浮気/不倫の調査ICレコーダーは浮気調査に使える?設置方法は?
「パートナーが浮気しているのではないか」という疑いを持った時、その証拠を自分でつかみたいと思う人もいるだろう。確かに浮気調査は自分でもできるかもしれないが、パートナーに気付かれないように尾行や張り込みなどを行うには、専門的なスキルや知識が必要になり、失敗すれば大きなトラブルを招きかねない。しかし、尾行・張り込み以外にも、浮気を調べる方法はある。その一つがICレコーダーを使うことだ。 パートナーが自宅に浮気相手を連れ込んでいる場合や、家の車を使って浮気をしている場合は、レコーダーを家や車に仕掛ければ、浮気相手との会話を録音できるかもしれない。ただし、このやり方には様々なリスクも伴い、録音した音声データが慰謝料請求のための証拠にならないケースもある。浮気調査に使えるレコーダーや、録音のリスク、慰謝料を請求するためにやるべきことなどを解説する。
ICレコーダーを選ぶポイント
会議の内容などを録音するのであれば、録音性能さえよければ、どんなレコーダーを使ってもいい。しかし、パートナーと浮気相手の会話をこっそり録音しなければならない場合は、そうはいかない。録音性能に加えて、相手にバレないようなものでなければならないし、2人が浮気していることを裏付けるような決定的な音声データを手に入れるには、長時間にわたって録音し続けなければならないケースもあるからだ。ICレコーダーで浮気調査をする時に、どんな機能を持ったものを使えばいいのか、レコーダー選びのポイントを紹介する。
小型・軽量
パートナーの浮気を調べるのに使うICレコーダーを選ぶ際は、小型・軽量なタイプにするのがいいだろう。浮気調査で一番気をつけなければならないのが、相手にバレることだからだ。実際にパートナーが浮気をしていた場合、仕掛けたレコーダーを発見されてしまうと、自分が疑われていることを知って、証拠隠滅を図ったりするかもしれない。そうなれば、真相を突き止めることも難しくなってくる。
そのため、レコーダーはできるだけ目立たないものであることが必要だし、重量も軽い方がいい。レコーダーを両面テープなどでソファの裏や助手席のシートの裏に張り付けておくような場合、重いものは時間が経つと剥がれる恐れがあるし、車の振動で床に落ちてしまう危険性も高くなる。
交換可能なバッテリーやメモリー
浮気を調べていることをパートナーに気付かれないようにするためには、自分がICレコーダーを取り扱う際の行動にも注意しなければならない。レコーダーを設置しているところを見られるのはもちろん、回収したレコーダーが引き出しにしまってあるのが見つかっただけでも、パートナーに怪しまれる危険性がある。
そのようなリスクを避けるには、バッテリーは充電式のものより乾電池式のもの、メモリーは本体だけでしか音声データを記録できないものよりマイクロSDカードなどに記録できるものを選んだ方がいいだろう。それなら乾電池を取り換えるだけでよく、アダプターを買えばパソコンでSDカードのデータを読み取ることができる。本体を取り外し、また取り付けるといったリスクを冒さなくても済むのだ。
録音性能
いくら見つかりにくいものを選んでも、肝心の録音性能に問題があれば、パートナーが何を話しているか聴き取れないし、そもそも誰の声なのかも判別できないかもしれない。音声データから浮気の証拠をつかむには、マイクの性能がいいICレコーダーを使うのが必須の条件なのだ。購入時に性能を比較して、集音性の高いマイクを搭載したレコーダーや、ノイズキャンセル機能搭載のレコーダーを選ぶようにしよう。
ノイズキャンセルとは、ノイズを除去して人の話し声をクリアに録音する機能で、車のエンジン音や音楽が流れている環境での録音にも効果を発揮する。それでも声がよく聴き取れないようなら、「コンデンサーマイク」と呼ばれる外部接続マイクを使ってみれば、小さな声も拾える可能性がある。
連続録音時間
レコーダーが連続でどれぐらい録音できるかも、大切な要素だ。パートナーが浮気の証拠となる話をいつ口にするかわからないので、録音時間が短いと重要な会話を録り漏らしてしまう恐れがある。連続で録音できる時間は、レコーダーやSDカードのメモリーの容量などによって変わってくる。
低音質での録音であれば32 GBのメモリーで2~300時間録音できる場合もあるが、高音質で録音しようとすると、その10分の1以下の時間になってしまい、何度もデータ移行しなければならなくなるケースも多い。自宅で半日の録音をするなら10時間以上、車で録音するなら20時間以上、終日録音するなら30時間以上録音できることがレコーダー選びの条件となる。
バッテリー容量
「録音可能時間」と「バッテリー持続時間」は異なるため注意が必要だ。せっかく大容量のSDカードをセットしても、バッテリーが持たなければ長時間にわたって録音することはできない。途中で電池が切れると、浮気を決定づけるやり取りが録音できない可能性もあるし、何度も電池を交換しているうちに、その場面をパートナーに見られてしまうかもしれない。購入前にメーカーのサイトなどをチェックすれば、レコーダーの電池持続時間などの製品仕様を確認できるはずだ。ただし、バッテリーの持続時間は長くても、録音性能が低いものもあるため、口コミを調べたり量販店のスタッフに聞いてみるのがいいだろう。
操作性
録音性能やバッテリーの持ちがよくても、取り扱いが難しいレコーダーを選ぶと、操作するのに苦心したり、誤った操作をして上手く録音できなかったなど、後々トラブルが起きる恐れがある。これも、口コミサイトでチェックしたり、展示品などを試したりして、使い勝手のいいものを探すようにしよう。
また、パートナーが浮気相手と会う時間帯がわかっているのなら、セルフタイマー機能付きのレコーダーを使う手もある。事前にタイマーをセットしておけば、設定時間になると自動的に録音を開始するので、録音時間が短縮でき、バッテリーの消耗も抑えられる。さらに、リモコンやスマホを使ってワイヤレスでレコーダーを遠隔操作できる機種もあり、本体に直接触れることなく、録音の開始・停止ができる。
VOR(音声自動録音機能)
音声自動録音機能(VOR機能)とは、「Voice Operated Recording」の略で、一定以上の大きさの音をマイクが感知すると自動的に録音が始まり、音が小さくなると自動的に録音が止まって、一時停止状態になる機能だ。VOR機能搭載のボイスレコーダーであれば、会話がない状況では録音されないため、バッテリーやメモリー容量を節約することができる。
また、パートナーの会話をチェックするには、音声データを聴き返さなければならないが、VOR機能のないレコーダーだと、何時間も無音の状態が続いたり、結局何の音声も録れていなかったりして、骨折り損に終わってしまう場合もある。しかし、VOR機能がついていれば、音が聞こえた時にだけ録音するので、効率的に音声チェックができるのだ。
倍速再生機能
倍速再生機能付きのレコーダーも、録音データをチェックする際の助けになる。倍速再生機能がない場合、録音時間と同じ時間以上、レコーダーを再生し続けなければならないが、この機能がついていれば、無音の部分をどんどん飛ばすことができるので、作業効率が大幅にアップする。また、倍速再生は精神的な負荷も減らしてくれるだろう。録音データには、パートナーと浮気相手の楽し気な会話や、自分に対する悪口、「妻より君と一緒にいる方がはるかに楽しい」といった声が入っているかもしれない。そんなやり取りを長々と聞かされるのは苦痛でしかない。倍速再生機能はその時間を短縮し、精神的ダメージをいくらかでも減らしてくれるはずだ。
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様々なタイプのICレコーダー
これまでお伝えしてきたように、ICレコーダーを浮気調査に使う場合、録音性能だけでなく、パートナーに見つかりにくいようなコンパクトなものや、長時間の録音ができるような連続録音時間、バッテリーの持ち時間が長いものを選ばなければならない。これらの条件を満たすICレコーダーは数々あるが、中には会社でのパワハラやイジメなどの実態を密かに録音できるように、レコーダーとバレないような形をした機種や超小型の機種もある。浮気調査にも使えるレコーダーにはどんなタイプの機種があるのか、ピックアップしてみよう。
オリンパス/DM-750 Voice Trek(電池・メモリー交換型)
ハイスペックを追求したモデルで、高音質録音とより聴き取りやすい高音質再生機能を備えたICレコーダー。バッテリーは乾電池式、メモリーはSDカードを使用するため、充電や音声をチェックする際にいちいち本体を取り外す必要がない。マイクの機能はかなり高く、設置箇所とマイク設定で車のエンジン音や風きり音などのノイズも除去される。また、録音シーンセレクトメニューがあるので、状況に合わせた録音ができ、自宅に設置した時も広範囲の音を拾うことが可能だ。オールマイティーに使えるレコーダーだが、外見は普通のボイスレコーダーなので、隠し場所は慎重に選ぶ必要がある。
ソニー/ICD-TX800(遠隔操作型)
サイズが約38mm×38mmと小型で軽量なため見つかりにくく、本体にクリップがついているため、いろいろな場所に設置できる。録音開始タイマー機能や、音を感知して自動録音するVOR機能もついていて、無駄なく録音することができるが、このレコーダーの最大の特徴は、遠隔操作が可能なことだ。付属のリモコンを使えば、ワイヤレスで簡単に録音を開始することができるし、アプリをダウンロードしてスマホから録音操作することもできる。そのため、パートナーの浮気を証拠立てる音声が録れそうな時を狙い撃ちして、録音をスタートさせられるのだ。
QZT/ZD46(超小型)
縦横のサイズは40 mm×35 mm、厚みが9.7 mmと、ICレコーダーの中で最高クラスのコンパクトさを持つ。ワンタッチで録音がスタートし、フル充電で最高50時間連続録音、35時間再生することが可能だ。本体のストレージ容量は16GBで、最大284時間の音声データを保存でき、メモリーカードも要らない。録音性能に関しても、ノイズキャンセリング機能が搭載されているので、クリアな音声を録ることができる。さらに、360°音声感知のVOR機能を備えているのに加え、タイムスタンプ機能があり、録音の日時が自動的に記録されるなど、コンパクトなボディに多彩な機能が詰まっている。
Daping/ Pro DP32-Pro(ペン型)
発見されるリスクが少ないカモフラージュ型のICレコーダー。見た目はシックなボールペンで、実際に字を書くことができ、録音中に光るライトなどもない。ペン立てに入れたりしておけば、パートナーもレコーダーだとは思わないだろう。VOR機能も搭載していて、多少離れていてもしっかり声を拾うことができる。メモリー容量が16GBのものと32GBのものがあるが、32GBなら約360時間の録音が可能なので頻繁にデータを移行しなくても済む。また、パソコンだけでなく、スマホでも録音データを再生できるので、使い勝手のいいレコーダーと言えるだろう。
オリンパス/VP-20 Voice Trek(スティックタイプ)
寝室にかけた上着の内ポケットなどに入れておいて録音できるスティック型のスリムなレコーダーだ。ノイズキャンセル機能がついている上、あらゆる方向からの音を捉える「全指向性ステレオマイク」を搭載。さらに、「ボイスチェイサー」を使えば、音声の入力レベルが低い時には自動で感度を上げ、高すぎる時は感度を下げて音割れを防いでくれる。また、ポケットの中に入れた時に高感度で音声を捉える「ポケットモード」をはじめ様々なモードがあり、セルフタイマーやワンタッチ録音など、状況に合わせた録音ができる。バッテリーは乾電池式で充電する手間が省けるので、パートナーにバレるリスクも抑えられる。
BESET / VR-U30(USB型)
このICレコーダーは、USBメモリーにカモフラージュされたタイプ。実際にUSBメモリーとしても使えるので、自分がパソコン作業をする時に使っていれば、レコーダーとは思わないだろうし、そのままパソコンに差しておいてもまさか録音しているとは気づかないだろう。フル充電で最大18時間作動し、高音質モードでも約144時間の連続録音が可能。VOR機能もついているため、1日中録音できるし、パソコンにUSB接続したり、スマートフォン用のUSB・ACアダプターにつないでも充電できるので、バッテリーの消耗を心配する必要がない。
ボイスレコーダーを設置する場所とリスク
浮気調査に使えるICレコーダーを購入しても、それを上手く使いこなせなければ、パートナーの尻尾をつかむことはできない。パートナーの声がよく聴こえる場所にレコーダーを仕掛ければ、発見されてしまう恐れがあるし、発見されにくい場所に仕掛けると、鮮明な音声が録音できないといったジレンマがあるからだ。さらに、レコーダーを設置する場所や方法によっては、法律違反になるケースもある。また、浮気相手から慰謝料などを取りたい場合は、録音内容についても一定の条件を満たしていなければならない。パートナーの浮気を調べるのに適したレコーダーの設置場所や、録音に伴うリスク、慰謝料の請求に必要な録音内容などについて解説しよう。
自宅に設置する場合
ICレコーダーを設置する場所として適しているのは主に2箇所。自宅の中か、パートナーが家の車を使っているならその車内だ。自宅に設置する場合は、普段パートナーがよく1人で過ごしている場所を選ぶのがいいだろう。家族が外出して1人になれば、パートナーも油断してスマホで浮気相手と堂々と話し出すかもしれない。そこがリビングであれば、クローゼットの中や棚の上など、パートナーの視線が届かない場所に仕掛ければいいし、エアコンの上や照明器具の裏に設置するという方法もある。
また、パートナーが浮気相手を自宅に連れ込んでいる気配がある時は、2人が会話をしたり、いちゃついたりしそうな場所に仕掛けるのがおススメだ。ベッドの裏やソファの下など、パートナーと浮気相手に近く、かつ気づきにくい場所に設置しておけば、生々しい会話や性行為に及んだ時の音声が録音できるかもしれない。
自家用車に設置する場合
パートナーが自家用車でよく外出している場合、その車を使って浮気相手とデートしたり、ラブホテルに入ったりしている可能性がある。また、最近は、運転中のスマホの取り締まりが厳しくなったので、運転しながらスピーカーで通話する人も増えている。車の中は密室で、自室と同じくらいに油断しやすい場所なので、浮気しているとはっきりわかる会話を浮気相手と交わしているところを録音できる可能性も高い。
車の中にICレコーダーを仕掛ける際は、浮気相手が座るだろう助手席のシートの裏やダッシュボード付近が設置場所の候補になる。座席のシートのバックポケットも、音声がはっきり拾えるので候補の1つにはなるが、誰もが最初に思いつく隠し場所なので、カモフラージュ型のレコーダーでないと気づかれるリスクが高い。ペン型などのレコーダーを使うのであれば、普段からサンバイザーやサングラス入れなどにペンをいくつか入れておき、その中にレコーダーを紛れ込ませるのがいいだろう。
車は悪路を走ると振動が激しくなるので、隠し場所から出てきたりしないよう、レコーダーはしっかり固定しなければならない。また、車の中はエンジン音やエアコンの音などのノイズも多く、声が鮮明に拾えないケースもある。ノイズキャンセリング機能のついたレコーダーを使い、自分で1度車を走らせてみて、どこに設置するのがいいか考えるようにしよう。
設置してはいけない場所は?
日本には盗聴・録音を罰する法律はないので、パートナーと浮気相手のやり取りをこっそり録音すること自体は法律違反ではない。しかし、たとえ夫婦の間であっても相手に知られたくないことはあり、パートナーのプライベートな空間に盗聴器やICレコーダーを仕掛けて会話を録音する行為は、プライバシーの侵害に当たる。そのため、パートナーの服やカバンなど、個人の持ち物にレコーダーを仕込むのは許されないし、自宅であってもパートナー専用の鍵付きの自室や専用の書斎にレコーダーを設置するのも控えた方がいい。当然、浮気相手の家や車に無断で侵入して、盗聴・録音したりするのは、もってのほかだ。
要するに、パートナーに内緒で録音することが許されるのは、夫婦共有のスペースだけだ。したがって、夫婦が共同で使っているリビングや寝室、車など、共有の空間であればレコーダーを設置しても問題はない。
リスク①バレると大変
ICレコーダーをソファやベッドの裏に隠しても、掃除している時や落とし物を拾う時にパートナーに見つけられてしまうことはある。また、レコーダーを回収したり、電池を入れ替えているところをパートナーに目撃されてしまうケースも考えられる。ペン型のレコーダーやUSB型レコーダーならバレないだろうと思うかもしれないが、パートナーがレコーダーを仕掛けられることを心配して、ネットなどでそういう製品を調べていたとしたら、カモフラージュも通用しなくなる。
そうした形でレコーダーが発見された場合、パートナーはすぐに警戒し始めるに違いない。そうなってから慌てて探偵などに本格的な調査を依頼しても、尾行をするのが難しくなり、決定的な証拠がつかめなくなるかもしれない。さらに、パートナーが潔白だった場合、レコーダーが仕掛けられたことを知ったら、自分が信用されていないことに腹を立て、そこから夫婦の関係が冷え切ってしまう恐れもある。
リスク②罪に問われるケースがある
先ほどもお伝えした通り、パートナーのプライベートな空間にレコーダーを仕掛けることは、プライバシーの侵害になる。プライバシーの侵害は刑罰こそ科されないが、損害賠償の対象にはなる。別居中のパートナーの家にレコーダーを設置するなど、夫婦仲がこじれている時に隠し録りをすると、逆に相手から賠償金を請求されることにもなりかねない。
また、レコーダーを仕掛ける方法によっては、罪に問われるケースもある。レコーダーを設置するために浮気相手の家や敷地に無断で侵入したりすれば、住居・建物侵入罪になり、さらに設置の際に家具・家電を壊したり改造したりすると、器物損壊罪に問われるリスクがある。浮気調査アプリなどを使ってスマホの通話を録音しようとする人もいるが、勝手にパートナーのスマホにアプリをダウンロードして操作した場合、「不正指令電磁的記録供用罪」や「不正アクセス禁止法」の対象になる。固定電話についても、電話回線に盗聴器やレコーダーを仕掛けるのは犯罪行為だ。
リスク③自白を撤回される
パートナーの浮気を確信している人は、隠し録りなどというまどろっこしい方法はとらず、パートナーを直接問い詰めて浮気を自白させようとするかもしれない。確かに、パートナーが浮気相手と関係を持ったことを認めた音声がレコーダーに録音されていれば、立派な証拠になる。だが、問い詰めてもパートナーが自白しなかった場合は、レコーダーを発見された時と同様に、パートナーの警戒心を高め、それ以降は浮気調査をするのが困難になってしまうだろう。
また、いったんは浮気の事実を認めたものの、離婚を迫られたり慰謝料を請求されたりするのを恐れて、あとから「脅されて、やってもいないことをやったと言ってしまった」などと自白を撤回するかもしれない。そうなれば、真相はうやむやになるし、もし脅迫するなどして精神的に追い詰めたり、暴力を振るったりしたのなら、脅迫罪や暴行罪に問われかねない。
リスク④証拠として採用されない
浮気の真相を確かめたいだけなら、自宅や車でパートナーと浮気相手が親密な会話をしている音声を録音するだけで事足りるだろう。しかし、相手から慰謝料を取って懲らしめたいと思っている場合は、それだけでは不十分だ。裁判などに持ち込まれた時、慰謝料の請求を認めてもらうには、2人の間に肉体関係があったことを裏付ける証拠が必要になるからだ。「愛してる」「また今度デートしよう」などといった会話が録音されていたとしても、肉体関係があったことは証明できない。慰謝料を請求するには、「あのホテルは良かった。また一緒に泊まろう」といった会話など、肉体関係を強く示唆するものでなければならないのだ。
また、性行為中の音声などは肉体関係を表すものではあるが、名前を呼び合わない限り、その声の主が誰なのかはわからないし、音声が不鮮明な場合も証拠としては使えない。このように、会話の録音だけで慰謝料を請求するのは非常に難しいと言える。
浮気の疑いがある時にやるべきこと
慰謝料を請求するためには、パートナーと浮気相手に肉体関係があることを立証しなければならず、録音データだけでは証拠としては弱いことがわかった。慰謝料を勝ち取り、浮気問題にきちんと決着をつけるためには、もっと強力な証拠と併せて録音データを提出しなければならないのだ。そして、その証拠をつかむには、プロの探偵の力も利用しながら、パートナーに気付かれないように密かに準備を進めなければならない。浮気問題を解決する方法や、慰謝料を請求する段取りなどについてお伝えする。
他の証拠も集める
パートナーのスマホのパスワードがわかっているなら、LINEやメールをチェックできる。浮気相手とのやり取りの中に「あのホテルにまた2人で泊まろう」といったメッセージがあれば、肉体関係があるという裏付けになる。デジタルデータは改ざん可能と見なされるので、こういうメッセージを見つけたらアナログカメラでスマホの画面ごと撮影するのがいいだろう。
また、パートナーがクレジットカードでラブホテルの支払いなどをしている可能性もあるので、カード会社の会員サイトも確認してみよう。自分がパートナーの家族会員であれば利用明細を見ることができ、そこにラブホテルの運営会社の名前が記載されていかも知れない。なお、浮気に車を使っている場合は、ドライブレコーダーも要チェックだ。
探偵に浮気調査を依頼する
交渉や裁判で慰謝料を請求する際に、一番効力を発揮する証拠が何かと言えば、パートナーと浮気相手がラブホテルに出入りする場面を写真や動画に収めたものだ。そもそもラブホテルは性行為をするための場所であり、そこを利用したということは、2人が肉体関係を持っているという証明になるからだ。
しかし、そのような決定的な証拠をつかむためには、長時間にわたる尾行や張り込みをした上に、暗い中でも2人の顔がはっきりわかるような鮮明な映像を撮らなければならない。このような作業を一般の人がやり遂げるのは難しく、また、尾行などを自分でしようとすれば、毎日顔を合わせているパートナーに気付かれるリスクも高いので、専門的なスキルを持つプロの探偵に調査を任せた方がいいだろう。依頼の際に、録音データを含め、自分で集めた証拠を提供すれば、短期間で調査を完了させることも可能なはずだ。
録音データの文字起こしをする
慰謝料訴訟になった時、証拠となる録音データを提出しても、裁判官がそれを視聴することはまずないので、録音した音声の内容をタイムスタンプをつけて書き起こし(反訳)、文書にしておく必要がある。音声を自動的に文書に変換するソフトなどを使っても、かなりの時間がかかるため、早目に作業に取り掛からなければならない。また、書き起こしサービスを利用して、その作業の手間を省くという方法もあるが、すべての音声を書き起こすとなるとコストもかかるため、証拠として使いたい部分だけに限定して依頼する方がいいだろう。
慰謝料を請求する
証拠が揃ったら、次は慰謝料請求の準備だ。相手からのアプローチで浮気が始まったのなら、相手から慰謝料を取ることができるし、パートナーと離婚するつもりなら、パートナーに支払わせることもできる。浮気相手に慰謝料を請求する場合は、まずは「内容証明郵便」を使って通告書を送ろう。その文書には、慰謝料の支払いやパートナーとの関係清算の要求を書き記すとともに、要求に従わない時は法的手段に訴えることも付記する。それを受け取った相手がショックを受け、慌てて要求に従うケースも多い。もし拒否するようなら、裁判に持ち込もう。
まとめ
パートナーの浮気を自分で調べたいと思った時、ICレコーダーは強い味方になってくれる。それを使ってパートナーの会話を密かに録音することができれば、真相を突き止められるかもしれない。最近は、性能のいい小型のレコーダーも売られているし、レコーダーとバレないようにカモフラージュされているものもある。ただし、その録音内容が浮気相手との間に肉体関係があったことを強く示唆するものでなければ、慰謝料の請求の際に証拠としては使えない。また、レコーダーを夫婦の共有スペース以外のところに仕掛ければ、プライバシーの侵害になるし、浮気相手の家に無断で設置したりすると罪に問われかねない。 このように、録音には様々なリスクも伴うが、その音声データから浮気相手のことや密会場所がわかれば大きな手掛かりになる。他の手掛かりも集めて探偵などに本格的な調査を依頼し、浮気問題を迅速に解決しよう。
監修者プロフィール
伊倉総合法律事務所
代表弁護士 伊倉 吉宣
- 2001年11月
- 司法書士試験合格
- 2002年3月
- 法政大学法学部法律学科卒業
- 2004年4月
- 中央大学法科大学院入学
- 2006年3月
- 中央大学法科大学院卒業
- 2006年9月
- 司法試験合格
- 2007年12月
- 弁護士登録(新60期)
- 2008年1月
- AZX総合法律事務所入所
- 2010年5月
- 平河総合法律事務所
(現カイロス総合法律事務所)
入所
- 2013年2月
- 伊倉総合法律事務所開設
- 2015年12月
- 株式会社Waqoo
社外監査役に就任(現任)
- 2016年12月
- 株式会社サイバーセキュリティクラウド
社外取締役に就任(現任)
- 2020年3月
- 社外取締役を務める株式会社サイバーセキュリティクラウドが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
- 2020年10月
- 株式会社Bsmo
社外監査役に就任(現任)
- 2021年6月
- 社外監査役を務める株式会社Waqooが東京証券取引所マザーズ市場に新規上場
- 2022年4月
- HRクラウド株式会社、
社外監査役に就任(現任)
※2023年11月16日現在
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