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浮気/不倫からの離婚不倫裁判の流れやメリットは?和解との違いや有利になるコツも紹介

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夫婦間で不倫が発覚したとき、慰謝料や離婚問題の解決を目指して裁判を起こすことがある。ただ、裁判はあまり身近な存在ではないため、『裁判を起こすとどうなるのか』『費用はかかるのか』など、さまざまな疑問を抱く人も多いだろう。今回は、不倫問題において裁判を選ぶメリットやデメリットをはじめ、裁判を起こせるケースや手続きの流れ、有利な判決を得るためのポイントなど気になる点を解説していく。

1.そもそも不倫裁判とは?争点や特徴

不倫裁判とは、夫婦のうち『不貞行為』をされた側が、配偶者や不倫相手に対して慰謝料を請求するために起こす裁判のことだ。日本では婚姻関係にある夫婦に対し、お互いに対して誠実であるべく貞操義務が課せられている。結婚している者が配偶者以外の異性と肉体関係をもつことは不貞行為と呼ばれ、貞操義務に違反したと見なされるのだ。不貞行為が発覚すると、離婚原因として認められたり、慰謝料請求を受けたりするペナルティが科せられる。ただし、不倫が発覚すれば確実に裁判にまで発展するわけではない。配偶者や不倫相手が素直に不倫を認めて慰謝料を支払えば、わざわざ裁判を起こす必要はないだろう。

しかし、中には配偶者や不倫相手がひたすら肉体関係を否定したり、慰謝料請求に応じなかったりするケースもある。『協議離婚』『離婚調停』などの場で交渉しながら不倫の有無や慰謝料の金額を決めていく場合もあるが、お互いの主張が食い違ってなかなか合意できないことも多い。このような場合、客観的かつ公平な判決を下せる裁判所の力を借り、不倫の有無や支払うべき慰謝料の金額などを争うのが不倫裁判なのだ。判決の内容には法的拘束力があるため、裁判で認められた慰謝料請求を配偶者や不倫相手が無視することはできない。不貞行為をされた側にとって、泣き寝入りせずに済むかもしれない不倫裁判は、非常に頼りになる存在だ。

2.不倫で裁判を起こせない場合とは?ケースごとに紹介!

配偶者による不貞行為があったとしても、すべてのケースで慰謝料を請求できるとは限らない。不倫の調査や証拠集めをしたのに裁判を起こせなければ、時間と費用が無駄になってしまうため、あらかじめ裁判を起こせるケースと起こせないケースを正しく知っておくことが大切だ。ここでは、注意が必要な『裁判を起こせないケース』について詳しく見ていこう。

2-1.以前から婚姻関係が破綻している

不倫裁判で慰謝料請求が認められるには、配偶者の不貞行為のせいで婚姻関係が破綻している必要がある。そもそも不倫の慰謝料は、不貞行為のせいで夫婦関係が悪化し、婚姻を継続できないような『被害』を受けたことへの『対価』として支払われるものだ。もし、不倫が発覚する以前からすでに婚姻関係が破綻していた場合、不貞行為による被害とは断言できず、慰謝料請求が認められない可能性もあるので注意しよう。婚姻関係の破綻とは、一般的には『特別な事情がない長期間の別居』『モラハラやDVの常態化』『多額の借金』などの状況が挙げられる。

ほかにも、『健康なのに働かない』『浪費が激しい』『親族と仲が悪い』『性格の不一致』など、さまざまな原因で婚姻関係が破綻していると判断される可能性がある。不倫裁判では、このようなポイントを参考に婚姻関係について確認が行われ、関係の破綻が認められれば基本的に慰謝料請求することは難しい。思い当たる節があれば、不倫裁判を起こすかどうか慎重に考えたほうがよいだろう。

2-2.時効が成立している

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婚姻関係にある夫婦には貞操義務が課せられているため、不倫は配偶者の貞操権を侵害する不法行為にあたる。不法行為によって損害を受けた場合、その賠償として慰謝料の請求が可能だ。ただし、損害賠償請求には時効が存在するため、いつでも自由に不倫裁判を起こせるわけではない。不法行為にもとづく損害賠償請求権は、『損害および加害者を知ったときから3年』もしくは『不法行為が発生したときから20年』で消滅してしまうのだ。

『損害および加害者を知ったとき』とは、一般的に不貞行為があったことを知ったときや、加害者の氏名住所を知ったときを指す。つまり、配偶者の不倫や不倫相手のことを知ったのに何もせず放置していると、発覚から3年で時効が成立して慰謝料を請求できなくなるため、裁判を起こす意味がないのだ。なお、不法行為で損害賠償請求権の時効が成立するには、不法行為による損害と加害者の両方を知っていなければならない。不倫相手がどこの誰だかわからない間は、時効が進行しないので安心だ。

ただし、不法行為による損害賠償請求の期限には『除斥期間』があるため注意が必要だ。除斥期間とは、損害の発生から20年経つと損害賠償請求権を行使できなくなるというもので、これが上述した『不法行為が発生したときから20年』で慰謝料請求できなくなる理由につながる。なお、除斥期間については、不倫相手の氏名住所を知らなくても期間が経過すれば権利が消滅してしまう。このため、慰謝料請求するには不倫が発生してから20年以内に不倫の事実と不倫相手について把握し、相手が判明してから3年以内に請求する必要があるというわけだ。

2-3.配偶者が慰謝料を支払い済み

不倫は不倫相手だけが悪いわけではなく、当然ながら配偶者にも相応の責任がある。配偶者と不倫相手による共同不法行為であるため、この2人は連帯して損害賠償義務を負うことになるのだ。このため、すでに配偶者から不倫について適切な額の慰謝料を受け取っていた場合、不倫相手に対して裁判を起こすのは難しい。発生した損害に対する賠償はすでに行われており、それ以上の慰謝料は必要ないと判断される可能性が高いためだ。または、配偶者による慰謝料の支払いで損害賠償義務の一部は果たされたと見なされ、支払い内容に応じて不倫相手に請求できる慰謝料が減額されることもある。

どうしても不倫相手に慰謝料を支払わせたい場合は、うっかり配偶者からの支払いを受けないように注意しよう。

2-4.不倫相手に故意過失がない

不倫による不貞行為はたしかに不法行為であるが、だからといって必ず不倫相手に慰謝料を請求できるわけではない。不法行為に対して損害賠償請求するためには、相手に故意または過失があったことが条件となるのだ。つまり、不倫相手に故意過失がないと認められれば、いくら不法行為とはいえ裁判を起こしても慰謝料の請求が認められる可能性は低い。たとえば、配偶者が結婚している事実を隠して不倫相手と付き合っていたり、お互いの素性をよく知らないまま一夜限りの肉体関係を持ったりした場合は要注意だ。不倫相手に故意や過失がなかったと見なされ、慰謝料請求するのは難しいだろう。

ただし、配偶者の言動やSNSなどに注意していれば既婚者だと気付ける状況だった場合、不倫相手の過失が認められて慰謝料請求できる可能性もある。不倫相手が『結婚していることを知らなかった』と主張しても、素直に聞き入れるのではなく、事実かどうか調べたほうがよいだろう。

2-5.ダブル不倫

不倫は既婚者が配偶者以外の異性と不貞行為をはたらくものを指すため、不倫相手が独身者とは限らない。既婚者どうしが不倫をする、いわゆる『ダブル不倫』のケースもあるのだ。配偶者がダブル不倫をしていた場合、相手に対して裁判を起こすこと自体は可能だが、別の面で注意が必要になる。不倫相手の配偶者から自分の配偶者に向けて、同じように慰謝料請求される可能性があるためだ。慰謝料請求は不倫によって損害が生じた際に可能になるため、理論上は不倫相手の配偶者どうしがお互いに慰謝料請求の裁判を起こすこともできる。

もちろん、お互いに請求しあえば、経済的な利益と損失はプラスマイナスゼロだ。慰謝料の額や裁判費用を考えれば、マイナスになってしまうリスクもあるだろう。これでは、お互いにとって裁判を起こすメリットがあまりないかもしれない。ただし、不倫の内容から明らかに自分の苦痛のほうが大きく、相手側の責任が大きいと認められれば裁判を有利に進められるケースもある。この場合、慰謝料をより多く請求でき、経済的にプラスになる可能性もあるので弁護士などの専門家に相談してみるとよいだろう。

3.不倫を裁判で解決するメリットとは?

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不倫裁判を起こす場合、必要書類の準備や手続きなどで手間がかかるだけでなく、弁護士を雇う場合は高額の費用も必要になる。不倫の内容によっては、判決が下るまでに長い時間がかかることもあるのだ。それにもかかわらず、裁判を起こす人も多いのはなぜだろうか。次は、わざわざ労力をかけてまで、不倫を裁判で解決することのメリットを見ていこう。

3-1.事実関係を客観的に確定できる

不倫を裁判で解決する大きなメリットとして、まず挙げられるのが『事実関係を客観的に判断してもらえる』という点だ。不貞行為に関するトラブルでは、はっきりとした証拠があるにもかかわらず、配偶者や不倫相手が事実を否認することも珍しくない。事実を都合よく書き換えることで名誉を守ったり、開き直って慰謝料の支払いを逃れようとしたりするのだ。こちら側が不倫をいくら追及しても、のれんに腕押し状態でなかなか解決にいたらないこともある。

このような場合は、当事者間での解決を諦めて裁判所の力を借りると効果的だ。裁判では、証言や証拠などの客観的事実にもとづき、不貞行為の有無や当事者の責任の度合いを判断してもらえる。しかも、裁判で下された判決には法的拘束力があるため、配偶者や不倫相手が判決内容を無視することはできないのだ。また、事実関係を客観的に判断するために、裁判では配偶者と不倫相手が肉体関係にあったことを示すメッセージのやり取りや写真、動画などの証拠がひとつずつ公開されることもある。多くの人にその内容を知られることになるため、当事者間のみの話し合いと比べ、配偶者と不倫相手に与える心理的プレッシャーも大きくなるだろう。

3-2.適正な慰謝料金額を判断できる

不倫の慰謝料には明確な基準がないため、素人では適正な金額を出しにくい。自分と不倫相手との主張が一致せず、いつまで経っても交渉が平行線をたどったり、実際はもっと請求できるのに少ない金額で妥協してしまったりするケースもあるのだ。この点、裁判では証言や証拠などの事実から、当事者間の責任の大きさや被害者側の損害の大きさなどを客観的に判断してもらえる。その内容をもとに、過去の類似の判例にしたがって妥当な慰謝料を計算するため、個々のケースにふさわしい適正な慰謝料金額が確定できるのだ。不当に低い金額や法外に高い金額になることもないため、原告と被告どちらにとってもメリットがある。

3-3.慰謝料を確実に支払わせられる

いくら適正な慰謝料の金額がわかったところで、不倫相手に支払わせることができなければ意味がない。慰謝料の計算や請求は弁護士などの専門家でも可能だが、請求しても不倫相手が無視してしまうこともあるのだ。この点、裁判なら『慰謝料を確実に支払わせられる』というメリットがある。裁判の判決には法的拘束力があるため、不倫相手には裁判で決められた慰謝料の金額を必ず支払うという賠償責任が確定するのだ。もし、不倫相手が判決内容を無視して慰謝料を支払わなかった場合、『強制執行』をかけることも可能になる。

強制執行とは、債務を履行しない債務者に対し、裁判所などを通して強制的な取り立てを行う制度のことだ。強制執行によって相手の給与や預金口座の財産などを差し押さえられるため、ほぼ確実に慰謝料を回収できるだろう。不倫されたうえに慰謝料まで踏み倒されるという最悪の事態を避けられるのは、原告にとって大きなメリットだ。

4.不倫を裁判で解決するデメリットとは?

不倫裁判にはさまざまなメリットがあるが、残念ながらよい点ばかりではない。メリットだけに注目して裁判を起こすと、思わぬ後悔をする可能性もあるため注意が必要だ。次は、不倫を裁判で解決することのデメリットについて解説しよう。

4-1.負担が大きい

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不倫を裁判で解決すると、さまざまな面で負担が大きくなるというデメリットがある。裁判は裁判所に申し出ればすぐに始めてもらえるわけではなく、裁判を起こすことを伝える訴状の作成や提出、裁判所への出廷などの手間がかかるのだ。また、訴訟費用のほか、裁判で認められる証拠を集めたり、裁判を有利に進めるために弁護士を雇ったりする場合は高額の費用が必要になることもあり、経済的な負担も大きくなる。さらに、不倫の内容によっては証拠の検証や双方の主張の聴き取りなどに時間がかかり、解決までに何年もかかるというケースも少なくない。

裁判にはこのようにさまざまな負担があるため、精神的なダメージやストレスが大きくなるというリスクもあるのだ。ただでさえ、配偶者の不倫に気持ちが落ち込んでいる中、裁判による負担までのしかかってくるというのは注意したいデメリットだろう。

4-2.和解交渉の切り札が消える

慰謝料請求において、裁判を起こすというのは最後の手段でもある。手間や時間、費用などを考えると、裁判にいたる前に当事者間の交渉で解決したほうが何かと便利だからだ。裁判を起こされると『周囲に不倫が知られてしまう』と慌てる配偶者や不倫相手も多いため、何とか裁判沙汰になるのを避けようとするケースも少なくない。双方にとって負担の少ない『和解』に応じたり、相場より高い慰謝料を支払ってくれたりするケースもあるのだ。このようにメリットの大きい解決を目指すなら、裁判はあくまでもちらつかせる程度にしておいたほうがよいだろう。

本当に裁判を起こすと、このような和解交渉の切り札が消えてしまうというデメリットがある。『もう怖いものはない』と不倫相手が開き直り、慰謝料の支払いを拒否したり、和解の可能性が消えてしまったりする恐れがあるのだ。相手に対して、とことん法的な責任を追及したい場合は裁判が役立つが、妥協しつつ和解を目指したい場合はデメリットのほうが大きくなる可能性もある。自分が相手に対してどう責任を取らせたいのか、冷静に考えて裁判を起こすかどうかを決めることが大切だ。

5.不倫裁判を行う流れを解説

実際に不倫裁判を行いたいものの、どのように手続きを進めればよいのかわからないという人も多いだろう。手間や時間がかかりやすい裁判だからこそ、効率よく進めるために裁判の流れを知っておくことが大切だ。次は、不倫裁判を起こすための手順やかかる期間、費用などについて詳しく解説する。

5-1.訴状の提出

不倫問題に限らず、裁判を起こす際はまず『訴状』の提出が必要となる。訴状とは裁判所に対して訴えを提起する際に提出する書面のことで、当事者や請求の内容・原因などが記されたものだ。慰謝料を請求する側が裁判所へ訴状を持参または郵送して提出すると、訴状を受け取った裁判所が内容について審査を始める。審査の結果、形式的な要件を満たしていると認められれば、裁判所は『第1回口頭弁論期日』を指定する。口頭弁論期日とは裁判を行う日のことであり、訴状の受付から1カ月後、遅くとも1カ月半後までを目安として提示されるのが一般的だ。

第1回口頭弁論期日が決まると、裁判所は訴状と呼出状などの書類を被告側へ送付する。これらの書類を被告が受け取ると訴訟が成立し、被告は訴状に対する認否や主張を記載した答弁書を提出しなければならない。答弁書は裁判所を通して原告にも届けられるので、内容を確認したうえで必要な証拠書類や証人などを準備しておこう。

5-2.口頭弁論と弁論準備

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裁判所によって定められた第1回口頭弁論期日になったら、裁判所に出廷して自分の主張を述べる。自分の主張や相手の主張に対する返答を記した書面を事前に準備し、裏付けとなる証拠を提出して口頭弁論を行うのだ。裁判長は、原告の主張や証拠などに矛盾があれば質問をしたり、次回の裁判までに明らかにしておくよう命じたりする。ただ、第1回口頭弁論期日は被告側の都合を確認せずに日程が決められるため、被告が欠席することも多い。このため、最初の口頭弁論では『訴状通りの主張で間違いないか』と原告に確認し、次回の裁判の日程を決めるだけで終了というケースも珍しくない。

その後は争点を整理する『弁論準備』に移り、基本的に相手が主張する内容に対して自身が反論をしたり、さらに主張を重ねたりするなどの手続きを繰り返していく。口頭弁論の回数には特に制限がなく、1回で終わることもあれば必要に応じて何度も行われることもある。

5-3.和解の提案

口頭弁論や弁論準備によって当事者の主張や証拠の提出がある程度出そろったタイミングで、裁判所から和解が提案されるケースも多い。当事者どうしの話し合いで解決できずに裁判になったとはいえ、和解にはさまざまなメリットがあるため裁判所も改めて提案してくるのだ。たとえば、『和解すれば早く解決できる』『原告と被告が譲り合って妥協するため主張が認められやすい』などのメリットが期待できる。もし、裁判所からの提案で和解に合意した場合は、裁判所が『和解調書』を作成して裁判は終了だ。

なお、和解調書には判決と同様の法的拘束力がある。このため、一度成立した和解を後から覆すことはできないし、被告が和解内容を無視して慰謝料の支払いを拒否すれば財産の差し押さえなども可能だ。

5-4.証人尋問と本人尋問

和解などではなく、被告の責任をしっかりと追及して解決したい場合は『尋問手続き』に移ることになる。原告と被告の主張は平行線をたどる場合も多く、書類上の情報だけではどちらの言い分が正しいのかわかりにくい。このため、原告や被告、証人などを裁判所に出廷させて直接話を聞く尋問の場が設けられているのだ。法廷では、弁護士と裁判官から原告や被告、証人へいくつか質問を行い、それぞれの返答をもとに話の矛盾点やはっきりしない部分を整理していく。証人尋問や本人尋問などがひと通り終わると、その内容をふまえたうえで再度裁判所から和解を提案されることもある。

5-5.判決

和解ができず最後まで争った場合、裁判所は、それまでに判明したすべての事情や証拠にもとづいて『判決』を下す。判決は裁判における最終的な判断結果であり、法的拘束力があるため原告も被告もその内容に従わなければならない。慰謝料の支払いを認める場合、被告に対して原告へ慰謝料をいくら支払うかが命じられ、慰謝料の支払いを認めない場合には原告の請求が棄却される。ただし、判決は下されたその時点で確定するわけではない。原告または被告が判決内容に不服がある場合に備え、最終的な判決の確定は言い渡しから2週間後とされているのだ。

判決に納得できなければ、判決の言い渡しから2週間以内に高等裁判所などへ控訴の申立てを行い、再度慰謝料などについて争うこともできる。

6.知っておきたい!不倫裁判の期間や費用は?

不貞行為の有無や慰謝料の金額をはっきりさせたい場合に役立つ裁判だが、解決までにかかる期間や費用など気になる部分も多い。予想外に長い期間や高額の費用がかかると、せっかく起こした裁判を途中で諦めてしまうこともある。これでは裁判のためにかけた手間や費用が無駄になるばかりか、慰謝料請求できず泣き寝入りになってしまう恐れもあるので注意が必要だ。このような事態を避けて計画的に裁判を進めるためにも、次は不倫裁判にかかる期間や費用について、大まかな目安を見ていこう。

6-1.期間は1〜2年が目安

不倫裁判を起こしてから判決を得るまでの期間は、1~2年かかるのが一般的だ。もちろん、個々のケースで期間に違いはあるものの、解決までにはかなりの時間を要すると覚悟しておこう。期間の内訳としては、まず訴状を提出してから第1回口頭弁論期日までに1~1カ月半ほどかかる。これは多くの民事裁判で同じようなスケジュールになっているため、特別に早めてもらうのは難しい。その後に行われる口頭弁論や準備弁論は、1カ月に1回のペースで繰り返されることが多く、弁論の回数が増えれば増えるほど期間も長引いてしまう。弁論によって争点や主張、証拠などが整理されてから本格的な尋問や判決に進むため、1年以上という長期にわたるケースが多いのだ。

下された判決に納得できず控訴したり、争点が複雑で審理に時間がかかったりすると、さらに期間が長引くこともある。場合によっては、解決まで3年近くかかるケースもあるほどだ。このため、少しでも早く裁判を終えたいならある程度妥協し、裁判所が提案する和解に合意するという方法もある。和解すればその時点で裁判が終了するため、それ以上負担が続く心配はない。

6-2.弁護士費用は数十万円

裁判を有利に進めるためには、裁判官に対してうまく自分の主張を伝えたり、証拠を提示したりしなければならない。それらを自分で行うことも可能だが、法律知識や裁判経験があまりない人の場合、正確な書類の作成や裁判官への効果的なアピールができない可能性もある。このため、裁判を起こす際は不倫問題に詳しい弁護士を雇ってサポートしてもらうケースが多い。弁護士は裁判の進め方や裁判官への効果的なアピール方法などを知っているため、裁判を有利に進められる可能性が高いのだ。ただし、弁護士を雇うと当然ながら費用がかかるため注意しなければならない。

自分で裁判を戦う場合の訴訟費用は、離婚するだけなら約1万円、そのほか慰謝料や財産分与などの請求をするなら追加でそれぞれ1000円以上かかり、切手代として数千円も必要だ。すべて合わせても、2万5000円ほどで済むケースが多いだろう。これに対し、弁護士を雇うと着手金だけで数十万円かかる。ほかにも日当手当や収入印紙、切手代などの実費も発生し、無事に慰謝料を請求できた際は、成功報酬として慰謝料金額の20%程を支払うのが一般的だ。これらを合算すると、多くのケースで数十万円単位の高額な費用が必要となる。

費用を考えると弁護士を雇うことをためらいがちだが、不倫問題に詳しい専門家がサポートしてくれるというメリットは非常に大きい。裁判に関する相談に乗ってもらえるのはもちろん、自分の代わりにさまざまな手続きを行ったり書類を作成したりしてもらえるため、心身の負担も軽減するだろう。弁護士費用が足りない場合は、国が設立した『法テラス』を利用するという方法もあるので検討してみるとよい。

7.不倫裁判で後悔しないためのポイントは?

裁判には手間も時間もかかり、精神的なプレッシャーも大きいことから、提訴した後で『もうやめたい』『こんなはずではなかった』と後悔してしまうこともある。配偶者や不倫相手の責任を正しく追及するためにも、後悔しないよう裁判について詳しく知っておくことが大切だ。次は、裁判をスムーズに進め、後悔しないためのポイントを解説しよう。

7-1.不貞行為の証拠を揃える

不貞行為による慰謝料請求を行う裁判では、配偶者が本当に不倫をしていたことを原告が証明しなければならない。証拠が不十分で不倫を立証できなければ、慰謝料の請求が認められず、せっかく起こした裁判が無駄になってしまう可能性もあるのだ。これを避けるため、裁判を起こす前に相手が言い逃れできない決定的な不倫の証拠を集めておく必要がある。裁判で不貞行為の証拠として認められやすいのは、肉体関係にあることをほのめかすメールや通話記録、ホテルに出入りする写真や動画などが一般的だ。ただ、場合によっては配偶者の尾行などの調査が必要になるため、自力での証拠集めが難しいこともある。

このような場合は、調査の専門家である探偵事務所に相談するとよいだろう。費用はかかるが、裁判でも認められる不倫の証拠を集めたり、詳細な調査報告書を作成したりしてもらえるので効果的だ。

7-2.慰謝料の相場と増額要因を知る

慰謝料は、自分が好きなだけ請求できるわけではない。一般的な相場をふまえたうえで、不倫の内容や個々の事情などに応じて適正な金額が決められるのだ。裁判が終わってから『予想していた金額より少なかった』『もっと請求できたのに』と後悔しないよう、慰謝料の相場と増額要因を知り、効果的にアピールすることが重要だ。たとえば、慰謝料の相場は別居していないケースで50~100万円、不倫のせいで離婚したケースでは100~200万円ほどになっている。これをベースとして、不倫期間が長かったり不貞行為による損害が大きかったり、不貞行為の証拠が明確にそろっていたりする場合、慰謝料が増額されることも多い。

一方、『すでに配偶者が慰謝料を支払っている』『不倫相手の過失が小さい』『肉体関係をもった回数が少ない』などの事情があった場合、慰謝料が減額される可能性もあるので注意が必要だ。また、慰謝料は不倫相手の経済状況によって増減することもあるため、相手の社会的地位や支払い能力を把握したうえで請求するとよいだろう。

7-3.早期解決も視野に入れる

不倫をされると配偶者や不倫相手に対して強い怒りを感じ、1円でも多く慰謝料を請求したいと考える人も多いだろう。これは無理のない話であるが、実際には過去の判例などから慰謝料の金額には相場というものがある。どんなに怒りが強くても、相場からかけ離れた慰謝料の請求は認められないことが多いのだ。慰謝料の金額にこだわって裁判を長引かせると、弁護士費用などがかさむだけでなく、精神的な疲労も大きくなる。さまざまな面で負担が増え、心身がボロボロになってしまう可能性もあるだろう。このため、できるだけ早い段階で和解を検討するというのも、裁判をスムーズに進めるためのポイントだ。

早期和解で決着すれば、裁判のストレスから解放されて経済的な負担も減り、ある程度の慰謝料も手に入れることができる。多少妥協する必要はあるものの、得られるメリットも大きいのでおすすめだ。

まとめ

配偶者や不倫相手の責任を明確にし、適正な慰謝料を請求するために不倫裁判は大いに役立つ。その一方で、手間や費用がかかるなどの注意点もあるため、裁判を起こす際は慎重に考えたうえで決断することが大切だ。裁判では効果的な証拠の提出や裁判官へのアピールなども必要になるため、弁護士や探偵など専門家への相談も検討するとよいだろう。

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