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浮気/不倫の調査夫の不倫は本当に浮気?本気を疑ったときに妻が取るべき行動とは?

夫の不倫に気付いた妻

夫が不倫していることに気付いたとき、妻であれば、それが、ただの浮気であるのか本気であるのか気になることだろう。もしも、夫の不倫が浮気ではなく本気であると感じたら、妻は自分が不利な立場にならないようにするために、その場の感情に流されず慎重な行動を取ることが必要だ。そこで、今回は、夫の不倫が本気ではないかという疑いを持ったときに、妻が取るべき行動について解説しよう。

1.浮気と本気の違いは何?

ほかの女性に興味を示すという同じ行動でありながら、浮気と本気では何が違うのだろうか。どこまでが浮気で、どこからが本気となるのかをしっかりと把握しておくために、まずは、2つの違いについて詳しく解説する。

1-1.発覚を恐れている段階は浮気

浮気とは、パートナーと過ごす現在の生活から目をそらしたいという思いから取る現実逃避の状態を指す。結婚して妻がいるという現実、また、夫婦生活や仕事など日常生活のなかで生じるさまざまなストレスを一時的にでも忘れたいという思いなどから、ほかの女性との遊びに逃げる行動だ。愛する女性と出会ってしまったことから取る行動では決してない。家庭に自分の居場所がないと感じ、空虚な気持ちを埋めるために、その場しのぎでほかの女性に走るケースもある。また、ストレスの原因となる日常生活と関わりのない女性を、その場限りで求めてしまう男性も少なくない。あくまでも、浮気は、本命となる存在があって初めて成り立つものなのなのだ。

本命がいる以上、浮気は裏切りの行動となる。そのため、浮気をしている本人のなかに、本命の相手に対するうしろめたさが生じるのは避けられない。だからこそ、浮気をしている男性は、自分がほかの女性と付き合っていることを本命に知られてしまうことを恐れ、常にビクビクしているものだ。一時的な遊びであるという意識を自覚しているからこそ生まれる、妻への発覚に対する不安が、浮気をしているほとんどの男性に見られる。また、自分にとって本来大切にすべき相手をきちんと把握しているので、うしろめたい気持ちがあり、不倫が発覚してしまったときの言い訳をしっかりと考えているケースが多いのも特徴だ。

1-2.相手の優先度が高ければ本気

夫の不倫が本気であるかどうかは、妻と不倫相手とどちらに対する優先度が高いかによって判断できる。妻や家族よりも、ほかの女性との都合を優先する行動を取る場合には、夫の不倫は本気であると考えたほうがよい。一緒の時間を多く過ごしたいと思う女性との予定を優先するのは、男性の自然な心理だからだ。妻よりもまず不倫相手の女性のことを考えて行動の選択をするというのは、心が完全にほかの女性に移ってしまっていることを表すため、浮気ではなく本気となっている可能性が高いだろう。

さらに、妻の都合のみならず、自分の事情も二の次にして不倫相手との都合を優先する場合には、夫がより一層真剣に相手を思っていると考えたほうがよい。相手への気持ちは大きく、失いたくない存在であるとまで考えている可能性が高いからだ。真剣な交際で相手に夢中になってしまっているときほど、周囲が見えなくなってしまうものである。気持ちが盛り上がれば、やがては、堂々と相手との時間を優先にするようになることもあるだろう。このような段階に入っている場合、妻や家族に対するうしろめたさは感じられないため、夫の不倫はもはや浮気ではなく本気といえる。

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2.浮気夫の本気度が垣間見えるポイントとは?

どのような行動が見られると、夫の不倫が本気であると判断できるのだろうか。ここでは、浮気をする夫の行動に本気度が垣間見える8つのポイントを具体的に紹介する。

2-1.夫婦間のコミュニケーションが減る

コミュニケーションの少ない夫婦

夫の浮気・不倫が本気になっている場合、気持ちがほかの女性に完全に移ってしまっているため、夫の心は妻に向かなくなってしまう。関心の薄れた妻とのコミュニケーションを取ることが面倒に感じるため、夫婦間のコミュニケーションが減ることは多い。さらに、妻との会話が減るようになるのも、ほかの女性に気持ちが移ってしまった夫に多く見られる傾向だ。長く夫婦を続けていれば、だんだんと会話が減ってくることもあるだろう。会話が少なくてもお互いを分かり合えていたり、一緒の空間にいること自体に心地よさを感じていたりする夫婦もいる。

しかし、今までの夫婦の会話の頻度を振り返り比較してみて、極端に夫から話しかけてくる回数が減っていたら要注意だ。このような状態になると、妻から積極的に話しかけても、話を真剣に聞いてもらえない場合が多い。夫婦の会話中も、夫は浮気相手のことばかり考えているからだ。気持ちここにあらずの状態であるため、夫は適当な返事をして済ませてしまう。コミュニケーションが減るのは、会話においてだけではない。身体的なコミュニケーションを取ることも減り、いずれまったくなくなってしまうこともある。妻とのコミュニケーションで性欲を満たさなくても、本気の相手との関係で十分に満足できてしまうからだ。コミュニケーションの深さや取り方は夫婦によってさまざまだが、以前の関係と比べてそっけなくなったと感じたら気を付けよう。

2-2.妻と一緒に過ごす時間は不機嫌なことが多い

夫が本気の場合、不倫をしていないときや一時的な浮気をしているときには見られない態度を目にすることがある。妻と一緒に過ごす時間になると不機嫌になる行動だ。妻を愛しているときであれば、通常、一緒に過ごす時間は夫にとって心地よいもののはずである。また、浮気をしているときだと妻に罪悪感があるため、ソワソワした態度を見せることはあっても、イライラした気持ちを妻に対してぶつけてくることは、まずない。妻に対する態度が今までとは明らかに変わり不機嫌な様子に見えたら、夫の本気の不倫を疑おう。愛情が減ってしまっているばかりか、一緒にいることすらイライラしてしまうほど妻に対してマイナスな感情を持ち始めている可能性が高いからだ。

夫が妻と一緒に過ごすだけでイライラしてしまっているのは、妻と不倫相手の女性を比べていることに起因していることは多い。浮気相手に対しては良い点ばかりに気付くのに、妻に関しては劣っているところばかりが目に付くようになることが原因だ。相手の悪いところばかりが気になるようになると、一緒にいるとき不快感ばかりが募ってしまうものである。さらに、一緒にいて心地よい不倫相手との時間が恋しくなり、妻との時間に不満を覚える。貴重な時間を不倫相手と過ごさずに妻と過ごしていることをもったいないと感じ、イライラしてしまうようになるのだ。このように、妻への気持ちが一度離れてしまうと、妻がどのような行動を取っても、夫にとってはすべてが気に入らないものとなる。ただでさえイライラしている夫に、重ねてしつこく不機嫌な理由を聞くことは逆効果となるため注意が必要だ。

2-3.帰宅時間が翌朝になる日が増える

特に、仕事の内容に変わりがないにも関わらず、夫の帰宅時間が遅くなった場合にも気を付けなければならない。帰ってくる時間が遅い日が以前よりも増えたと感じた時点で、遅くなる曜日や時間に規則性がないかを確認しておこう。規則性があることが確認できたら、不倫相手の生活の都合に合わせて会っている可能性を疑える。さらに、帰宅時間が遅くなるだけではなく、帰ってくる時間が徐々に遅くなり、夜中にまでずれ込んでくるようになったら要注意だ。浮気の可能性はより一層高いといえるだろう。ただし、必ずしも、浮気と断定できるほど確証の高い行動ではない。実際に残業や飲み会など仕事の都合で早く帰って来られない可能性も否定はできないからだ。

しかし、朝帰りが増えたとなると話は違う。もともと夜間に行う仕事でもない限り、急に朝までの仕事が増えることは、一般的には考えにくい。会社の付き合いにおいても、突然、頻繁に朝帰りが必要となることは通常であればあまり考えられない。不倫を疑われるような行動を夫が堂々と取るようになるのは、妻に対するうしろめたさが薄れている証拠だ。そのため、朝帰りが増えたら、単なる浮気ではなく、本気の可能性が高いと考えよう。

2-4.夫婦や家族の大事な記念日に帰宅しない

結婚記念日や誕生日などのような特別な思い出のある日は、夫婦や家族にとって大事なものである。そのような大切な記念日であるにも関わらず帰宅しないようになったら、夫の不倫の本気度が高いと疑われる。夫にとって、妻や家族が1番大切な存在ではなくなっている可能性があるからだ。妻や家族のことよりも、不倫相手のことばかり考えて過ごしているため、大事な記念日を忘れてしまっている場合がある。もしも、本人が意識的に、夫婦や家族の記念日に合わせて浮気相手との予定を入れているのであれば、状況はさらに深刻だ。妻や家族と一緒に記念日を過ごすことに意味を感じなくなってしまっている恐れがあり、さらに、その態度を妻や家族にあからさまに示しているのであれば相当の覚悟があることをうかがわせる。

2-5.急な予定のキャンセルや変更が増える

夫婦や家族との約束を、夫が急に変更したり、キャンセルしたりすることが多くなったときにも気を付けなければならない。夫が、妻や家族との約束よりも不倫相手との約束を優先している可能性があるからだ。そもそも、不倫相手との約束は、必ずその日でなければならない急な予定はできにくいものである。それにも関わらず、妻や家族との予定を急にキャンセルしたり変更したりしなければならない状況になるのは、夫が不倫相手に愛情を試されている可能性が高い。予定が重なったときに男性が妻を優先するか、自分との約束を選ぶかを試しているということだ。

夫側も、本気で不倫をしている場合には、浮気相手に嫌われたくないという気持ちから機嫌取りのために、妻や家族との大切な約束でもキャンセルしたり変更したりするようになるものだ。さらに、予定の急な変更を何度も繰り返しているうちに、妻や家族との約束を破ることに対する夫の罪悪感が薄れてしまうこともある。少しでも状況を深刻にしないためには、夫の罪悪感が残っているうちに、妻の優先順位を元に戻す対策を取っておくことが重要だ。そのままにしておくと、やがて夫はキャンセルや変更することを面倒に感じ、初めから妻や家族との予定を組まなくなって、一緒に過ごす時間を失ってしまうことになるだろう。

2-6.妻や家族の人格を否定する

妻や子供をののしる夫

不倫相手へと気持ちが移っていけば、自然と妻や家族に対する関心は薄れていく。頭のなかには常に不倫相手のことばかりがあるため、妻や家族のことまで考える余裕はなくなるからだ。そして、不倫相手に対する愛情が強くなるほど、2人の関係を誰にも邪魔されたくないという気持ちが夫のなかに強まっていく。その結果、最も身近な存在である妻や家族の存在を邪魔にさえ感じてしまうようになる夫は多い。今まで気にならなかった妻や家族のあらゆる言動が気に障り、ますますマイナスの感情を持つようになってしまうのだ。

さらに、自分の不倫を棚に上げて、妻や家族の人格を否定する言動も増えてくる。妻たちに責任を転嫁して自分の行動をどうにか正当化しようとするためだ。心のどこかに残っている妻や家族を裏切っているやましい気持ちを排除するために、自分が不倫しているのは妻や家族に理由があると思い込もうとするのである。また、妻に罪悪感を抱かせることで、離婚をスムーズに進めようという思惑がある場合も少なくない。

2-7.家族や妻側の親戚への態度が変化する

夫が本気の場合、夫の態度に変化が表れるのは妻に対してだけではない。ほかの家族や妻側の親戚に対してもそっけない態度を見せるようになる。妻に対して考えるのと同様に、家族や妻側の親戚に対しても関わっている時間が無駄であると感じるようになってしまうからだ。興味を持つことや心がひかれることはほとんどが浮気相手に関わることで、妻に対する興味を完全に失ってしまっている状態にまでなると、要注意の状態だ。家族や妻側の親戚との関係が終わることをまったく恐れなくなることもある。

一方で、妻側の親戚に対する態度は変わっても、自分の側の親戚に対する態度は変わらないのも特徴だ。妻を通してつながっている親戚は、将来、妻との距離が遠ざかれば自然と縁遠くなる。しかし、自分の側の親戚は、妻との関係がどのようになっても縁を切ることはない。そのため、無意識のうちに、同じ親戚でも、妻側と自分側とで態度を使い分けるようになるのである。家族や妻側の親戚に対して明らかに冷たい態度を取っていなくても、以前と比べて配慮がなくなっていたり、きちんと相手の話に耳を貸さなくなったりしている場合は要注意だ。不倫が原因で関心が薄れてしまっている可能性がある。

2-8.家を出ていく

不倫相手への気持ちが本気になるほど、夫にとっては妻との時間がストレスとなる。一緒の空間で過ごすこと自体を苦痛に感じ始め、逃げ出したい衝動に襲われる人も多い。同じ時間を過ごすなら一緒にいて楽に感じる人と共にしたいというのは誰しもの思いだろう。本気の不倫をしている夫にとって、自分が楽に過ごせる相手は、妻や家族ではなく不倫相手の女性となる。そして、一緒に過ごして楽に感じられる相手と生活することを決断した夫が取る行動は、家を出て、つまり妻と別居して不倫相手との生活を始めることだ。家を出ることを決断できる時点で、すでに妻や家族に対する気持ちはかなり低くなっているといっていい。そのため、不倫相手への愛情が冷めない限りは、夫の行動を止めることは難しい。夫婦関係を元に戻して、以前のように一緒に生活できる可能性は低いと考えたほうがよいだろう。

3.夫が本気だと気付いても取ってはいけない行動とは?

夫が本気で別の女性に思いを寄せていることに気付いたとき、妻であれば動揺してしまうことだろう。しかし、感情が高まって冷静な態度を取れなくなることは危険だ。妻にとって不利な立場に置かれてしまうこともある。そこで、ここでは、夫の本気の不倫に気付いた場合に、妻が取ってはならない4つの行動について紹介しよう。

3-1.夫の浮気を見て見ぬふりをする

夫に不倫されている現状を受け入れたくないばかりに、見て見ぬふりをする妻も少なくない。しかし、見て見ぬふりをして夫の行動を放置しておくと、不倫相手への気持ちをさらに本気にしてしまうきっかけを作ってしまうことにもなりかねないため要注意だ。夫がプライドの高い人である場合、女性に対して自分への関心を常に持っていてほしいと考えるものである。妻が自分に関心を持っていないと感じられたら、関心を持ってくれる不倫相手のほうが夫にとってはプライドを満足させてくれる好ましい存在だ。

また、見て見ぬふりをすることは、不倫相手に対しても刺激を与えることになる。不倫相手が夫に対して本気である場合には、夫にとって自分のほうが大切な存在であることを妻にも知らしめたいと考えて、自分の存在をアピールしたくなるものだ。男性の相手として妻よりも優位に立とうとし、妻に自分の存在を気付かせようとする。一般的な傾向としては、妻が気付かないふりをすればするほど、不倫相手は大胆な行動に出やすい。

妻が見て見ぬふりをすることで行動がエスカレートしてしまうのは、不倫相手に限ったことではない。夫も、不倫相手との関係がどこまで妻に許されるかを試すために、段々と大胆に行動するようになることがある。静観しておけば、いずれ2人の熱も冷めるのではと考えるのであれば逆効果だ。夫の不貞を我慢し続けることで妻だけが精神的に疲れ果てていく。結局は、夫の浮気が長くなるだけで、妻にとっては何のメリットもない行動なのだ。

3-2.帰宅した夫を罵倒する

帰宅した夫を罵倒する妻

不倫をしている夫は、ただでさえ、妻と過ごす時間を負担に感じている。それにも関わらず、家に帰ると、加えて妻に罵倒されれば、より一層夫は家に寄り付きたくなくなるだろう。妻がいない場所で過ごしたいという思いが強くなればなるほど、ますます不倫相手を求めるようになることは明白だ。特に、男性は、女性から一方的に言葉で攻め立てられることを苦手とする傾向にあるため、そのような状況を避けたいと思えば、黙って逃げようとすることもある。夫に逃げ出されてしまえば、妻が夫から浮気の詳細を聞き出すチャンスすら失ってしまう。

また、一方的に攻め立てる妻は夫にとって敵対する存在となる。不倫相手にとってだけではなく夫にとっても敵となってしまうことは、妻にとって不利だ。恋はときに、障害が大きいほど燃え上がるものである。夫と不倫相手が共通の敵を作り、同じ障害を持つことで2人の絆をより強く結び付けてしまうことがあることを忘れてはならない。妻がすべきことは、夫が不倫相手のところに居心地の良さを感じさせないようにすることである。不倫相手のところでばかり過ごし帰宅しなくなってしまうと、浮気の証拠を集めることもできなくなるからだ。

3-3.夫や相手の女性を脅す

愛する夫に裏切られたという悲しさや、ほかの女性に夫を奪われたという悔しさから、妻であれば感情的な行動を取りたくなることもあるだろう。しかし、夫や相手の女性に対して命や生活を脅すような言葉を使うことは、必ず避けなければならない。脅迫罪で訴えられる可能性もあるからだ。夫に不倫されているのであれば、通常なら妻が被害者である。しかし、罪に問われるような行動を取れば、浮気されている側であっても妻は加害者だ。今後、どのような方向に進む場合であっても、妻側の立場が悪くなってしまうので気を付けよう。

具体的に脅迫罪の対象となるかどうかは、言葉の内容が害悪の告知であると判断されるかどうかがポイントとなる。脅迫を受けた相手が恐怖心を抱くか否かではなく、一般的に見て恐怖を感じる言動であったかが重要だ。たとえば、「殺してやる」といったような命への害悪の告知は脅迫罪の対象になる。さらに、「切りつけてやる」といった身体への害悪の告知や、「家から一歩も出させない」のような自由への害悪の告知も対象だ。加えて、「ネット上にばらまいてやる」などと名誉への害悪の告知をしたり、「家を壊してやる」といったように財産への害悪の告知をしたりした場合なども脅迫罪と認められる。これらの妻の言動を夫が録音していた場合には、脅迫の証拠として使われる可能性もあるため注意しなければならない。脅迫罪は他人間だけではなく家族間においても成立するものであることを知っておこう。

3-4.夫や相手の女性に暴力をふるう

不倫をされたとき、夫や不倫相手に対して腹が立って怒りの感情を我慢できない気持ちになることは、妻であれば不自然ではない。ただし、腹立たしい気持ちのままに行動をすることは、自分の立場が不利になってしまう可能性があるため避ける必要がある。感情的になって相手に暴力をふるえば、暴行罪に問われてしまうこともあるからだ。暴行罪の対象とされるのは、直接身体に触れた場合だけではない。コップの水を浴びせかけるだけでも、相手の身体に影響がある行動を意図的にしたと判断されれば暴行罪の対象だ。

さらに、結果として相手がケガを負ってしまった場合には、傷害罪も適用される。暴行罪や傷害罪は法律では不倫よりも罪が重いため、もともと被害者であった自分のほうが、夫や相手の女性よりも重罪を犯した加害者となってしまうこともあるのだ。さらに、夫の裏切りを理由とした一時的な暴行であっても、暴力が夫に対して常態化していたとみなされてしまう可能性があることも妻にとってはリスクが高い。夫が浮気をした理由を妻が自ら正当化させてしまうこともあり得るのだ。

4.夫が本気だと気付いたときに取るべき行動とは?

夫が不倫をした場合、妻は自分が不利にならないように慎重に行動を取ることが大切だ。ここでは、夫が本気だと気づいたときに取るべき行動について解説する。

4-1.自分に夫婦関係を続ける意思があるかを明確にする

そもそも、自分自身の気持ちを明確にしておかないと、今後取るべき行動を決めることは難しい。そのため、まずは、自分自身の意思を確認し、夫婦を続けていきたいと思っているのか、別の道を選びたいと考えているのかをはっきりとさせておくことが必要だ。夫が浮気をしている場合には、妻自身の意思が、今後の夫婦の方向を決めるカギとなる。妻から離婚請求をすることはできるが、夫婦問題の原因を作った有責側の夫からだと請求できないことが通常だからだ。夫が離婚を望んでも妻が認めなければ離婚はできない状態なのである。そのため、夫婦の今後の在り方について選択権を持っているのは妻だ。この先、夫とどのような関係でありたいかをしっかりと考える必要がある。ほかの女性に心移りした事実を踏まえたうえで、これからも夫婦として生活を続けることができるかを慎重に判断しなければならない。

判断するときに大事なことは、自分の気持ちに正直になることだ。結婚は当人同士の問題だけではなく、そのほかの家族の思いや親族の目もあるだろう。自分の気持ちを抑えて、周囲の人たちへの影響を優先するのも方法のひとつだ。しかし、離婚を選択せずに、この先、長く我慢を続けることは妻にとって大きな負担となるはずだ。周りのことを思ってした決断であっても、我慢を続けることで最終的に自分が精神的に病んでしまっては元も子もないのである。

4-2.不倫の証拠をできるだけ多く集める

夫が不倫をしている場合、妻に今後の選択権があるが、これからの夫婦の在り方を夫と交渉するときには不倫の証拠は必要となる。夫婦生活をそのまま続けることになっても、離婚することになっても、詳細な不倫の証拠があるほど、妻にとって有利に事を進めることが可能だ。夫自身の非を認めさせる有効な証拠になるのは、いつ、誰と、どこで、何をしていたかが立証できるものである。状況が明確となっている証拠をできるだけ多く集めて、夫側に突き付けられるように準備しておこう。明確な証拠であるほど、夫はいい逃れができなくなる。

さらに、離婚を考えているのであれば、調停や裁判になることも想定しておかなければならない。調停や裁判で争うことになれば、法的に認められる証拠を揃えておくことは必須だ。ただし、法律で認められるような証拠を一般の人が集めることは現実的に難しいだろう。そのため、確実に不倫の証拠集めをしておきたいのであれば、浮気調査を得意とする探偵事務所への依頼を検討することも方法だ。

5.本気の不倫夫に対して妻ができることは?

不倫に本気になってしまった夫に対して、妻は何をすることができるだろうか。ここでは、不倫夫に妻ができることについて、妻の離婚に対する考え方別に解説する。

5-1.絶対に離婚すると決めた場合は?

ベットで抱き合う男女

離婚の決意が固い場合、徹底した証拠集めをすることが求められる。夫が不倫しているのであれば、夫側から離婚を切り出すことはできない。すぐに離婚届けを提出せずに、しっかりと証拠集めをしておくようにしよう。証拠集めが重要となるのは、夫婦生活が破綻した理由が夫の不倫であることを明確に証明するためだ。夫婦生活の破綻の原因が夫の不倫にあるのではなく、以前からの夫婦関係にあると判断されてしまうと、夫側からの離婚請求も可能となってしまう。

証拠として用意するものは、不貞があったことを立証できるものでなくてはならない。実際に夫が不倫していたとしても、夫が妻以外と肉体関係を持っていたことが明らかにわかる不貞の証拠がないと離婚請求は認められないからだ。十分な証拠がそろったら、次に行うのが夫との話し合いだ。まずは、夫婦の話し合いによって解決を図る協議離婚を前提に相談を進め、まとまらなかった場合には、調停、裁判へと進むことになる。

5-2.状況次第で離婚もやむを得ないという場合は?

本当は離婚しないことが希望だが、状況によっては離婚となってもやむを得ないと考えている場合、どちらの結果になっても対応できるように準備しておくことが大切だ。まず、夫が不倫をしていた証拠を充分に集めておくことは、夫と別れる場合にも、夫婦関係を続ける場合にも必要な準備となる。離婚するかしないかに関わらず、夫に責任があることをきちんと認めさせなければならないからだ。また、夫が不倫相手と肉体関係があったことを明らかにする証拠を用意しておくことも大事な準備となる。夫が妻以外の相手と肉体関係を持っていた証拠がないと、離婚請求をしたときに、離婚理由となる夫側の不貞行為を証明できない場合があるからだ。

さらに、離婚をする場合に備えて、夫へ提示する離婚条件を決めておくことも忘れないようにしたい。結婚条件として決めておくべきことは、財産分与や子供の親権、養育費、慰謝料についての希望だ。事前に自分が希望する離婚への条件を明確化しておくことで、不利な立場とならないようにしながら話を進められる。夫婦関係を続けることになっても、慰謝料の請求は可能となるため、条件を挙げておくことは事前に準備しておきたい大事な事項だ。

5-3.離婚だけは避けたいという場合は?

たとえ、夫から裏切りを受けたとしても、さまざまな思いや事情から離婚だけは避けたいと考える場合もあるだろう。そのようなケースでは、夫側から離婚の話が出ても断じて応じない覚悟を持つことが大切だ。夫婦関係の破綻の原因が夫にあれば、どれほど離婚を望んでいたとしても有責者である夫側から離婚請求することは認められない。夫側からの離婚請求が認められないようにするためには、夫に責任があることの証明となる夫の不倫の証拠集めは必須だ。たとえ、夫側が離婚訴訟を起こしても、不貞の証拠があれば妻に有利に話が進む。

さらに、離婚の不受理届を提出して万全の対策を取っておくとよい。離婚の手続きには離婚届不受理申出の制度があり、夫婦の一方が勝手に離婚届けの提出をすることを防いでいる。不受理届を提出しておけば、夫が勝手に離婚届けを提出しても役所で受理されず、離婚は正式に成立しない。さらに、夫婦関係を続けたいなら、不倫相手と別れさせて夫の不倫を整理しておくことも必要だ。不倫相手との関係をきちんと清算するために、慰謝料請求を行ったうえで、不倫相手に対して誓約書や謝罪文を書かせておくと安心である。

6.慰謝料を請求するうえで気を付けることは?

夫や不倫相手へ慰謝料の請求をする場合に重要となるのが、夫婦関係の破綻の原因が夫の不倫にあることを示す証拠だ。十分な証拠を用意して、夫に非があることを明らかにできなければ、裁判に持ち込んでも慰謝料を受け取れない可能性がある。さらに、証拠は法的に認められるものでなければならない点にも注意が必要だ。夫の不貞が明らかにわかる証拠であっても、違法な方法で集めたものであると法律のもとでは認められないことがある。

また、不倫相手に慰謝料を請求するときにも気を付けなければならない。送付した文書の内容を証明することができる内容証明郵便を使って慰謝料請求の通知を行うことが大事だ。内容証明郵便で通知することにより、相手に心理的なプレッシャーを与えることもできる。慰謝料請求の通知を受けた不倫相手との間で話し合いが進み、意見がまとまったら合意書を作成しておこう。加えて、夫婦関係を続けるつもりであれば、もうひとつの注意点がある。慰謝料請求を行うときのタイミングだ。夫の気持ちが整理できているときであればよいが、夫の気持ちがまだ不倫相手に向いているタイミングで慰謝料請求を行うと妻にとってはリスクが高い。夫の気持ちを逆なでして夫婦関係がさらに悪化してしまう恐れがあるからだ。慰謝料請求のタイミングは慎重に図るようにしよう。

まとめ

夫がほかの女性と不倫をしていることに気付いたとき、夫の気持ちが本気であるほど、妻は冷静さを失いやすいものだ。自分1人で何とか解決しなければならないと慌ててしまうこともあるだろう。しかし、重要な問題が起きたときほど焦りは禁物だ。冷静な対応ができる第三者で、調査や証拠集めに詳しい探偵事務所などの専門家の力を借りることも大切である。

監修者プロフィール
伊倉総合法律事務所
代表弁護士 伊倉 吉宣

2001年11月
司法書士試験合格
20023月
法政大学法学部法律学科卒業
20044月
中央大学法科大学院入学
20063月
中央大学法科大学院卒業
20069月
司法試験合格
2007年12月
弁護士登録(新60期)
20081月
AZX総合法律事務所入所
20105月
平河総合法律事務所
(現カイロス総合法律事務所)
入所
20132月
伊倉総合法律事務所開設
2015年12月
株式会社Waqoo
社外監査役に就任(現任)
2016年12月
株式会社サイバーセキュリティクラウド
社外取締役に就任(現任)
20203月
社外取締役を務める株式会社サイバーセキュリティクラウドが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
2020年10月
株式会社Bsmo
社外監査役に就任(現任)
20216月
社外監査役を務める株式会社Waqooが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
20224月
HRクラウド株式会社、
社外監査役に就任(現任)

※2023年11月16日現在

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