰謝料は高額となる傾向にあるのだ。証拠は慰謝料の金額を左右するものであるため、たしかな証拠をしっかりと集めておくのは重要なことである。

まとめ

この記事では、不倫における慰謝料請求の方法や有効な証拠について解説した。本記事を読んでくれた方でも、「夫婦関係をやり直したい」や「すでに離婚を決意している」など、目指すゴールはさまざまだろう。しかし、いずれの場合も相手にいい逃れをされずに不倫を認めさせることが重要だ。本記事を参考に、不倫を証明できるたしかな証拠集めをしたり、弁護士や探偵事務所に相談したりするなどして、問題の解決を目指していこう。

監修者プロフィール
伊倉総合法律事務所
代表弁護士 伊倉 吉宣

2001年11月
司法書士試験合格
20023月
法政大学法学部法律学科卒業
20044月
中央大学法科大学院入学
20063月
中央大学法科大学院卒業
20069月
司法試験合格
2007年12月
弁護士登録(新60期)
20081月
AZX総合法律事務所入所
20105月
平河総合法律事務所
(現カイロス総合法律事務所)入所
20132月
伊倉総合法律事務所開設
2015年12月
株式会社Waqoo
社外監査役に就任(現任)
2016年12月
株式会社サイバーセキュリティクラウド
社外取締役に就任(現任)
20203月
社外取締役を務める株式会社サイバーセキュリティクラウドが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
2020年10月
株式会社Bsmo
社外監査役に就任(現任)
20216月
社外監査役を務める株式会社Waqooが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
20224月
HRクラウド株式会社、
社外監査役に就任(現任)

※2023年11月16日現在

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